HOME > モノ・インプレッション・トップ > 024 AM(中波)放送を「昼に」聴こう! ミズホのループアンテナ UZ-8DXs  

024 AM(中波)放送を「昼に」聴こう!
ミズホのループアンテナ UZ-8DXs

2010年 5月19日

このサイトはフレーム対応となっています。
フレーム機能つきのブラウザでご覧の方はこちらをクリックしてください
そうでない方はこのままご覧下さい。


一辺が80センチありますから、結構大きいです!その分効果も大きい!
 




メディア環境が激変し、インターネットラジオも当たり前になったこの頃。

AM放送、しかも遠距離の局を「昼」に聴こうというのはなかなか思い立たないもの。AMは夜間になると遠くに届くので、「夜」聴く人はまだ多いのです。でも、「昼」ならではの魅力が…。

1 夜間伝搬と違い、フェージングがなく、受信できれば安定して聞こえる。

2 夜間はキー局のネット番組が多いが昼間は局独自の番組が多く、地域性が強く出る。

というわけなんです。

で、以前このレビューにも書きましたが(http://kays1998.web.fc2.com/Review/review016.htm)、数年前、ベランダにコメットのアマチュア無線アンテナ「HA-750BL」を立て、アマチュア無線での電波の飛びにはがっかりしたものの、意外な事に、低い周波数を中心に「受信性能」がとても良いことがわかりました。中波もノイズが少なく受信でき、さらには長波の放送まで受信できたときには本当に驚きました。



こちらは以前のモノレビューでも紹介したアマチュア無線用アンテナ、HA-750BL。

じゃ、実際コンディションの悪いはずの昼間に中波局がどれだけ受信できるのか。ちょっと調べてみました。

受信機は無線機、ICOM の IC-756PRO です。受信地は東京都調布市。

結果は左から周波数、放送局名、送信地、SINPOコードです。

SINPOコードというのは受信状態の評価方法で、S=信号の強さ、I=混信など、N=ノイズなど、P=フェージング、O=総合で、1が最低、5が最良です。Oは他の要素の最も低い点数が自動的につきます。

まず、地元の放送、これは当然パーフェクトです。SINPOにすれば

 594kHz   NHK第1 菖蒲久喜 55555
 693kHz   NHK第2 菖蒲久喜 55555
 810kHz     AFN   和光 55555
 954kHz    TBS   戸田 55555
1134kHz  文化放送    川口 55555
1242kHz ニッポン放送  木更津 55555
1422kHz  ラジオ日本   川崎 55555


さて、時間は夜間伝搬も終了し、落ち着いた午前11半時。ダイヤルをゆっくりとまわします。バンドスコープを見ながら、画面上、電波の入っているところにダイヤルを合わせていきます。

 639kHz NHK第2  静岡 25352
 729kHz NHK第1 名古屋 15252
 765kHz   YBS  甲府 35453
 837kHz NHK第1  新潟 15251
 882kHz NHK第1  静岡 35453
 909kHz NHK第2 名古屋 15251
 927kHz NHK第2  甲府 35453
1026kHz NHK第1 御殿場 15251
1053kHz   CBC 名古屋 13251
1062kHz 栃木放送  足利 25252
1161kHz NHK第1  熱海 25252
1197kHz 茨城放送  水戸 25252
1404kHz 静岡放送 御殿場 13251
1458kHz 茨城放送  土浦 25252
1530kHz 栃木放送 宇都宮 25252
1557kHz 静岡放送  不明 25151


キー局も含めれば全部で23局。意外でしょ?関東一円、入感するんです。名古屋も50KWということで、内容がわかるくらいには入るんですねぇ。あ、SINPOコードはかなり辛めにつけています。Sで1というのは、かろうじて聞こえるというよりは1歩踏み出して、中身が十分判別するくらいには聞こえるという意味でつけました。ですから、SHINPOコードの最後が2以上であれば十分実用になりますし、3以上であれば、聞き疲れもしません。YBS(山梨放送)、栃木放送、茨城放送あたりが日中楽しめるのは嬉しいですねぇ。(場所は推定です。中継局などのIDは一部確認不能なので)

これも昼を過ぎて14時過ぎた頃からは夜間伝搬が始まるのでしょうか。北の方向の放送が安定して入り始めます。上記に加えて例えばTBC・東北放送 1260kHzが安定して入感度します。

さて、今回の実験。もう一つ。

ループアンテナというアンテナが昔からあります。本来ならば長ぁいはずのアンテナをループにすることにより、どうにか持ち運びの出来るサイズにおさめたものです。しかも、指向性がきわめて強いので、混信などの時に威力を発揮します。夜間は相当の受信ができますが、ちょっと意地悪して、コンディションの悪い昼間に実験を。アンテナは日本が生んだ名機。ミズホ通信のループアンテナ、UZ-8DXs


手作りキットなので、ちょっと見た目はスマートじゃないですが、その性能は折り紙付き。一旦生産中止になりましたが、現在は受注生産で復活しています。ミズホさん、頑張って!

