HOME > 国際放送(BCL)・トップ > BCL雑記・トップ > 001

003 実録!2004年春の英語国際放送周波数調査

2004年5月14日(2008年3月30日加筆訂正)

別サイトに公表していたものを加筆訂正しました。
 



調査風景。ここは第2調査場所。
名付けて「国際傍受室・別館」(笑) 

 

 さて、前回の予告通り、今年4月に行った[A04](2004年夏スケジュール)の調査記録をご紹介します。

 我ながら、いつもなんだか偉そうに書いていますが、もちろん、皆さんはすでにご存じのように私自身は永遠の短波受信初心者です。思いこみ、間違いもたくさんあります。ごかんべんください。おまけに、今回の調査の最中、風邪で不調となりました。その辺もお含み置きください。

 時間別の調査記録となっています。02:00から始まっていますが、これはある日の2時から調査を開始したためです。そこから24時間続いていますが、もちろん、連続した24時間調査したわけでなく、何日かに分けて調査しています。そして、ここに記したのは、最初の調査のみ。2度目にチェックして聞いたときの記録はほとんど取っていません。

 というわけで、さっそく始めましょう!



【02:00】

 いよいよ今年度最初の周波数調査の開始。今回は深夜02:00(JST)からスタートです。

 いやはや、北朝鮮の放送は開始時の音楽がやたら長いです。まずアナウンスで始めてくれれば局名確認は早いのですが(放送開始前に流れるインターバルシグナルを聞いていれば使用言語による局名アナウンスでわかるのですが、どうもタイミングがあわず、いつもダイヤルをまわしているときには、すでにあの壮大なテーマが流れています)。アナウンスが出るまで英語放送かどうかがわからないので、とりあえず、他にダイヤルを回します。が、すぐに北朝鮮のことを忘れ、せっかくの英語放送の周波数が漏れることになったりします。ふぅ。

 ところで、この調査を行うときに、必ず、昨年の資料を横に置きます。というのも、各放送局とも、本音はあまり周波数を変えたくないし、実際、変えないことも多いのです。その方がリスナーに周波数を覚えてもらい、便利だからなんです。そうした周波数を「実績波」といいます。例えば、ラジオ・ジャパンの17810kHz、BBCの9740kHzなどがそうです。季節変化もありますから、冬用と夏用が決まっているというケースもあります。ですから、昨年の前期[A03]だけでなく、後期[B03]も用意します。

 もう一つの重要な資料、インターネットにパソコンが昨夜からつながらなくなってしまっています。プロバイダーの不調でしょうか。こんな大事なときに。とほほ。

 02:00の調査でいままで一番面倒だったのはVOAなんです。平日と週末でこの時間帯だけ周波数が違っていました。看板番組である「TALK TO AMERICA」のある平日は周波数を増強するためなんです。ところが、最近は相次ぐ予算カットでその措置もなくなり、調査は楽になりました。でもさびしいものです。この時間だけでなく、とにかく全般にVOAは今回の調査では元気がありません。今一番元気があるのは、BBC(英国)とCRI(中国)、そしてAIR(インド)といったところでしょう。

 調査は我が家で辛うじてきこえる49mbあたりで始めて、だんだん周波数の高い放送バンドを次々にチェックしていきます。A4サイズの紙を用意し、聞こえた英語放送の周波数を片っ端から記していき、ついでにその時点で放送局名がわかれば、それを周波数の横に記していきます。これを毎時間00分になると始めるわけです(各局ともニュースで始まるケースが多く、ニュースはIDも頻繁に出て、局名を確認するのに最も便利)。一応15分をすぎる頃には、ほぼ、全バンドを一度聞くことができます。ただ、不明局が必ずいくつかでてきます。そこで、それからその不明な局にダイヤルを回してじっくりチェックするというわけです。

