HOME > モノ・インプレッション・トップ > 042 ウィークリーマンション生活 ~渋谷・円山町に住まう~

042 ウィークリーマンション生活
~渋谷・円山町に住まう~

2012年 8月25日

このサイトはフレーム対応となっています。
フレーム機能つきのブラウザでご覧の方はこちらをクリックしてください
そうでない方はこのままご覧下さい。


これが室内。結構広い空間ですし、日当たりも抜群!



【きっかけ】

全くひょんなことでした。KAYSが住んでいる建物、急遽修繕が必要になりました。そこで、昼間に大きな音を立てる工事が始まります。昼夜逆転の生活をしているKAY2にとって、これは最悪。必要な睡眠がとれないのです。

そこでとりあえずこの状況から逃げることを考え始めます。

ホテルは…、いや、高いからなぁ、値段が。しかも、昼間は掃除が入ったりして、ゆっくり仮眠がとれないなぁ…。

アパートを借りるまでのことはないし…。そう、工事は2週間程度です。その間逃げられればいいのです。

そこでふと思います。

あの、よんよんまるまるわんわんわん(その後にゃんにゃんにゃんになったそうですが)…のウィークリーマンションがあったじゃないか!

そう、ウィークリーマンションって、どの程度の値段なんだろう。あの当時はそのCMのツカサが有名でしたが、今はほかにもいろいろあるのだろうなと想像します。いろいろ調べてみては?

時間はありません。すぐにPCの電源を入れてネットで調べてみると…。


【いまどきのウィークリーマンション事情

ツカサ、今はウィークリーマンション東京と名を変えているようですね。そして、グレードもいくつか分かれるようでした。

で、実は今回せっかくウィークリーマンションを借りるなら…、昔からの夢を一つ果たしてみたいと思ったのです。それは、

「職住近接」

そう。自分の住まいから職場まで歩いて行きたい。

お金持ちではないKAYSにとって、絶対に見果てぬ夢ですが、ウィークリーマンションで1週間だったらできるかも!そう思ったのです。

ところが、ここで問題が。自分の仕事場に近いウィークリーマンションとなると、数が限られるのです。しかも、夫婦二人でと考えると最低でも広さとして20平米以上はほしい…そうなるとホテルと変わらない値段になってしまいます。

そんな中で、渋谷は円山町にまず格安の物件を1つ見つけました。

大手ではなく、小さな会社が運営しているようです。値段は他に比べると相当安い。ネットで部屋を見てみると、28平米で1泊7000円程度。光熱費込みのすべてでこの値段。契約の諸費用もかかりません。

ただ、円山町というと、印象が独特。そう、「雨にぃ~、濡れなが~ら~」の世界。ラブホテル、歓楽街、芸者置屋さん、東電OL殺人事件、とたちどころに自分の乏しい想像力の中に言葉が並びます。(実際は味わい深い素敵な土地であることが後にわかるのですが…)

でも、確かに仕事場には近い。しかも、昨今はIT企業の多い土地柄でもあるし…。

すぐにHPに表示されていた番号に電話をかけていろいろと尋ねてみます。


【きまりごと】


電話で対応してくださった男性。親切にいろいろと教えてくださいます。

・契約は基本1週間、もしくは1ヶ月。1週間は7泊8日が単位。なので、月曜日に入居すると次の月曜日にチェックアウト(正午まで)。

・部屋は一人でも二人でも値段は同じ。あくまで部屋の値段だけ。

・1週間だけの滞在であれば、途中清掃はなし。

・簡単なキッチンのほか、冷蔵庫、乾燥機能付き洗濯機など、生活に必要な家電はそろっている(ドライヤーはなし)。

・逆に、石けん、シャンプー、洗剤、トイレットペーパーなどの消耗品は基本的になし。

・ゴミはゴミ置き場があるので、そちらに持って行く。24時間いつでも出せる。

・鍵は2人の利用であれば2つ用意。

・宿泊予約は契約なので、まず、申込書と身分証明書などのコピーを送り、その上で審査をし、「可」となれば、手続きを進める。


以上が、電話で教えてもらった内容でした。

こうしてみると、実利優先。おそらく、ホテルのようなサービスは皆無でしょう。本当にマンションを借りるという感じです。家電がそろっているのは便利ですが、トイレットペーパーやティッシュ、洗剤など、ある程度の別の出費も必要となりそうです。ま、自宅で生活してもそれは同じですから。(この点はウィークリーマンションの運営会社によってそれぞれ異なります。洗剤などの置かれているものもあるんです)

