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白内障手術体験記(多焦点眼内レンズ) 〜レーシック後の白内障手術にチャレンジ〜

人間歳をとると、多くの人がかかる白内障。現在は医学の進歩により、簡単な日帰り手術で再びよく見えるようになります。
ただし、過去にレーシック手術を受けた人にとっては簡単ではありません。その簡単でない手術を受けたKAY2の記録です。


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01.経過 1 レーシック以後
02.経過 2 2009年秋 人間ドック
03.病院へ〜目指す医師に会えず
04.病院へ〜2度目の訪問
05.2010年 手術1ヶ月前検診1
06.2010年 手術1ヶ月前検診2
  疑問点を色々と質問
07.2010年 手術1ヶ月前検診3
  レンズの選択
08.2010年 手術1ヶ月前検診4
   Aドクターとの会話のまとめ
09.2010年 手術1ヶ月前検診5
   オリエンテーション
10.手術2週間前 
   不思議な事前追加検査
11.保険について
12.本で学んだこと
13.手術前日
14.手術当日〜手術前
15.手術当日〜手術開始
16.手術当日〜手術後
17.手術翌日検査
18.手術後2日目〜1週間目
19.手術1ヶ月目
   保険請求トラブル、目のその後
20.まとめを兼ねたFAQ (工事中)



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10.手術2週間前 不思議な事前追加検査


クラビット点眼薬。感染予防の目薬です。
手術の前日朝から入れ始めます。


 ある日A大学病院から電話がかかってきました。検査担当の方のようです。「KAY2さんはレーシックをやっていらっしゃる関係で、もう少し丁寧に検査をしてデータを万全にしたいのですが、来られますか?」

 もともとレーシック受けてしまった関係で、レンズの度数決定のための計算がとても面倒になっているということを知っていましたので、より検査を重ねた方がいいのは自分でも同感です。幸い仕事が休みの日に検診をしてもらえるということでしたので、予約を入れてもらいます。

 後で気付いたのですが、本来は前回訪問時にするはずのレンズ決定検査、日程変更のバタバタで、多分、病院側が忘れてしまっていたようなのです。はい、KAY2もしっかりと忘れていました。

 そして、その日。なぜか医療に詳しいOL、KAY1が付き添ってくれます。

 この日、眼科は外来で猛烈な混雑です。看護師さん達は文字通り「走って」います。すごいすごい!でもKAY2は予約検査なので、ほとんど待たずにすみます。

 なぜかどんな病院でも素敵に美しい検査技師さんにあたることの多いKAY2、今回もとびきり可憐なK検査技師さんです。ついついでれでれしてしまい遠くから見ているKAY1の視線が背中に刺さります。痛い!

 Kさんと一緒に場所を途中変えながら4つの検査を行います。最初の3つの検査は眼球のカーブをはかるということで前回行った検査とどうやら同じようでした。で、最後の検査。こちらは眼軸長を測ると言うことなのですが、目に点眼麻酔をして、その上で眼球に直接棒のようなものを当てて超音波で測るというものです。

 麻酔があるので痛くはないとわかっていてもちょっと緊張します。

 「2〜3回行いますね」ということで、多分5分程度の検査だろうなと思います。

 黒いペンのような棒が目の前にあり、その先についている赤い光を見るように指示されます。そして、目に黒い別の黒い棒が近づいてきます。あまり気持ちの良いものではありません。なんだか緊張してるのが自分でわかります。

 目に当たると、麻酔のせいで痛みはありませんが、頭が動くので不思議な感じです。

 で、2〜3回繰り返しますが、素敵なKさん(KAY2がもう少し若ければ…、あ、KAY1のパンチが飛んでくる!)の表情がさえません。

 「もう一度繰り返しますね…。」

 「もう一度。」

 「もう一度。」

 「すみません、もう一度。」

 「もう一度。」


 うーん、この繰り返し、はっきり覚えていませんが、十数回は繰り返したのでは?目を何度も何度もつつかれ、まるで穴だらけになっているような錯覚を覚え、次第に緊張が極限に近くなり、汗が噴き出してきます。

 で、実は測定装置の結果画面がKAY2の方からも見えるので、一緒に見ているのですが、確かに測るたびに出てくる数字が違うんです。一番右側の数値、目に入れるべきレンズの度数ですが、コンマ以下の数字が毎回違うんです。これでは検査技師さんも困ってしまうでしょう。

 でも、なぜ???

 結局、最後の方になると安定したのか、Kさんの表情がやわらぎ、「あと2、3回です」の言葉がやっと実現。

 終了です。20分くらいかかったでしょうか。全身、汗びっしょりになりました。

 「すみません、ずいぶん時間がかかって…」とおっしゃいますが、実際にデータがきちんととれないと困るのはKAY2自身ですから、ここは辛抱。にこやかに「大丈夫ですよ〜」と答えておきます。それに、もしかしたらKAY2の緊張のせいで数値が安定しなかったのかもしれないし…。

 で、待合室に出て次の指示を待っていると目に違和感が。なんだかごろごろするのです。あれれ???ということで、K検査技師さんに尋ねてみます。「あのぉ、なんだかごろごろするんです…まだ麻酔が効いているでしょうけど、麻酔が切れて痛くなったらどうしましょ?」3年前のレーシック手術後、あの強烈な痛みを思い出して、ついそう尋ねちゃいました。

 とりあえず、ドクターに診てもらうことになりました。本日、KAY2担当のAドクターは不在。そこで、臨時に別のお医者さんの午前中の診療の最後に見てもらうことになりました。が、12時を過ぎるとドクターは診療できなくなるそうで、その午前の部、あと2人待ちの状況。で、現在の時刻は11時40分。午前中に診てもらえるかどうか微妙だとのことです。で、12時を過ぎてしまうと午後は1時からになるとか。しかたないですねぇ。1時でも大丈夫ですと話します。