 始めてすぐ、5995kHzでまず英語が入ります。アナウンサーの声からRAだとわかるし、昨年の資料でもそうです。「RA?」とノートに記載して次に進みます。6080でも同じ声が聞こえます。これも昨年の資料でRA。この2つの実績波で同じ声が聞こえるということは、ほぼ、これは確定していいでしょう。「RA?」と書かれたメモの「?」を消します。

 6095kHzのニュージーランドが入感しません。威勢のよい軍隊音楽が近隣の周波数にあるため、それが聞こえています。この時間でこの周波数なら入感してもいいはずです。そこでフィルターをしぼってみると聞き慣れた声が浮かび上がってきました。確認。

 9425kHzで、インド音楽が聞こえてきます。AIRでしょう。これもとりあえず「?」をつけておきます。それにしても、正時にニュースをやるとかぎらないのが同局。やがて英語のアナウンスで局名がとれました。ただ、そのまえに別言語のコメントが長く続いたので一瞬あせってしまいました。

 と、こういう風に26MHz帯までチェックします。

 ざっと、ダイヤルをまわしてみたあと、今度は別室(「国際傍受室・別館」と勝手に名付けてます)のリグで再度チェックします。すると、結構落としがあります。自分の耳や、別室であるという環境の違いもあるのですが、時間差を設けることで、コンディションが変化し、浮かび上がってくるものもあります。

 また、この時間帯はSRI(スイス)が02:30より放送をするので、これもチェックします。正時開始以外は基本的に調査はしないのですが、場合によっては、いくつかの局を目当てにチェックすることもあります。ただ、この時間は、電波伝搬の特性上、この送信は受信できないだろうとふんでいました。やはり、かすりもしませんでした。SRIにアジア向けの短波放送がない(数年前に終了)のがくやまれます。

 この時間、7メガや6メガなど低い周波数は非常に安定しています。英語放送だけでなく、超強力な局で民俗色豊かな音楽をかけているのを耳にすると、ついつい聞きこんでしまいます。北朝鮮の歌謡曲あり、インドの音楽あり、京劇風の音楽ありと、まさに、短波受信はワールドミュージックの宝庫!ついでに英語以外の放送で気に入った音楽のかかっている周波数もメモしていきます。

 02:00の調査が終わり、A4サイズのメモ用紙24枚(24時間分)をたばねたものの表紙(00から23までの数字が書かれています)の「02」とかかれたところに斜め線をいれます。後日、2度目の調査が終わると逆斜め線をいれてXになります。それが楽しみで・・・。と、まぁ、こんなふうに各時間調査をしているわけです。では、これ以降の各時間で特徴的だったことを記してみましょう。



ICOMの無線機のバンドスコープ。
びっしりと放送が並んでいるのがわかります。便利ぃ・・・。 

【03:00】

 調子悪いです。確認できた英語放送はわずか10局。前回調査の半分なんです。ノイズがすごいこともあるし、お空の状況も悪いのでしょう。しかも英語であるのが辛うじてわかるというくらいの局で確認とれないものがいくつか・・・。そのうちの3つはいずれもAIRととれるのですが、それぞれ別の2種類の番組を流しています。別系統なのでしょうか。それともIDの取り間違い?今後要チェックですねぇ。

 03:30になり、6055kHzは英語放送が2つ混信して入感。まず、SLOVAKIAがIDで判明します。もう一方はSWEDENだと思うのですが・・・確認できず。



【04:00】

 さらにコンディション悪化。わずか7局しか確認できません。生活ノイズがとにかく酷いのです。イヤになるなぁ・・・。ノイズのレベルだけでシグナルメーターは9を指しています。 いつものようにメインでの調査を終えて、別室のラジオをつけてみると、なんとこちらではRAなどが良好に入ります。非常によく入っているので、コンディションが変わったわけではないでしょう。しつこく両方を行ったり来たりして聞きくらべてみると、片方はノイズの混入がひどく、やはりそれでつぶされていたことが判明します。別室のアンテナはこのエッセイの別項でも書いた引っ越し初期に苦労してノイズをさけてたてたアンテナだったんです。その威力を改めて感じました。でも、よぉく聞いてみると、逆にメインの部屋の方の受信機とアンテナで入って、こちらで入らないものもあります。うーむ。話は簡単ではありません。とにかく、毎時間、両方の場所でチェックすることにしていてよかったと思います。

