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これがJOYEAR2。さらにコンパクト、そしてシンプルになりました!

  

「ワールドスペース受信記録 3」
〜真打ち登場、JOYEAR 2〜

                            2002年 4月
                                   2003年10月追記


【なぜ受信できない?】

JOYEAR (JSRA-WS0110)を購入して1ヶ月。どうしても、音楽チャンネルなどが受信できない状態が続いていました。おまけに3月中旬には、それまで唯一楽しめていた中国関係のチャンネルが停波し、このまま受信できなければ、この JOYEAR は宝の持ち腐れ・・・とやや焦りを感じていました。

では、いったい、何が問題なのでしょう。以前日立の製品を借りて使ったときにはあれほど簡単に受信できたのですが・・・。WorldSpace は日本では移動電話等、他の業務に割り当てられた周波数にごく近く、かなり強い影響を受けると言われています(また、そのために、総務省も日本では放送として認可していないとか。でも、本来、この周波数は国際的に衛星放送に割り当てられているので、逆に、日本のこの状態こそが問題に思えますが)。もしかして、近所にそうした基地局ができるなどして、環境が悪くなったのでしょうか?

そこで、チェックのためもう一度日立の KH-WS1 を借りてきてみました。スイッチを入れると・・・なんと、以前と変わらず、簡単に全てのチャンネルが受信できるのです。やっぱり JOYEAR の問題だということがわかりました。けれど、インターネットなどでの評判を見ると、JOYEAR の評価は決して悪くありません。ということは、この製品、つまり私が購入した単体の不具合ということでしょうか

ふと、受信記2で記した、ある点が気になります。この JOYEAR は KH-WS1 と違って、アンテナに LINEAR 方式をとっています。そのアンテナの問題かもしれません。念のため、CIRCULAR 方式を採用している日立のアンテナを JOYEAR につなぎ、アンテナ設定を変えてみます。(後日、まさにこの方法をある掲示板の WorldSpace ファンの方が書いていらっしゃるのを発見してびっくりしました!GIGA さん、いつもご覧いただいてありがとうございます!←私信ですぅ(^_^;))

しかし、やはり、結果は同じ。JOYEAR では受信できませんでした。ということはアンテナの問題というわけでもないようです。


【お店に連絡】

そこで、最後の手段。JOYEAR を購入した SatRadioJapan にメールを書きました。事情を説明し、製品の不具合かどうか、お店で確かめてもらえないかと頼み込んでみます。HPには「機器の故障は勿論、お買い上げ頂いた後に受信出来ない環境であった、等のお客様の都合でもご返品の保証をします。」と書かれていたくらいなので、私のSOSに応えてくれるのではないかと期待してのことです。

2、3日後、社長の山本さんから折り返し、丁寧なメールが届きました。お店でチェックしてみるので、料金は着払いでいいから JOYEAR を送って欲しいとのこと。それだけではありません。な、なんと、近日発売予定の JOYEAR 2 でちゃんと受信できるか試してみないかとの信じられないくらいにありがたいお申し出。「え、本当っ!?」と思わずコンピュータの画面を見ながら叫んでしまいました。この新製品を試験的に数台、お店でのチェックのために仕入れたのだそうです。お店の方でもいろんな場所で試してみた上で販売に踏み切りたいということのようです。もちろん、喜んで山本さんの提案を受け、使ってみた感想をリポートすることにし、かわりに JOYEAR (ここからは新製品と区別するために JOYEAR 1 と記します)を宅急便で発送。

数日後、山本さんからメールが届きました。浜松で受信してみたところ、全く問題なく受信できているということでした。ということは、個体の問題というわけではないようです。

想像するに、当地では、WorldSpace を受信するための環境がかなり厳しく、日立のKH-WS1ではどうにかそれをカバーできていたものの、JOYEAR 1 では太刀打ちできないと言うことでしょう。その環境の悪さというのは、南西方向への見通しはいいことから、電波の届き具合の問題ではなく、同じ周波数帯に割り当てられた他の無線の影響が考えられます。実際、広域帯受信機でワールドスペースの用いている周波数帯を調べてみると、非常に強力にシグナルが入感します。どうも、JOYEAR 1 は環境を選ぶ受信機のようです。とはいえあの筐体の小ささは魅力です・・・・。JOYEAR 1 が問題なく受信できる地域の人がうらやましい限りです。