 K検査技師さんは7番の診察室に入りなにやら相談して再び出てきます。「KAY2さん、じゃ、こちらでお待ち下さい。で、もしも席をはずされるようなら7番の看護師にかならずそのことを伝えてからにしてくださいネ」。そして彼女、別棟にある検査室に戻っていきました。

 で、待っているのですが、7番の部屋に患者さんが2人入り診療を終え、次は自分!と待ち構えていたら、小走りに白衣姿の男性が出て行きます。続いて看護師さんも小走りに慌ただしく部屋を出て行きます。おかしいな。で、待てど暮らせどお呼びがかかりません。横に居たKAY1はなにやら思うことあるらしく、「KAY2、部屋をのぞいてみた方がいいよ。多分、誰もいないはず」

 部屋をのぞくと…はい、KAY1の言うとおり、もぬけの殻でした。話が違うとばかりに、そばにいた隣の部屋の別の看護師さんにやんわりと話しかけてみます。

 「あのぉ、ここで待つように言われたんですが…」

 「はい、お待ちいただくより仕方ないですね。」

 「いや、あの、一応、席を外す場合は声をかけてと言われまして」

 看護師さん、一旦部屋の様子を見てきます。出てきて「あの、こちらで承っているのは本日手術中の医師が手が空いたら診ると言うことになっているはずです。午後と言われても、いつになるかわかりませんから一応ここで待っていただくしか…」

 「あれ?あの、午前中にだめな場合でも、午後1時になったら診てもらえると…。」

 こうしたやりとりを何度か繰り返した結果、看護師さん、なぜか怒ってしまいます。声を荒げて
 「何時になるかわかりませんので、ここで待って下さいっ!!!」

 どうやら、引き継ぎがきちんとできていないようですねぇ。7診察室の先生も看護師さんももう別の場所に行ってしまったようです。

 「病院でキレると自分が損!」
と自分に言い聞かせながら、あくまで柔らかい口調で「はい、待つのはいいのですが、痛くなったらどうしましょ?もうすぐ麻酔が切れるんですが…」

 この言葉にようやく彼女、ちぐはぐな会話に気付いたのか、次の行動をとってくれました。電話ですぐに来られるドクターに連絡を取ってくれたようで、別の部屋で事前診療を担当していた若い男性ドクターがやってきて、すぐに声がかかりました。

 忙しいのにわざわざ来てもらい恐縮です。で、事情を話すと「なるほど、レーシック後の白内障での検査ね。じゃ、目に直接触れる検査だったんですか?」

 「そうなんです。で、なんだか目がごろごろして、まさかとは思いますが、レーシックのフラップが…なんて心配で」と説明します。

 で、診てもらったところ、異常なし。はぁ、やれやれ。でも、これで安心です。

 連絡ミスってやっぱり大病院だと起きやすいんでしょうね。今日の場合、多分、じっと待っていたら最後まで声はかからなかったかもしれません。KAY1が様子を見て「うん、これは忘れられているか連絡ミスだ!」と判断してくれたおかげです。それに、看護師さんと話した時点で話がかみ合わず、そこであきらめて自己主張をひっこめてしまえば、これまたそのまま忘れ去られたまま本日終了となっていたでしょう。

 医療の世界に詳しいKAY1の想像の世界ではこうです。

 検査技師さんが7番の部屋に行き、「この人、目が痛いと訴えているので診てもらえます?」と話したところ、おそらく午前中の外来診療担当ドクターから「12時までに診ることができればね。僕はその後外に出なきゃいけないから。1時から別の外来の先生が来たら最初に診てもらうかだね。午後まで待てるのかな?」という答え。それで、「じゃ、お願いします」

 と、ここまではいいのです。

 が、検査技師さんはこの部屋に誰もいなくなるとは思わなかった。さらに、KAY2が外で待っていて、席を外すときには言いに来るということを看護師さんに話さなかった。で、当然のごとく午前の診療が終わり、ドクターも看護師さんも二人とも部屋を出てしまう。

 そうなると誰もKAY2のことを知らないわけです。当然問い合わせた6番診療室の看護師さんも事情を知らず、KAY2から話を聞き、誰かに尋ねたら、多分、中途半端な情報「手術中の先生の手が空いたら診ることになっているので、いつになるかわからないけれど待つと納得している患者がいる」という情報が彼女に伝わってしまった。

 そこで、待つように言うと、きょとんとした表情で、「1時になったら診てもらえるんですよね。それに痛いんです」と、訳のわからない「我がまま」を主張する、人相の悪い中年男の患者に、怒り爆発…とこういう筋書きだそうです。

 怒ったときの看護師さん、KAY1によると、「もう、すごく忙しいのに。私、この人の担当じゃないのに、何でこんなにしつこく理不尽に食い下がられなきゃいけないの?」というオーラが全身から放射していたそうです。

 KAY1は「ま、この場合、そもそも7番診察室の看護師さんが、部屋を出る前に一言KAY2に声をかけるか、KAY2のことを別の看護師さんにきちんと伝達するというふうにすれば、ミスは起きないけどね。」と言っています。

 やっぱり大きな病院では絡ミスは必ず起きるもの、そして忙しすぎる看護師さんたちは「常に爆発寸前」という大前提で行動した方がいいようです。




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ご注意:

この体験記の中に登場する医師名と病院名はイニシャルではなく、レーシック体験記から登場順のアルファベットです。

また、医学は日々進歩しています。ここに書かれたことは2010年春現在の記録です。その点、ご注意下さい。


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