HOME > モノ・インプレッション・トップ > 004



004 多機能ハンディ無線機
VERTEX STANDARD VX2 & VX5

2004年 7月17日

このサイトはフレーム対応となっています。
フレーム機能つきのブラウザでご覧の方はこちらをクリックしてください
そうでない方はこのままご覧下さい。

 

 
ハンディ機(無線機)の機能って、凄いですよねぇ。
これは一番最初に手に入れたハンディ機。YAESU VX−5。
まだ、空線信号解除の機能はついていませんでした。

 

 

アマチュア無線を趣味に持つKAY2は鞄の中にハンディ機(小型無線機)をいつも入れています。

最近のハンディ機の機能って、凄いんです。広帯域で様々な周波数をカバーしており、本来のアマチュア無線以外にもいろいろと役に立つ事が多く重宝します。

最近のお気に入りは「空線信号解除」機能です。JRや私鉄などの無線を聞くと、交信時以外は「ピー」とか「ギャラギャラ」っていう音がずっとなりっぱなしです。これを空線信号と呼ぶのですが、会話が出ていないときにはのべつまくなしにこの音が鳴っているので、聞き続けると耳が痛くなってしまいます。そこで登場したのがこの機能。空線信号が出ているときは何も聞こえなくなり、実際の交信が始まったときのみ会話が聞こえるというものなんです。

毎日の生活のなかでは、出勤前に使っている電車の無線を聞いてちゃんと動いているかどうかチェックするのも便利ですし(特に台風が近づいているなどという場合)、通勤の時に持っていれば、電車が突然止まったときにもあわてずに済みます。人身事故の場合も、現在の状況が手に取るようにわかり、ストレスをためこまなくてもすみます。車内放送では何も告げられなくとも、こうした無線を聞いていれば、いま、警察が現場検証をしているとか、あるいは、何分後にどの列車から運行を再開させる予定であるかなど、事細かな情報が入ってきます。

で、最近は通勤だけでなく、ちょっとした旅行でも必ず持ち出して鉄道無線をチェックしています。実際にそのおかげで助かったことも何度か。

先日の帰省時にも持ち帰りました。田舎のノイズの少ない環境での無線を楽しんだあと、東京への帰路は寝台列車です。「サンライズ出雲」という、その筋の人たちには人気の寝台列車。全室個室でありながら、通常の寝台料金とそれほど変わらないというのも人気の理由です。

さて、始発の出雲市駅でホームに入ると列車がまだ入ってきていません。構内放送が流れます。「遅れております。まだ、いつ到着するか見通しが立っておりません。」そぉら来た。こんなときの無線機。すぐに取り出して聞いています。普段はほとんど何も聞こえてこないはずの周波数に活発な会話が飛び込んでいます。「**列車の運転士ですが、まだ信号は変わりませんか?」「**列車車掌、次の**駅で待ち合わせの旨、乗客に周知してください」などなど聞こえてきます。原因はわからないながらも、まもなく目指す列車がやってくるとわかり、一安心です。

列車はおよそ20分遅れでホームに滑り込んできました。乗り込んだ後で、ずっと無線機をオンにしておきます。最初に聞き始めた頃にくらべると交信の数が減り、落ち着いてきています。それぞれの運転手さんや車掌さんとのやりとりは比較的おだやかで、首都圏の緊迫したやりとりとは違います。なにせ、1時間に1本くらいの本数しか走っていませんからねぇ・・・。

ともあれ、20分の遅れでも、この寝台列車の遅れの場合には一つ不安があります。以前にも体験したことなのですが、この列車「サンライズ出雲」の東京駅到着時刻は7時過ぎ。これを遅れるとモロに通勤ラッシュの時間になります。すると、列車は混雑した東海道線内でますます遅れがひどくなり、さらに、東京駅の東海道線ホームにも入る余裕がなくなってきます。

すると・・・。これはとても嬉しくない選択ですが、列車は途中から、東海道線をはずれ、余裕のある貨物線に入り込み、さらには品川で運転打ち切りとなることが多いのです。もちろん、東京駅に急ぐお客さんに向けては途中で新幹線への振り替え輸送を行います。そうならなければいいなぁと心に願いつつ、乗車前に買ったビール(氷も一緒に買って、ぎんぎんに冷やしておきます。寝台車は車内販売などがないので、こうして自分で事前に調達しておきます)を飲んで眠りに就きます。

朝、5時半過ぎに目が覚めます。目の前に雄大な富士山が見えてきます。ということは?そう、列車、遅れています。無線のスイッチを入れてみると案の定、「静鉄指令(静岡総合鉄道指令の略か?)」というJR東海区間を走る列車の運行を担当する司令塔と、我が「サンライズ」の車掌&運転士と無線の交信が入ってきます。やはり心配した通りの事になってしまいました。この先の小田原で乗客のうち、希望者を新幹線に振り分けるとのこと。どうしよう?自分の場合は急ぐ旅でもなし、このまま乗って品川まで行こうと決意します。品川から東京までの山手線内回りはラッシュアワーとはいえ、車両を選べば空いています。つらい思いをしなくても東京まで行けます。

でも、普通の乗客はみなまだこの情報を知らないはず。というのも、車内の放送は6時まで就寝の妨げになるとかで、実施されません。もちろん、東京から先に乗り換えなどがあるなどということを検札のときに車掌さんが把握している場合には部屋にやってきて起こして教えてくれる場合もあるのですが・・・。小田原まであとわずか、どうするのだろうと、他人の事ながら気になってきます。

午前6時ようやく放送が入ります。そこで、列車のこれからの予定が話されます。「お客様は小田原で新幹線に乗り換えて頂くようお願いいたします。」瞬間、あちらこちらの個室から物音が聞こえ始めます。小田原到着まであと10数分。こりゃ大変です。おまけに、車掌さんのアナウンスは、あたかも全員乗り換えなければならないような言い方に聞こえてしまいます。事情を無線で知っていた私は余裕でしたが、他の皆さんは気の毒です。案の定、小田原駅到着後、列車のドアの付近でどうしたものかと迷っている老夫婦がいました。「どうすればいいのでしょう?この電車はもうこの先は動かないのですか?」と尋ねられ、事情を説明してあげました。ご夫婦は安心して部屋に戻りました。(とはいえ到着の品川のホームは普段あまり使用されていないホームなので、エスカレーターなどはなし。重い荷物を歩いてかかえあげなければならないので、そういう意味ではご夫婦に気の毒をしましたが・・・。)

とまぁ、こんな体験もあるので、広帯域のハンディ機はたとえ無線運用をしない旅行でも欠かすことのできないアイテムなんです。おまけに最近のハンディはFMやAM放送、さらには短波ラジオもアンテナさえつければきれいに受信でき、便利この上ないアイテムです。KAY2の持つハンディ機はバーテックス・スタンダード(YAESU)のVX2とVX5。これを同じ無線免許を持つKAY1と一緒に使っています。


[参考]
列車無線では、列車名は「列車番号」で言い表されます。「上り」の「サンライズ瀬戸・出雲号」は「5032M(ごせんさんじゅーにえむ)」となります。これは大判の時刻表などを見れば掲載されています。自分の乗る列車については事前にしらべておくといいですね。また、使用される周波数は路線によって違います。詳しくは雑誌などをご覧下さい。

次ページ

TOPへ

KAYSトップ

inserted by FC2 system