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030 日本語の電子書籍「自炊」に工夫
kindle 3 3G & Wi-Fi

2011年 3月 7日
追記 2012年10月18日

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小さい!薄い!軽い!視認性がいい!そしてバッテリーの持ちもいい!
でも、割り切りが必要な面も…。
 



kindle、ついに実戦投入。

昨年の電子書籍「自炊」開始以来、実際に書籍を読むのはiPadでした。というのも自炊を始める前から注文していたkindle、これが本命だったのですが、注文が殺到したせいか、到着まで1ヶ月以上かかってしまい、その間にiPadが主役を奪ってしまったのです。

さらに、やっと届いたkindle、PDF化した本を読もうとしたら、表示が小さくて、読みにくい読みにくい…。PDFファイルを拡大することはできるのですが、拡大してしまうと、1行読むたびに上下にスクロールをしなければならず、これは非実用的。

そうなると元々小さな書籍、文庫本のPDF専用のリーダーとしてkindleを活用すれば…と割り切るのですが、それでも、実際に文庫を表示させてみると微妙に文字が小さい!

実はamazonのサイトにメールで添付して送れば、自動的にkindleのファイル形式に変換してくれるサービスもあるのです。そうすれば、フォントの拡大が自由自在ですから、便利になるはず。が、実は5MBという制限つき。KAY2の電子化した書籍はみなそれを軽々超えています。とういことで、難しい。

どうしよう…と思っていたら、あるPDFファイルをkindleのファイル形式に変えることができるソフトというのを発見。Mobipocket Creator。

ところが、これがうまくいかないのです。試行錯誤しましたが、結局成功せず。

ふたたび原点に返ります。文庫本でも表示が微妙に小さく、あとほんの少し大きくなってくれれば…と思ったと書きました。まさにそう思われる方が多いようで、あるサイトで目から鱗のアドバイスが。「文庫をPDF化するときに、上下左右、全部不要な余白をあらかじめ断裁してしまいなさい」というものです。

そうなんです。kindleはPDFを閲覧する際、その画像全体の大きさにあわせて拡大縮小した上で表示してくれます。ですから、1ページの中で余白が多くて、文字のかたまりの部分が小さければそのぶん、余計に小さく表示されてしまう。ですから、余白を全部切って、ぎりぎり活字部分のかたまりにあわせておけば、文字が一番大きく表示されるというわけです。でもね、確かにkindleで読む分にはそれでいいですよ。ところが、同じPDFを例えばiPadで読みたくなるかもしれないじゃないですか。そうなると不格好。見栄えがよくありません。

で、しばらく躊躇することになりました。

ある日、kindleを買うきっかけになった2人のうち1人、カナダ人の友人が声をかけてきます。「おい、KAY2、キンドルを買ったと言ったのに、持ち歩いていないけど、どうした?」これこれしかじかと説明すると「PDF化の際に工夫しないとダメだよ」と、やっぱり…という話。

ところが、運命を変える(おおげさ!)な出来事。数日後、acrobatをいじっていたらそのメニューのツールの中に「高度な編集」というのがあり、そこに「トリミングツール」があることを発見!

そうなんです。ソフトを導入してもそのマニュアルを見ない悪いクセのKAY2。この機能を見落としていたんです。そう。物理的でなくソフト上で上下左右を切り落としたファイルを別にkindle用にもう一つ作っちゃえばいいんです。で、オリジナルはiPadなど他のリーダーで読むことにして…。

しかもこのacrobatのトリミング、異様に処理が早い。数秒で1冊できてしまうんです。これには感動しました。

で、さっそくkindle用のPDFファイルとして読み込ませてみると…!

見事に読みやすくなりました!!

ということで、その日以来、kindleがやっと便利に活用できるようになったのです。ありがたやありがたや…。

そうそう、もう一つアドバイスを。PDF化の際、読み取り設定が「グレースケール」だとkindleの表示はあまり綺麗じゃありません。図版のない本の場合はできるだけ白黒で読ませた方がいいです。kindleは「モノクロの世界」なので、絶対にそのほうが活字は見やすい!


