HOME > モノ・インプレッション・トップ > 026 泡マスター(AWA MASTER)で手軽に生ビール 

026 泡マスターで手軽に生ビール
日本炭酸瓦斯株式会社 AWA MASTER

2010年 9月27日
2012年 6月11日改訂

このサイトはフレーム対応となっています。
フレーム機能つきのブラウザでご覧の方はこちらをクリックしてください
そうでない方はこのままご覧下さい。


とっても小さな本体です。
PCの掃除に使うダストブローワーを小型にした感じ。。

 



【生ビールって何?】

今年は残暑が厳しかったですねぇ。そんななか、ビールがうまい。でも、自宅でビールよりは居酒屋で生ビールが…という方も多いでしょう。居酒屋で飲む生ビール、おいしいですよね。でも、ここで質問です。

居酒屋の生ビールって、大きな樽にはいっているじゃないですか。あの中身と家庭用の瓶や缶ビール、何が違うのでしょう?

答えは…。

「同じ」。

はい、そうです。「違いはない」

意外ですか?

じゃ、あの味の違いは何?はい。それは炭酸ガスなんです。

居酒屋などの生ビールというのは、家庭用のビールと同じモノに、樽から抽出時、サーバーの中で炭酸ガスをぶつけることによって、余計な炭酸をクリーミーな泡に変えてしまい、喉ごしを柔らかくしてしまうんです。

ただ、一日に消費する量が居酒屋は凄いので、常に新鮮なビールを仕入れる店が多いでしょうから、新鮮なビールを味わえるという意味では、家庭で飲むビールと違いがあるといえばそうです。ビールは新鮮なほどおいしいですから。

そもそも「生ビール」という言葉自体、特殊な使われ方をしているんです。かつては飲食店で樽から出すビールのこと生ビールと呼んでいました。その時代をご記憶の方も多いでしょう。もちろん、この使い方での生ビールは今でも使われていますね。ところが、その後、いろいろありまして(有名な生ビール論争ですね)、瓶ビールや缶ビールにも生ビールという表示ができるようになったんです。ただ、ここで言う生ビールは、酵母の活動を止めるためにそれまで行われた熱処理をしなくなったビールということになっちゃったんです。

つまり、二つの意味での生ビールがそれぞれ存在、いや、混在することになっちゃったんですね。

[生ビールとは]

 1 樽などから炭酸(ビールの種類のより窒素)を加えて出すビール ~ 従来からの一般的な定義

 2 熱処理をしないビール ~ 1970年代末以降、公正取引委員会による定義


というわけです。家庭用のビールではかつてはほとんどが熱処理をしていたのですが、現在は熱処理をしないものが大多数。というわけで、家庭用のビールも生ビール。つまり「1」的にはバツですが、「2」的には「マル」。

一方、店で熱処理をしないビールを樽からサーバー経由で出しても、生ビールになるわけですねぇ。つまりこの場合は「1」的には「マル」、「2」的には「バツ」。

ということは、たとえばある居酒屋さんでは熱処理している「キリン・クラシックラガー」を樽生で出していますが、これは公正取引委員会の定義では生ビールと名乗ってはいけないことになります。でも、我々の感覚では「生ビール」。

というわけで、言葉的には生ビールという際には二つの定義があり、混乱状態です。

閑話休題。

KAYSがここで言う生ビールというのは「1」の方。そう、居酒屋で飲む、喉ごしすっきり、うめぇーっというアレです。いろいろと反論がおありの方もいらっしゃるとは思いますが、ここは酔っぱらっているKAY2に免じて許してね。(笑)

前置き、長かったですか?(爆)


【家庭用サーバー】


こちらはサーバー。本格的な生ビールになりますが、
洗浄その他、結構面倒。


さて、このことに気付いたのはKAYSが生ビールサーバーを購入したときでした。そう、無類のビール好きであるKAYS、なんと、アサヒが出している家庭用の生ビールサーバーを持っているんです。それも初期の頃に買ったから値段が高かった…。で、中身を見てみると、炭酸ボンベがあって、それをビールと混合させるという構造。それだけ?で、サーバーに入れるビールは?え?普通のビールの2L缶?特別な「生」専用のビールってのがあるんじゃないの????