 そうそう、この時間はMALAYSIAが楽しめるし、RKI(韓国)は非常に強力です。DW(ドイツ)も良好です。

 後日、ようやく、04:30からのSRI(スイス)を捕まえます。ほとんど内容が聞き取れない状況ではあるものの、なにせ、もはや希少価値なのです。「よく聞こえる」局ではありませんが、リストアップしておきます。この秋までに放送はなくなってしまうはず。ラジオ放送からの撤退を表明していますから・・・。


【05:00】

 PNG(パプア・ニュー・ギニア)が始まります。英語放送で夜間を中心に安定して長時間入感する英語放送です。

 CRI(中国)がとにかく強力。それにしても、ここ数年、英語放送の中では相当にその存在が目立つようになりました。しかも番組の作りも悪くないのです。ニュースなどは各地の特派員リポートも英語は立派です。おーい、我が国のNHK、負けてるよぉ!NHKが国際テレビ放送ばかりに夢中になっているあいだに、ラジオ国際放送はすっかりCRIが聴取者を奪っているよぉ!!と心の中で叫びます。

 RAことラジオ・オーストラリアのチェックで少し混乱します。9500kHzと他の周波数で番組内容が違うことで迷ったのです。結局、アジア向けと太平洋向けで番組が異なることが判明し一件落着。

 太陽が昇ってきました。カーテンをあけるとシャックから朝日が見えるのです。まぶしいぃ・・・。久しぶりに昇る朝日を見たなぁ・・・。

 こうしてラジオを聞いていると、確かに周波数のチェックという作業は疲れるものの、これだけまとめてラジオが聞けるというのはありがたいし、嬉しいものです。それと、やはり各局の動向(例えばVOAやSRIの予算削減や、逆に中国国際放送の破竹の勢い)が、インターネットや雑誌で読んでいるだけでは実感が伴わないのですが、こうして聞いていると肌で感じられて面白いものです。



夜が明けてきました・・・。まったりした空気の「国際傍受室・本館」。
見た目は格好悪いですが、資料はこうして床に並べるのが
一番効率よかったりします。
もちろんカミさんには怒られますぅ・・・。(^_^;) 

【06:00】

 相変わらず今回の調査は全般に受信できる局数が少ないようです。でも、調査する立場から言えば、少ないときは問題なく、楽なのですが、多いときにはいろんな局を聞き、頭が混乱してきます。そんなとき、受信機の「VFO機能」は必須です。パラレルで出ている同じ局の違った周波数をボタン一つで確かめることができますし、大きく周波数を移動するときなどにも、うまく使えば便利このうえない機能です。こうした調査には必須の機能だと言えます。

 6055kHzのラジオたんぱ(まもなく局名が変わるんでしたよね?)はこの時間、クラシック音楽をずっと流しています。クラシック音楽ファンのKAY2にとって意外とこれは楽しめるのです。しばらくかけっぱなしにして、調査の気晴らしをしてみます。

【07:00】

 カミさんが出勤していくのを横目で見ます。彼女、あきれかえった表情でこちらを見て、出て行きました。きっと夫がなんで徹夜で、そして夢中でラジオに向かっているのか、理解できないのでしょう。同じ趣味を持つ知り合いも口をそろえて同じ事を言います。どうしてこうも男と女、ちがうのでしょう(もちろん女性の短波放送愛好家もいないことはないので、あくまで一般論ですが)。