こんな風に文字の大きさが違ってきます。左がオリジナル。右が上下左右をトリミングしたPDF。


その他、気付いた点をリストアップ。

・届いた箱の小ささにびっくり。そしてあまりにシンプルな内容物に、これまたびっくり。物凄い割り切りです。

・自炊PDFをKindleで読むとOCR形式によってはかなり重く、ページを1つ送るのに5~10秒も待たされることがあります。これは iPadでも経験済みですが、Acrobat 9でOCR処理をするのであれば、設定で「Clear Page」によるOCR処理をすると、サクサクと読めるようになります。

・mp3などの音楽をkindleで再生させながら本を読むということもOKでした。ただし、ページめくりなどの処理で、CPUに負荷がかかれば、例えばボリューム操作が遅くなったりという事は起きました。で、音質ですが、ヘッドフォンで聴くと、深みはないけれど、明るくメリハリのある音がします。内蔵スピーカーは一応ステレオですが、とにかく小さいので、それなりの音しか出ませんねぇ…。

PC Watchのレビューで包括的なものがあり、とても役に立ちました。また、このページの下から、Kindle 2に関しての詳しいレビューに飛ぶことができ、そちらは詳細な3回シリーズのレビューになっています。
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20100907_392075.html

・ブラウザも Wi-Fi でそこそこ使えるのですが、multiple window に対応していないため、リンクが別ウィンドウで開くようなページはオープンできないのが残念です。

・視認性については、とにかく電子インクのすばらしさに脱帽です。とにかく、クリアに見えます。それに、バックライトなどを一切使用していないのが本当に不思議。しかも、スイッチを切った後で著名な作家の肖像が電子インクで表示されるので、「電源が切れてない!」と思ってしまうのですが、これが電子インクの不思議。この状態で一切電力を使っていないのです。つまり、電源オフで画面が真っ暗という常識がなくなってしまうのです。

・純正カバーでLED付きのがありますが、あれ、便利ですよね!友人が持っていましたが、多少暗いところでもしっかりとkindleが読めます。本格的にkindleを使うのであれば絶対必要。

・カバーやACアダプターなどオプションはぜひ一緒に買いましょう。後でと思って頼むと送料がずいぶんかかります。たとえばACアダプター1個を頼むと、送料の方が本体よりも高くなっちゃいます!(追記:ACアダプターに関しては、たまたまKAY2の持っているウィルコムのスマートフォン、03(WS0202SH)で使っているダイヤテックのACアダプターがそのまま使えました。ちなみに5V、1000mAです。ただ、くれぐれも自己責任でどうぞ)

・ただし、これは後ほど判明したのですが、LEDなしの純正カバー、kindle本体に悪さをするようです。留め金、実はLEDつきのカバーをそう想定して電源をとるために、電流が流れる仕組みになっているのですが、これが、LEDなしのカバーを取り付けた場合、kindle本体の電源が入らなくなってしまう現象を引き起こします。その場合、電源レバーを15秒以上引き、リセットする必要がでてきます。というわけで、LEDなしの純正カバーは鬼門。

・iPadと比べて意外な利点が…ページめくりなどの操作はタッチパネルではなく、メカニカルなスイッチです。一見デメリットに見えますが、実は大変なメリットが。手袋をしたままで操作できるのです!寒い冬に屋外で使うのには大変にありがたいのです。


オプション類は後でと考えず、ぜひ一緒に購入を!

というわけで、我が家のキンドル生活が始まりました。

ブログにも書きましたが、一つだけ不安が。読書好きのKAY1が、虎視眈々と狙っています。今後奪われるのでないかと心配。

そのことを最初にkindleをKAY2に紹介してくれたカナダ人の仲間に相談したら、

「解決方法は簡単だよ。kindleをもう一台買う。僕なんて3台買ったよ」

だそーです。いややは、お金持ちなのか、それともkindleへの愛情のなせるわざか…。



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