トータルで考えても、もしも、ビジネスホテルであれば、おそらく2人で倍の値段が請求されるはず。これで騒音から逃れられるならいいかと思います(実はその点は半分だけ間違っていました…後述します!)。


【行ってみた…第一印象】

さぁ、いよいよチェックイン当日。井の頭線神泉駅で降り立ち、駅向かいにあるトンネル横の階段を上がっていきます。上った先は別世界。ご存じ世界に名だたるラブホテル街です。目の前を次から次へとカップルが通り過ぎていきます。若いカップルもあれば中年のカップルも。「愛」にあふれる街ですねぇ。ああ、日本は平和だ…(爆)。

到着したウィークリーマンション、入り口は高級感あふれます。実はこの建物、クラブを併設しており、そちらは結婚式の二次会などで使われる人も多いそうで、評判も良いようです。

で、エレベーターに乗り込み、そして最上階に…。


ドアを降りると、懐かしい光景が広がります。無機質の床、壁、そして鉄の扉。すべて、懐かしい昭和50年代の団地という雰囲気です。そう、古いマンションのようなたたずまい。いや、きっと、もともとそうだったのでしょう。それを買い取ってウィークリーマンションにしたというのが正解かも。

そして、部屋のドアを開けて中に入ってみると…。

うん、その想像は当たりでした。確かに壁紙など新しくなっていますが、基本は懐かしいたたずまい。そう、一番しっくりくる表現としては懐かしくも古ぼけた、会社の独身寮という感じでしょうか。

値段の安さの理由がよぉくわかりました。そう、手をかけていないのです。家具はすり切れ、ソファも革がはげ落ち、さらに窓の外には雨ざらしで分解した雑誌のページやコンビニ袋が片づけもされず散乱しています…。

というわけで、ホテルライクな素敵な生活を想像した人、外れです。その点、事前に覚悟していたので、まぁ、我々にとっては合格点。何せ値段を考えると…。管理される方もたったお一人のようですし。

一方で、最上階にあるため、窓の外は見通しが比較的良いです。といいながらも、ついつい調子にのってじっと外を眺めていると向かい側のマンションの男性と目が合ってしまいましたが…(笑)。窓をあけると涼しい風も入ってきます。意外と居心地はいいかも。

というのが部屋そのものに関しての第一印象です。


【まず買い物】

実際に生活をするにあたり、まずは消耗品を買いそろえる必要があります。で、そこにこのマンション最大の特徴が。立地の利便性です。とにかく便利。だって、歩いて5分以内にコンビニが10軒以上!。さらに、スーパーや東急百貨店本店、ドンキホーテも5分以内!!今までの人生、こんな便利な場所に住んだことがないので、「大興奮」。ついついコンビニを何件も「はしご」して買い物をしちゃいました。


【生活してみて発見】

自分が仕事で通っている渋谷。しかも、神泉は自分が日常的に乗り降りしている駅です。それなのに、生活すると、まったく違う街に見えてくるから不思議です。つまり、乗り降りしていても、それは駅と仕事場との往復。その途中の小さな路地裏やそこに住む人たちに目が行くことはまずなかったんですね。それが生活をし始めると、ついつい、小さな路地に入り込んだり、あるいは顔を見知った人が出てきたり、そして何よりも、いろんなお店を発見することが楽しくて楽しくて。そして、昔ながらのたたずまいの民家があって、下町的な雰囲気もあったり。歓楽街のイメージとは別に、古くからの生活の街という一面もあるのです。