そのアンテナにAOR社のAR3030という組み合わせです。


かなり大がかりです。テーブル上の本はAM受信のバイブル、「ラジオ番組表」(三才ブックス刊)。

さて、時間は昼の12時前後。東京都調布市です。前記事にあったように通常のラジオでは東京キー局とわずかに山梨放送が入るくらい。それに、受信性能の良いアンテナをつけることで17局受信できました。

今回の結果は…マンションのベランダで白昼堂々の受信です。2010年4月25日 11:00~13:00

 540kHz   NHK第1   山形 25332
 549kHz    Mayak  ロシア 25332
 594kHz  NHK第1 菖蒲久喜 55555
 638kHz   NHK第2   静岡 25252
 693kHz   NHK第2 菖蒲久喜 55555
 729kHz   NHK第1  名古屋 25352
 747kHz   NHK第2   札幌 15351
 765kHz     YBS   甲府 45454
 774kHz   NHK第2   秋田 25252
 810kHz     AFN   和光 55555
 837kHz   NHK第1   新潟 25332
 846kHz   NHK第1   郡山 25332
 882kHz   NHK第1   静岡 25252
 927kHz   NHK第1   甲府 25232
 954kHz     TBS   戸田 55555
1026kHz   NHK第1  御殿場 15231
1053kHz     CBC   桑名 25332
1062kHz   栃木放送   足利 35443
1134kHz   文化放送   川口 55555
1161kHz   NHK第1   熱海 35453
1197kHz   茨城放送   水戸 25452
1242kHz ニッポン放送  木更津  55555
1404kHz   静岡放送  御殿場 15251
1422kHz  ラジオ日本   川崎 55555
1458kHz   茨城放送   土浦 35453
1530kHz   栃木放送  宇都宮 35453
1557kHz   静岡放送   熱海 35353
1593kHz   NHK第2   新潟 15351
1602kHz   NHK第2   甲府 15351


全般にテレビノイズが酷いのには閉口。ブーンというあれです。あれがあちらこちらに出ており、受信がかなり制限されています。実際にはもっと受信できる可能性がありますが、6局増えて全部で29局受信できました。

特にびっくりしたのは大電力での放送の威力です。なんと海を越えてロシアのMayakが入ってきたときには一瞬耳を疑いました。が、独特の時報とそれにつづくロシア語。間違いないです。ちなみにこの周波数のMayakはウラジオストック。東京からの距離は1000kmです。

上記、札幌の第2放送は推定です。ID確認ができなていないので。もしかしたらイメージ受信かもしれません。しかし、500kWというとてつもない大電力放送ですし、Makak(500kW)が入っていたということはありえないことではないかもしれません。もしもそうであれば、500kW級になれば、1000km位は届くことになるんですね。

こうしてみると、HA-750BLが意外と健闘していることがわかります。が、さすがにミズホのループになると、安定感が増します。CBC・中部日本放送(名古屋)もループであればしっかりと安定して聞くことができるのは嬉しいですね!

ローカルな話題が嬉しいし、それを売りにしているのも旅気分。YBS・山梨放送の交通情報を聴いていて「美術館通りは…」なんて聴くと、昔、友達と「ほうとう」を食べて美術館に行ったことを思い出します。静岡放送を聴いていて地酒の広告だったり…。いいものです。夜間のプライムタイムはキー局の番組一色になってしまう地方局。だからこそローカルの番組が聴ける「昼間」にAMを聴く意義があるのです。ほとんどの局が朝から夕方までは独自のワイド番組を放送しています。

ラジオ好きのアナタ、ループアンテナを一台いかがですか?

追記:
キー局ネット番組の多い夜間の放送でもローカル枠の多い準キー局、もしくは独立局を聴けば旅気分になれます。たとえば、関西の局は深夜も独自番組が多く楽しめます。中でもラジオ関西、ラジオ大阪などは混信も少なく、東京で十分に楽しめます。昼間と違って音楽主体の番組が多いので、ローカル色という意味では少し薄れますが、トークが関西弁だったり、あるいはCMはしっかりと地元の物が多く流れます。

ネット配信がさかんになったとはいえ、番組を丸ごと流すと言うことがなかなかできない日本(radikoは画期的ですが、IPアドレスでの利用地域制限があります)。まだまだラジオに向かわなきゃ聞けないものが多すぎるのです。いま、一番聞きたいのは青森放送の「伊奈かっぺい 旅の空、うわの空http://www.rab.co.jp/radio/kappei/index.html」なんですが、青森放送、なかなか入らないんですよねぇ。おまけに、局はネット配信も熱心じゃないみたいだし。(青森放送さん、早くなんとかしてください。m(_ _)m)とりあえずNHKで月一回放送される「ぬくだまりの宿・みちのく亭http://www.nhk.or.jp/r1/shou/nukudamari.html」で我慢しましょう。


次ページ

TOPへ

KAYSトップ

inserted by FC2 system