 中学時代から聞いているVOA(アメリカ)がこの時間より大量に入り始め、なんだか嬉しさと共に懐かしさを覚えます。自分にとっての英語放送の入門はVOAでした。友達がノベルティ・グッズなどを持っているのをうらやましく思ったものです。そして、ずいぶん音楽もこの局で聞いたし。いまだにアナウンサーの名前もいっぱい覚えていマス。ヤンキードゥードルを聞くと、あのころ雪道を歩いてデートした*子ちゃんのことを思い出してしまいます(ん?なんじゃそりゃ、調査と関係ないぞい)。そんな甘酸っぱい青春の思い出のある局なのに、昨今のリストラは情け容赦ないなぁ・・・。ブッシュ政権よ。放送は強力な「文化」であると同時に、即効性はないかもしれないが、将来の「アメリカ好き青年」を生み出し、結果的に国家に大いなるプラスとなる大変な「武器」でもあることがわからないのかい?それも血を流さない、そして、世界に平和をもたらすかも知れない素敵な「武器」だ。ミサイルを捨てて送信機とアンテナ、そしてスタジオを建てよ。そして素晴らしい番組を作ってくれぃ!!とノスタルジアに浸るKAY2は徹夜後の精神的「ハイ」状態もあり、もはや「はちゃめちゃ」になっています。


【08:00】

 最近のDW(ドイツ)はこの時間が定番になっています。以前は6時台が定番でしたが。そして、周波数はHPで事前に見たときは更新されていなかったため手探りで探すことになりますが、強力ですぐに見つかりました。DWは短波放送嫌いで有名だった前会長(嫌いならボスになるなよなぁ!と思わずツッコミ)が退いてくれたおかげで、かなり雰囲気が変わってきています。確かに放送の一部削減も見られますが、その分、他のターゲットに向けての放送増強というかたちでバランスをとりつつ、アグレッシブに短波戦略をすすめているようです。短波のデジタル化でも急先鋒。やるなぁ、DW。

 飯。朝食の時間ですが、ずっとほとんど昼飯のような気分です。


【09:00】

 この時間になると本当に定番の局しか入らずに、調査も面白みにかけてきます。これから数時間が短波放送ファンにとっては一日で最もつまらない時間帯になります。入ってくる放送も遠距離はだめ。近隣に面白い局でもあればいいのですが、残念、日本ではそういう存在の英語局は受信できません。東南アジアでは、例えばシンガポールの6150kHzなどは国内向けFM放送を昼間この短波帯の周波数に出しています。そのおかげで、DJなど、聞いていて楽しい番組が多く、東南アジアを旅行するときには、自分のラジオはいつも6150kHzにダイヤルをあわせています。ほんと、重宝です。また、これが夜、日本時間の20:00から23:00までの3時間、国際放送RADIO SINGAPORE INTERNATIONALに変化するのも短波ファンにはご存じの通り。夜は良好に届きますが、昼間はだめです。


【10:00】

 すごいなぁ。NHK、ラジオジャパンはこの時間の周波数は17MHz帯ではぎっしりと波が並びます。でもね、そのくせ昼の12時はなんと1つだけなんです。受信できる周波数が一つだけなのではありません。本来放送として出している波が1つだけなんです。ちょっと極端過ぎないかなぁ?だいたい、それなりの規模の放送局で周波数が1つだけなんてのは、短波放送の基本(不安定なコンディションを考えて2つ以上の周波数で放送する)に反すると思うのだけれど・・・。しっかりしてよ。日本を代表する声なんだからさ。世界中に電波をとどけてね。と、KAY2はことNHKに関してはついつい愚痴。それだけホントは期待しているということでご勘弁を。


【11:00】

 フィリピンが11:30の放送開始時間を数年前に変えて11:00となっています。こうした放送時間の変更というのは、なかなかダイヤルを回していると気づかないことが多いものです。しかも、そのホームページがあればいいのですが、この局には参考になるページがありません。先入観があるため、受信状況がよくないとせっかく受信できても、「放送は30分後からのはずだ。この局のはずがない」という悪い思い込みをしてしまいます。わが調査でも、以前この局の放送時間変更を発見するのにタイムラグが生じた苦い記憶があります。


