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013 ストレスの少ないキーボード
ダイヤテック株式会社 FILCO FKB108M/JB
2008年 3月16日
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青いLCDもまたファンが多いようです
パソコンと接していて一番に体が触れるのがキーボードとマウス。そして直接触れないけれどずっと見つめるものがディスプレイ。
「日頃安いモノを買っていても体に触れるものだけは高いものを買え。そうでなければ体を痛める事もある」
これは我が師匠の教えです。
師匠は音に関する専門家。仕事でヘッドフォンを使うのですが、「安物のヘッドフォンを使うと耳を痛めてしまう。耳も含め人間の体はデリケートなのだから、直接触れるものは神経質なまでによく選んで使いなさい」と仰っていました。
その論理でいくと、パソコンのキーボード、マウス、ディスプレイも同じ?安物は体を痛めることになる???
実は、このところからだの調子が良くありません。医者からは「パソコン作業は大きな原因ですよ・・・」と言われています。
そこで、ふと思い当たります。
パソコンに附属のキーボード、もう何年も使っていますが、ここ数ヶ月、老朽化のためか、いくつかのキーが押しにくくなり、パソコンに向かうたびに、ストレスを感じていました。特によく使うAのキーなどが角度によってはどんなに強く押してもびくともしないことがあるのです。もしかしたら、そんなところも体の不調の一因になったのかもしれません。
そう思いついてからキーボードを買い換えることを検討し始めます。とはいえ、キーボード、ピンキリです。安い1000円程度のモノを買っても良いのですが、体への影響を考えると、ちゃんとしたものを買った方がいいのか・・・。でも高いものは2〜3万円するものまであります。
ネットでまずは調べ始めます。というのも、キーボードは皆さんこだわりが凄くある分野で、たとえばKAY2の仕事関係でも「昔のIBMのキーボードが大好きで今でも中古を探して使っている」なんて人の話を聞いていたからなんです。
ちなみにそのキーボードはクリック音が結構するのですが、軽いキータッチで打っていて楽だとのこと。で、KAY2も実はそのキーボード、少しだけ打ったことがあります。確かに軽かった!でも、音が気になったので、そのときは自分が使おうとは思ってもいませんでした。
不具合が出てきた現在のキーボード、正反対のものです。打っていてもほとんど音がしない。それはそれで魅力なのですが、逆に、そのために打ったつもりで打たれていなくて、取りこぼしが結構あり、あとで気づき、修正・・・ということで、これもストレスでした。
クリック音というのは、「打ったことの確認」という意味で実は重要だったりします。
で、やはりクリック音はあった方が良いという気持ちに傾きはじめ、そうして、値段の高いキーボードを見たりするのですが、やはり1万円以上もするものには手が出せそうにありません。
ところが、いつも使っているヨドバシカメラのポイントが1万円分たまりました。昨年の引っ越しで家電製品を買い換えなければならなかった結果です。
ヨドバシカメラに立ち寄り、キーボードを実際に触ってみます。ありがたいことに新宿店ではいくつものキーボードが展示されており、実際に試し打ちできるようになっています。触っているうちに、すぐに「おおお!」というものに出会いました。
ダイヤテック株式会社というところが出しているFILCOブランドのキーボードです。
とにかく、軽いながらも確実な打鍵の反応を感じられ、これなら取りこぼしがなさそうです。クリック音がしますが、それほどうるさくない(試しに聞いてみたい方はこちら。WMAファイルです)。なによりも打っていてその軽快感がたまらなく快感です!!
再びネットで調べます。ドイツの CHERRY という会社のキースイッチを使い、軽快なクリック音と軽いけれども確実なストローク(僕の感じた通りです)で愛好者が多いということでした。
しかもラインナップを見てみると、日本語のあるなしも含め様々な製品が出ています。いままで使っていたのはミニタイプで幅が36センチのものでした。本当はその大きさにしたかったのですが、ややキーの配列に問題があるように感じられ、結局44センチのものに決め、ヨドバシで購入。
家に持ち帰り、さっそくつないでみましたが・・・。
いやぁ、これは良いです。もっと早く導入すべきでした。とにかく、打っていて楽・・・どころか心地よくて愉しいのです。
長時間打っていても疲れない。体に余計な力が入っていないということを感じさせます。とにかく今までのパソコン作業とは比較にならないくらいに姿勢もリラックスしています。
キーボードってパソコンで最も長く人間に直接触れるインターフェイス。重要なのです。もっと各メーカーとも力を入れても良いのでは?そう思わせる体験でした。
で、体の不具合?確かにこのところ軽減されているように感じます・・・とはいえ、キーボードの快適さでますます長時間パソコンに向かうようになってはマズイのですが・・・といいながら、このページを書いてしまいました(笑)。
追記:(2011年9月5日)
先日読んでいた山根一眞さんの「賢者のデジタル」に同種の指摘があり、強く頷いたKAY2です。
「1990年代半ば過ぎから、パソコンは大普及したが「メーカーの販売利益は一台あたり数千円」と言われ、キーボードの開発・製造コストも小さくなったようだ。そのあおりで、キーボードが肩こりや腱鞘炎などの大きな原因のひとつという配慮も忘れられてしまった印象がある。」(p313)
素晴らしい指摘です。やっぱりKAY2も悪しきキーボードの犠牲者だったんですねぇ。そして、今や素晴らしいキーボードに巡り会って、快適快適…。