【JOYEAR 2 が届く】

一方、待ちに待った JOYEAR 2 (DAR-WS2000) が宅急便でついに届きます。箱を持ち上げて前回も思ったのですが、非常に「軽い」!この中に衛星放送の受信機器が入っていると誰が信じるでしょう。

箱から取り出してみると・・・。なかなかおしゃれなデザインに見とれてしまいます。JOYEAR 1 よりも、アンテナも本体も薄く、そして洗練されています。また、スイッチ類が少ないのが印象的。

で、ふと箱を見るのですが説明書のたぐいが入っていません。まだ、発売前だそうなので、仕方ないのでしょう。そこで、JOYEAR 1 のときのように、様々なスイッチを押しながら電源を入れるなどの試行錯誤を繰り返すと、わずか5分程度で衛星の設定、アンテナの設定ができてしまいました(!)。そして、JOYEAR 1 では若干面倒だったLEARN 機能なども特に操作せずに、いきなり、液晶部分に放送局名の表示が・・・。あっけなく受信できてしまいました。全チャンネルを確かめてみると、アジア北東ビームのチャンネルはすべて受信できることがわかります。アンテナは JOYEAR 1 と同じ、LINEAR 方式となっているのですが・・・。こうしてみると、LINEAR 方式そのものには問題ないということのようです。そして、何よりも、その驚くほどの簡単な操作性!なにせ、説明書なしでも、これだけ操作できるのですから(ただし、前面のボタンを押しながら電源を入れるという技は必要でしたが)。

山本さんへのリポートを作成するために、室内から外に出て公園まで出かけてみます。前回、JOYEAR 1 を試した同じ場所に行き、受信テストをしてみます。南西方向になだらかに下り斜面になっており、理想的な環境です。ベンチの上にアンテナを置いてみます。アンテナ表示は3〜4をさして、問題なく全てのチャンネルが受信できます。JOYEAR 1 の場合は、1〜2という具合でしたから、それに比べ、かなり受信性能が高いようです。今度は受信機の背面にアンテナをとりつけて、手持ちのままの受信してみますが、多少体を動かしてもOK。

再び室内に戻ってみます。しばらくつけっぱなしにして聞いていると、20〜30分程度に1、2回、一瞬、あるいは、数秒間の受信断が生じます。これは日立の時でもあった現象です。インターネットのサイトなどによると、携帯電話など他の業務用電波の影響ではないかという説が濃厚なようです。こればかりはどうにも対策ができません。私の場合は、それほど気になるわけではないので、問題なしとします。

このように背面にアンテナをとりつけてもコンパクト!
とはいえ、この状態は結構、アンバランスです。
電池を入れない状態では倒れてしまいます。

【長所と短所】

すべてが満足というわけではありません。音質は内蔵スピーカーではかなり貧弱です。ただし、JOYEAR 1 のときに不満だった出力の小ささは改善されています。より大きな音が出ます。(とはいえ、ガンガンならすというわけにはいかないのは同じですが。)また、ヘッドフォンや他のアンプなどにつなげて聞けばCD並とはいかないまでも、FM放送に近い、良い音質が得られます。でも、とにかく、海外からの放送なんです。これで大満足。

AC電源の他に、単2電池2本でも作動します。JOYEAR 1 は単3電池4本でした。電池も含めた重量も超軽量で、これならば海外旅行にも十分負担にならずに持っていけるのではないでしょうか。たとえばアジアのリゾート地で、プールサイドに置いて、ビールでも飲みながら放送を聞き、日がなのんびりするというのもいいかもしれません・・・・。

というわけで、JOYEAR 2、文句なく、 「買い」です!