【12:00】

 この時間はタイを探すのが仕事。とはいえ、周波数的には15MHzのどこかなので、ダイヤルを実績波を中心にまわして探すと、すぐに見つかります。


【13:00】

 何回かにわけて調査しているのですが、この時間が残っていました。その後、風邪がひどくなりダウンします。寝込み、中断。その後回復し、実は、今回一番最後の調査がこの時間でした。ここ3年間風邪をひいたことのなかった自分がひいてしまった原因はこの調査!なわけないですよね。ちょうどここ1カ月、ダイエットをしていたんです。多分それで抵抗力がなくなってきていたのでしょう。とにかく高熱と咳が続きつらい風邪でした。ダイエットをしているみなさん、お気をつけあれ。もう一つ原因として考えられるのは睡眠不足。いえいえ、この調査のせいではありません(しつこい?)。ここ数年、年齢のせいか、朝早く起きることが苦でなくなってきました。それをいいことに、そのまま起きて活動。1日の睡眠時間が平均2時間くらいは減っていたと思います。今回、風邪をひいて、とにかく、ひたすら寝ました。まるでリセットがかかったみたいに!やはり、ちょっと無理していたかなぁとも思います。


【14:00】

 かぜでせきこみながらの調査。
 それにしても14:00は寂しいですねぇ。数局しか確認できないとは。昨年にもまして寂しくなっている感じがします。


【15:00】

 昼間、一部の時間帯で聞こえなくなるニュージーランドがこの時間にはまた強く入感してきます。ニュージーランドは国内放送を中継していることが多いのですが、これが結構楽しいものです。リクエスト番組とか、クイズ番組とか。会社の同僚のイギリス人はこのニュージーランド放送が大好きで、それが高じて、何度もニュージーランドに観光に出かけているとか。やっぱりラジオって凄い影響力を持つ場合がありますねぇ・・・。



これがメモ。それぞれの時間帯につき、1枚。左上からスタートし、左下に来たら、
その続きを右上から書いていきます。受信できた英語放送の周波数、
そして局名のみの情報です。

【16:00】

 SRI(スイス)を探すのですが残念ながら見当たりません。前述のように事前に用意したHPからのダウンロードした資料によると今年10月までにラジオ放送は短波、衛星ともに全廃するという衝撃的な文字が記されています。前に、経営陣が「これからはインターネットの時代だ。ラジオなんて時代遅れ。みんなリスナーもインターネットのサービスで満足する時代が来る」として、インターネットサービス、「SWISSINFO」を始めました。そのホームぺージも徹底していて、ラジオの周波数なども、サイトのどこにあるのかわからない作り。まるで短波ファンへの嫌がらせのようでいやな気分になったものです。そして、今回、インターネットに完全移行するそうです。なぜこんなに急ぐのでしょう。彼ら経営陣は国内放送サービスでも同じようなことをするのでしょうか?現在のそのインターネットサービス「SWISSINFO」がそれほど人々を惹きつける(短波放送を終了させる理由になるくらいの)サービスになっているとはとても思えないのです。私には単に予算削減のためのいい理由づけになっているとしか思えないのですが・・・。悲しいですねぇ。とりわけ、人気のある局だから。
(と書いていたら、読者の方から教えて頂きました。なんとこの調査からほどなくして、英語放送は終了してしまいました・・・。)