というわけで、原理を見て拍子抜けです。こんなんで生ビールってできるの?じゃ、生ビールって、言葉を変えれば「炭酸付加ビール」のこと?というわけです。

であれば、普通の瓶ビールを買ってきて、サーバーに入れればいいじゃん。

そこでアマノジャクなKAYSは実験。そのときあったサントリーの瓶ビールを静かにアサヒの空になった樽に移し替え、サーバーにセット。それで飲んでみたら…。うわぁ、うまい!やっぱり樽生だ!、いや、これって元は瓶ビール…。そっか、やっぱり炭酸が決め手…。

そこで、さらに恐るべきことに気付いたんです。つまりですよ、元になるビールは何でもいいわけですよね。おまけに、要は炭酸をうまく加えることができればいいんですよね。

ということは…、

ということは…、

ということは…、あ、しつこい?(爆)

そう、フツーの瓶や缶のビールに、炭酸をうまくあわせる方法が他にあれば、サーバーはいらないということに。


【泡マスター(AWA MASTER)現る】


そのことをすっかり忘れていた今頃になって登場したのがこの製品。原理的にはいいところまでKAYSは気付いていたのに、この商品化の発想が無かった!あの時、もっと根を詰めて考えていれば、そのアイディアでお金持ちになれたかもしれないのに!!!

ある日、東急ハンズでビール関連の商品を眺めていて、この商品に気付きました。製造元は何とビールサーバーなどの炭酸を作っている日本瓦斯工業!なるほど!お手の物ですね。

で、この商品、形状はPCなどのダストクリーナーを小型にしたような感じ。ほら、あの細いノズルから「シュ」と空気の出るアレです。それに炭酸ガスの超小型ボンベを装着し、グラスに注いだビールに炭酸を一瞬だけ吹き込む。そういう仕掛けなんです。グラスに注いだビールに直接炭酸をぶつけるという荒技です。こいれで果たしてサーバーの役割をどこまで担えるのか?

さぁ、実験!

まずグラスにビールを注ぎます。わざと泡立てないように。泡立てないなんて、味気なくかんじるかもしれませんが…。あとで素敵な泡ができるので大丈夫。

そして、噴射!

お、おお、おおお、おおおおお、おおおおおお!

あっという間にクリーミーな泡がグラスに。うわぁ、これはどう見てもサーバーからついだお店で飲む生ビールの泡だ!


で、味わってみると…。

うん、炭酸が柔らかくなっている。これもどう見てもサーバーからついだお店で飲む生ビールの味だ!

ということで、その偉大な力に脱帽です。


左が通常の缶から注いだだけのビール。
右がその上に泡マスターで炭酸を吹き付けたビール。
違いははっきりしているでしょ?泡のスムーズさ。


さらに、この泡、わざと二層にしてみました。
上が本来の缶から注いだときのもの、下が泡マスターを使ったもの。
細やかさの違いが一目瞭然。

【使い方の工夫】

ということで、大絶賛の泡マスター。その後何度も使っているうちに色々と気付いていきます。

実は最初に大感激した翌日、再びチャレンジしてみたら、今度は味わいが元の缶ビールに近いものになってしまいました。そう、炭酸刺激が強いのです。なぜ?泡立ちはいいのに。その次にチャレンジしてみると、今度は泡が吹き出してしまい、ビールの大部分を無駄にしてしまいます。

そう、ある種ビギナーズラックだったんですかね。つまり、使い方にはある種の工夫が必要。

そこで、KAYSが1年たってつかんだ上手な泡マスターの使い方。


1 念のため、グラスを皿など、あふれ出た泡を受け止める器に入れます。小さなグラスであれば、ちょうど日本酒のように一合升を外側に置いてもいいでしょう。

2 泡を立てないように、静かに静かにビールを注ぎます。

3 ノズルを上から見てグラスの真ん中あたりに入れます。深さは表面から2~3cm。そしてプッシュ!