JOYEAR 1 で採用されていたRCAジャックはなし。


【まとめ】
・JOYEAR 2 は軽量小型のシンプルなデザインの受信機で、受信能力も良く、かなりコストパフォーマンスが高いオススメできる機種といえます。もちろん当方の環境では非常に良かったのですが、場所によって、この評価は異なるかもしれません。
・一方、JOYEAR 1 は受信する場所によってはかなり苦しいかもしれません。KAY2 の住んでいる場所では受信は困難でした。想像するに、業務無線等、混信源の多い大都市部では厳しいのでは。環境を選ぶ受信機といえるかもしれません。ただ、良さもあります。設定などがやや複雑ですが、逆に言えば細かい設定が様々にできるので、自由度が非常に高いと言えます。
・当地では WorldSpace は機種をとわず、受信中、瞬間的な音の途切れが割合起きやすいようです。多い場合は10分に2、3回の頻度で起きます。ところが、起きない場合は、まったく起きません。原因不明ですが、これも上記通り、携帯など、業務用の無線関係の影響との説もあります。
・日本に向いているビームはまだまだ放送チャンネルが本来のキャパシティに対して少ないのが現状です。これからどんなチャンネルが登場してくるか楽しみではあります・・・。
・音質はやはり圧縮技術を用いているので残念ながらCDと同じというわけではありません。しかし、ローカルのAM放送よりはずっと良いという感じのレベルです。FM放送に近いともいえますが、若干音の濁りを感じるときもあります。
・別売のフィルターは絶対に必要です。当地ではフィルターなしには受信できませんでした。
・で、我が家では、一日中、この受信機はオンになっています。すっかりお気に入りです。ホント、多くの人々に勧めたいと思っている毎日です。
こんなところです。

局名表示はこんな具合

【後日談】

とにかくこの JOYEAR 2 に大いに満足し、その結果を SatRadioJapan にメールで送ります。なんと、折り返し「では JOYEAR 1 と交換をしましょう」とのありがたい言葉!もう、本当に感謝で言葉もありません。インターネットの通販のみならず、販売店でこれだけ面倒を見て、そして、これほどすばらしい対応をしてくれるお店が他にあるでしょうか。KAY2は今回のこの SatRadioJapan とのやりとりでは感激しっぱなしで、いまだに感激口調がさめやらないです・・・・。

そうそう。現在の放送内容についても一言。

一番実は好きなのは Maestro という名前のクラシック音楽チャンネル。その他に、Radio Voyager という80年代のクラシックロックをかける局もかなり気に入っています。そして、前の受信記にも書いた世界中の英語国際放送を集めて24時間編成にした World Radio Network。これだけのコンテンツでも十分満足です。ラジオというメディアは何か他の作業をしながらでも楽しめるというのが何物にも代え難い魅力です。それもこんなにシンプルな機械で手軽に衛星からの高音質な放送が聴けるのですから・・・。英語学習を目指している方には現在、最強のメディアと言ってもいいかもしれません。そのうち、英語学習でおなじみの出版社、アルク社あたりから、「AFNガイド」に変わって、「WORLDSPACEガイド」が登場する日が近いかも・・なんて想像もしてしまいます。そうそう、4月には Swiss Radio International がラインナップに加わっています。もう何年も大阪有線(今では USEN 440 と呼ぶようですが)に加入していますが、そろそろ、こちらに乗り換えてもいいかなぁと密かに思い始めています・・・。

追記:2004年9月 残念ながら、ほとんどのチャンネルが有料化してしまいました(それでも World Radio Network は無料で聞けますが)。

さらにコンパクトになったアンテナ
というわけで、これにて、KAY2 の WorldSpace 受信記録は一応完結しますが、最後に、みなさんが様々な情報を得るために便利なサイトをご紹介しましょう。

ワールドの世界
 とても充実した掲示板。活発な書き込みをされている常連さんがいらっしゃって有益です。様々な内外の情報についてアンテナを張り巡らされている「GIGA」さんの書き込みを見ていると、ここだけで WorldSpace の大きな動きがチェックできます。また、最近ではデジタル短波放送(DRM)の情報が充実しています。
 http://6305.teacup.com/makoji2/bbs
片手にラジヲ♪
 「ごた」さんの素晴らしいBCLのページです。当ページのBCLの説明ページからメインページへリンクがはってありますが、この中に WorldSpace を受信された記録が記されています。とてもわかりやすい実感的なコメントが大いに参考になります。 http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gota/himatubu/w_space/ws_sat1.htm
海外衛星受信雑記
 様々な海外衛星放送の情報で充実のページですが、WorldSpace の動向記録なども充実しています。
 http://monitor.cside6.com/sat/index.htm
SatRadioJapan/Artec Co. Ltd.
 浜松にあるWorldSpace 受信機の販売店です。上記の受信記に書いたように、素晴らしい対応のショップです。受信機は WorldSpace のページからも購入は可能ですが、受信に関していろいろとアドバイスがもらえるということで考えれば SatRadioJapan さんで購入するのがベストかもしれません。
 http://www.satradiojapan.com/
WorldSpace
 本家本元、オフィシャルサイトです。以前は日本事務所があり、そのサイトがあったのですが、現在は本部サイトのみです。残念・・・!
 http://www.worldspace.com/
 

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