【17:00】

 アラスカのKNLSが相変わらずよく入っています。楽しい音楽もかかり、宗教ステーションながら、こうした番組を聞くと周波数を載せてもいいかなぁなどと思うのですが・・・(ご存じかと思いますが、KAYSの方針として、宗教色がとても強い放送局は聞いていて苦痛なので、リストに載せていません。別に宗教が嫌いというわけではありません。実はKAY2はお寺で育っています。むしろ、宗教には敬意を持っています。ただ、本当に宗教の事を考えると、究極的には個人と神の関係になると思うのです・・・。そういうわけで、伝道目的の宗教局には興味が向きません。ごめんなさい・・・。個人的にはHCJBの尾崎さんとか、とても尊敬しているのではありますが・・・)。最近はHCJBの受信状況が諸般の事情であまりよくないので、結局、宗教局でKAYSのリストに載っているのはオーストラリア送信の Voice International のみになっています。うーん、ちょっと寂しい。
 カミさんからメール。彼女の会社での今日のお花見は中止になったので帰宅するとのこと。ありゃ。ゆっくりと今日は一人で調査できると思ったのにぃ。カミさん元気で留守がいい!の我が家としては・・・(^_^;)。
 前述のように、英語放送調査のほかに、自分の趣味用に好みの音楽のかかる強力な局もついでにBGM用に探しています。この時間帯には1つ。17780kHz。それにしてもこうした局は多くが中国の国内局であることが多くなりました。魅力的な中国語のポップスが流れています。時代の変化を感じる一コマでもありますねぇ。


【18:00】

 何度も書いてきましたが、この調査、まず無線部屋(これがメイン)で無線機ICー756PRO2を使ってサーベイ。その後、別室のAR−7030Plusで再チェックをします。かならず2度毎時間調査しているわけですが、これは前述のように重要。我が家のような環境の悪いところではちょっとしたノイズで全く聞こえなくなったりします。そこで、多少なりとも条件の違う2つの受信場所で受信することで、片方で落とした局を他方で救うことになります。

 AR7030はリモコンの周波数移動ボタンのプラスとマイナスでそれぞれ5kHzずつ動かせるようにしておいています。ご存じのように国際放送は5kHzステップ。それで放送バンドを下から上まで調査します。ひたすらリモコンのプラスを押し続けることになります。それで英語が聞こえてくるとストップしてチェック(そういえば、この7030、周波数ステップを5kHzに設定しても、実はきっちり5kHzにはならないのです。ほんの少しずつずれてきます。そういう仕様(!)なのだそうで、仕方がないらしいです。イギリス人の設計ですが、日本の製品では許されない仕様だと思いますねぇ。まぁ、おおらかというか・・・。)

 IC−756PRO2の方はメインダイヤルだけで動かすのですが、バンドの移動もダイヤル一つで楽にできるのは助かります。何も別のスイッチなど押さなくとも、早くまわせば、ダイヤルの移動は加速度的に早くなり、あっという間にバンドを移動できます。また、反対にゆっくりとまわすと、わずかな周波数の移動もできます。さすが、ハイエンド機種。以前はBCLにアマチュア無線機は邪道という声もあったようですが、最近の無線機の受信能力は抜群。逆にいうと、そういう無線機をもっている人がBCLを楽しまないのは、もったいなぁい!!ハムのみなさん、ぜひ短波放送を聞いてください。

 そうそう、混信などで、周波数が混沌としているときには、フィルターを操作する場合もありますが、モードを通常のAMでなく、USB、またはLSBにしてみたりもします。そうすると、混信も切れてかなりすっきりと聞き取れる場合がありますし、選択度が甘い受信機でも、「ピー」という音が消えたところが、ドンピシャの周波数ですから、勘違いして5kHzずらしてメモする恐れもありません。実はDXをしている人達はAMモードを使わずUSBモードだけで聞いている人も多いものです。ただ、受信機によっては音質がかなり悪くなる場合がありますので、そこで、高性能受信機が必要になるわけです。最近の受信機によく搭載されている同期検波回路というのは、簡単に言っちゃえば、この利点をうまく応用したものです。音質が劣化してしまう部分をうまく補正しています。


【19:00】

 どうも風邪がひどいのです(この記事を最初の02:00から順番に読んで頂いている皆さんには途中から時系列がめちゃくちゃになっています。すみません)。のどに強烈にきていて、眠ろうとしても寝つけないのです。そんなわけで、夜起きる調査にはちょうどいい?とばかりに、めずらしく連続してせっせせっせと調査に励むKAY2であります。