3 もしも泡がグラスからあふれ出ても気にしない気にしない。やがて泡がおちついたところで、飲んでみます。


5 ジョッキなど大きめのグラスを使うときは噴射は1回ではなく、2、3回にしたほうが良いようです。

6 グラスは常にきれいに。油汚れなどは泡の敵。2杯目を飲むときは面倒でもグラスを水にくぐらせるなどして、常に清潔を保ちましょう。


以上の点を気をつければ、いとも簡単にクリーミーな泡の生ビールが家庭で再現できます。



こうして日本酒の升の中にグラスを入れるとGOOD!


ビールをあふれさせるなんて、贅沢ですが、こうしてグラスの深いところで炭酸を噴射すればクリーミーな泡だけでなく炭酸がビールの全体にくまなくぶつかることで、マイルドになり、まさにシルキーな喉ごしの生ビールとなります!あふれたのがもったいないという方は日本酒の感覚で、グラスを飲み干したあと、マスに残ったビールを飲むのも一興。(^_^;)


【まとめ】

というわけで、これは革命的な商品と言っていいと思います。素晴らしすぎです。実売価格も2~3000円程度。これなら手が届きやすいです。知り合いへのプレゼントにしてもいいですねぇ。しかも炭酸カートリッジは1本で約300回も噴射でき、なくなったら10本入りのカートリッジが1000円ちょっとで売られています。

あ、我が家のビールサーバー、無用の長物にならなければいいけど…。ま、正直言うと、泡マスターは手軽でいいのですが、やや慣れが必要。サーバーの方は自動的に炭酸といい分量でミックスしてくれるので圧倒的にラクなので、使わなくなることはないでしょう。

一つだけ欠点が。炭酸ガスを噴射するノズルですが、穴がきわめて小さいので、長く使っていると、ちゃんと洗っていてもやや詰まり気味になってきます。そうなると東急ハンズなど購入店に部品扱いで、メーカーからノズルを取り寄せることになります。ですから、始めからノズルは余計に購入して置いてもいいかもしれません。値段は3本入りで500円ちょっと。また、ノズルのメインテナンスとして、KAYSは使った後、洗いますが、その後、本体につけたままガスの空吹きを一度しておきます。もったいないと感じるかもしれませんが、なにせボンベは1本で300回噴射できるわけですから、そのくらいはいいかな…という感じです。

泡マスター、ちょっと一杯というときにいいですし、それ以外にも屋外のバーベキュー、それから友人達とのパーティなどの席上、ちょっとした話題作りになるのは間違いありません。

メーカーの公式HPです。http://www.awa-master.com/





追記 1

その後、面白いことに気付きました。上面発酵のビールってご存知ですか?代表的なモノにイギリスのバース・ペール・エールなどがあります。KAY2が大好きなビールですが、こちら、泡が大変にシルキーなもので、パブなどに行き、生ビールで飲むのが最高に美味しいのですが、缶や瓶では味気なくて…。そこで、この泡マスターを試してみてびっくりです。なんと、普通のピルスナー系と違い、例の桁違いにクリーミーな泡になるんです!これはびっくり。思わぬ成果に、もはやパブに行く必要がなくなっちゃいました。


追記 2

普通に泡を綺麗に立てるだけなら、表面から1cmくらいの深さにノズルをいれて噴射すればいいのですが、味わいもなめらかに…となると、炭酸とビール全体が混じり合う必要があるようで、そうなると、できるだけ深くノズルは入れた方がいいことになります。ただし、その分、盛大に泡が出てしまいますから、なかなかその辺の兼ね合いが難しいところですねぇ。また、そのためにも、グラスは底が浅く、口径の大きい方が良いです。


追記 3

誰もが思う疑問…発泡酒や第三のビールでの効果は?

泡に関しての効果はビールと同じです。問題は味わい。不思議なんですが、もともと発泡酒はコクがホンモノのビールに比べて弱いわけです。で、泡マスターであわを噴射するとホンモノのビールはやわらかい味わいになり、これがちょうどいい。ところが、発泡酒はもともとコクがあまりないですから、あまりにもスルリンとした、まるでソフトドリンクのようになってしまいます。あるいは逆に妙に人工的な味が際立ってきたり…。KAYS的にはやっぱりビールでないと…という感じがします。







次ページ

TOPへ

KAYSトップ

inserted by FC2 system