そして仕事場まで歩いて10分。そう、普段の通勤時間50分×2=1時間40分のうち、1時間20分が新たに自分の時間として生じたのです。これはうれしい!仕事の始業10分前まで自分の部屋にいることができるというのは「言葉にできない」ほどのうれしさです。

それが証拠に…。ある日上司が険しい顔で他の人に相談を持ちかけられています。それに答えて「人手の薄い土曜日にこの仕事を発注されても難しいんだよ…」と上司は答えますが、「そこをなんとかしてもらえないかなぁ。」と返されています。

厳しい表情の上司を見て、思わず声をかけます。「2時間ほどの仕事だったら、土曜日、出てきましょうか?休日出勤、僕はかまいませんよ」

うわぁ、自分で言いながら格好いい!(超、自惚れています)

こんな台詞が出てくるのも「職住近接」だからこそ。

仕事を愛する皆さん、絶対に職住近接ですね。普段のKAYSは休日出勤、いつも「イヤイヤながら」しています。


【騒音は?】

実は意外な結果になりました。KAYSがウィークリーマンションを借りることになった原因、工事の騒音でした。特にKAY2は昼夜逆転の生活をしていますから、昼間に仮眠をとる関係で、ゆっくり休む環境がほしかったわけです。

で、騒音を逃れるために借りた、このウィークリーマンション、歓楽街の中にあります。

すると…。

昼間はとても静か。

夜は…。

夜中の2時くらいから飲み会やパーティーを終えた若者たちがお店の閉店とともに、お店から出てきて、路上で始発電車の時間まで、さらに盛り上がります。従ってこのエリアでは夜中の2時~朝5時くらいまでが賑やかこの上ないのです!しかも、それに文句を言う人は誰もいない。

そう。夜は眠れる環境ではなかった!

ということで、昼間寝ているKAY2にとっては大正解!ところが普通のOLであるKAY1にとっては地獄。

その点は円山町という立地にあるこのウィークリーマンション独特の特徴なのでしょう。もう一つ、このマンションの築年数が古いので、サッシ窓などの気密性が低く、防音効果がないことも原因のようです。外の音、本当によく聞こえます。


【どんな人が利用?】

KAYSが利用したウィークリーマンション、エレベーターなどで出会った人は多様でした。OLさんとおぼしき人もいれば、外国人モデルのような人も。ただ、全体に若い人が多かったのは事実です。たしかに部屋の広さから考えると、我々のような中年夫婦が使うということはあまりないのでしょうね。また、会社などが一括して借り上げるケースもあるようです。


【設備】


後述しますが、設備はウィークリーマンションの運営会社によって様々です。ぜひ、事前にしっかりと調べて置いてください。今回、トイレがウォシュレットでなかったのは残念。お尻がたくましくないKAY2は大きなトイレの度に近所の東急百貨店本店に通いました。東急さん、ありがとう。(笑) 

また、乾燥機能付きの洗濯機がありましたが、専用の乾燥機と違い、結構時間がかかることも知りました。寝る前に軽く洗濯して…と思ったのですが、乾燥、数時間かかるんです。結構音もするので、眠れなくて…。意外な盲点でした。

コーヒー大好き人間である我々にとって、コーヒーメーカーがないのはちょっと残念…なんて思ったのですが、よく考えると周りにたくさん安いコーヒーショップがあるのです。朝早くから夜遅くまで開いています。それを利用すればいいだけの話。こんな便利な町中に住むのですから…。そう、発想の転換が必要でした。

【1週間過ごしてみて】


部屋の窓から夕暮れをながめつつ…

今回、自宅の工事のために借りたウィークリーマンション、もっと多様な使い方のために頻繁に利用してもいいなぁと思い始めました。

たとえば、「別荘」!!!

日本で別荘を持つというのはお金持ちでないとなかなか難しいです。KAYSも無理。しかも、いったん良い物件を手に入れたとしても、その維持に時間とお金がかかります。それだけでなく、たとえば、別荘というのは、ある週末にふらっと到着しても、まず、掃除から始めなければならないでしょう。そう、生活を始めるまでに毎回、結構時間がかかるんです。

ところがこうしたウィークリーマンションだとその手間が省けます。

それに、別荘だと一生の間に何回行けるのか…、そう考えると莫大なお金で購入しても元はとれないかもしれませんよね。

ウィークリーマンションだと、本当に利用する時だけ、その分を払うわけですから…。

KAY2の恩師で、別荘を持っている方がいました。本職は本を書かれる方です。執筆のたびに別荘にこもっていらっしゃいました。KAY2は遊びに行くたびにあこがれたものです。

が、先生、お年をお召されてからはご自分の別荘ではなく、温泉地の旅館などで執筆をされるようになりました。想像するに、上記、掃除やらなにやら、時間が惜しいと思われたのではないでしょうか。

でも、我々にとって「旅館」にこもるのも金銭的に無理。そうなると、やっぱりウィークリーマンションというのは一つの大きな候補になりそうです。我々「庶民にとっての別荘」が実現するかもしれないのです。


【その後】

さて、今回のウィークリーマンション体験、生まれて初めてでした。というわけで、事情もよくわからず借りたわけです。その後、利用した後、時間をかけていろいろと調べ始めると、だんだん、事情がわかってきました。

今回我々が利用したウィークリーマンションの他にも、ホテルのようなタイプや、単に空き部屋を貸してくださるシステムなど、種類が多様だということがわかりました。

また、その後、ウィークリーマンションに特化した検索サイトを使うと、渋谷周辺でたくさんの物件がヒットすることをみつけます(気づくのが遅かったですねぇ…!)。こうしたサイトを事前に知っておば良かったと思います。ですから、上記の印象と違い、実はウィークリーマンション、結構選択肢が多いということを知りました。そして、設備なども事細かにわかりますから便利ですし中には動画で説明してくれるサイトも。

そういうわけで、出張や旅行だけでなく、生活の様々な面で、ウィークリーマンションというのを選択肢に入れてみてはいかがでしょう?


【グルメな収穫】


東急フードショーまで歩いてすぐ。珍しいお総菜を買ってきて食べるのも愉しいですよ!


もう一つ、円山町の別の魅力を知ったのも収穫でした。円山町って「グルメの聖地」と呼ばれるほど名店がそろったエリアなんですねぇ。そんな中で我々KAYSが気に入ったお店を数軒紹介すると…。

・サトウ
 定食屋さんです。種類は少ないですが、旬の魚やお肉を使った定食、しかも、最初に7種類の小鉢がついてくるのが最高にうれしい。お酒を飲む人にも飲まない人にもうれしいお店です。
 http://satobento.com/

・URA CONA
 円山町界隈には立ち飲みワインバーがありますが、このお店はマンションの隣。500円で飲めるグラスワインが数種類。さらに500円で食べられるピザも多数!目の前で焼かれるピザを見ているだけで幸せな気分になれます。
 http://r.gnavi.co.jp/ga4c900/

・ブラッセリー・クール
 モダンですっきりしたインテリアのフレンチ。ご夫婦でやっていらっしゃいますが、おいしいですし、ワインの値段がリーズナブル。特に、グラスでも出していらっしゃるシャンパンは、酒屋さんで買う定価の2倍もしない、やや安価な設定になっています。また、マダム、そのクールな対応がネットでは賛否両論ですが、我々のような初めての客でも楽しく会話してくださいました。良い人でしたよ。そして、料理、良い素材を使ってとてもおいしかったです!
 http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13024395/

と、少しだけ挙げましたが、実はこのほかにも伝説的なフレンチの名店が2つ。予約が取れないことで有名な「レストラン・バカール」と、ろうそくの光で食事をする「ダム・ジャンヌ」。今回は行けませんでしたが、そのうちぜひ!




次ページ

TOPへ

KAYSトップ




inserted by FC2 system