【20:00】

 昔の20:00って、こんなに寂しかったっけと?思わず考え込みます。少なくともかつてはVOAの放送が始まるのがこの時間、そして、他の主要放送局もこの時間を中心に数多く聞け、海外放送のプライムタイムとも呼べる時間帯だったのですが、最近はVOAも時間が動き、往時を知るものにとっては寂しい状況です。ただ、数年前はじまった、ロシア中継のベルギーが20:30で強力に受信できるのは嬉しいものです。ベルギー・ビール好きの一人としても。


【21:00】

 と、嘆いていたら、21時台になり、やっと局が増えてきます。VOAもこの時間に夜の放送はスタート。自分が中学生だったころは夜20:00から24:00までの放送でした。しかも番組内容も、ニュースあり、DJあり、エンターテイメント関係やサイエンスの番組あり、そして語学講座もありと盛り沢山。それにくらべると、いまは単調ですねぇ。


【22:00】

 英語局?と思うと中国語放送の中での英語講座番組だったりするので、ちょっとフェイントなのがこの時間です。


【23:00】

 9805kHzで悩みます。頼りにしている資料の一つ、「PWR」に記載なしです。オーストラリア議会の話題でRAだとほぼ確信するのですが、RAのHPのデータ(旧スケジュールのままで、データが更新されていないのかもしれません)記載がないのです。ちょうど30分でIDが出るかと思ったが、番組が続いて出ず。結局、この局だけは終わりまで聞き、やっとIDを確認できました。RAでした。やれやれ。


【00:00】

 6095kHzのニュージーランドが、22時台より入らなくなりました。多分、5kHz隣の北朝鮮の強力な局のせいでしょう。そこで今回もフィルターで受信帯域を狭めてみると浮かび上がってきました。こういう場合は記載するかどうかちょっと迷います。つまり、ふつうには「良好に受信」できない周波数なわけですよねぇ。でも、混信が原因で受信が難しい場合は、混信局が今後移動することも考えられるので、掲載するというルールにしています。


【01:00】
 11650kHzの局はイランでしょうか?内容からもそのはずなのですが、肝心のIDが出ないのです。本日の調査ではわからないので、後日、もう一度確認する必要があります。で、後日調査でイランと判明。目星は付けているものの、やはり局名のアナウンスを聞くまでは心配なのです。



 というわけで、読者の皆さん、おつきあいいただいてお疲れ様でした。今回のKAY2の[A04]の調査。時間別のリポートでした。

 さて、上記の内容を見て頂ければおおよそ、どのようにKAY2が周波数調査なるものをやっているのかがおわかりいただけると思うのですが、さらにご参考までにいくつか、ヒントを記しておきますね。何故?へへへ。KAY2も最近年を取ってなかなかこの調査がきびしくなってきました。おまけに仕事がきつくなってきて自宅でラジオを聞く時間もとれません。そろそろKAY2の代わりにやってくれる人がいないかなぁという魂胆もあります。ということで、いつの日か現れるその人のために、KAY2の乏しい知識を動員してのヒント公開です。


・用意する資料は写真でもわかりますが、


 1 「Passport to World Band Radio 最新版」(右上)
 2 「World Radio TV Handbook 最新版」(中上)
 3 「BBC ON AIR」付録の周波数表 (左上)
 4 「前回、前々回の周波数調査のメモ」 (中下)
 5 「インターネットでダウンロードした各放送局ホームページ掲載の新周波数」(右下)
 6 「The Shortwave Guide」(左下) (こちらは残念ながら今後は刊行されないようです)

 以上です。このうち、5に関しては余裕があれば、あらかじめ、その各局の新しい周波数のうち、日本で受信可能なものを時系列に自分で並べ替えたものも用意します(写真のものはその編集後の資料です)。周波数の多いBBCやVOA、RAなどはとても無理ですが、もっと周波数の数の少ない、RNやSRIなど多くの放送局はこれで、一つの資料にまとめることができれば、あとで実際に調査を始めて周波数を照会するときに素早くできて便利です。

・ただし、各放送局のホームページに新しい周波数が掲載される時期はまちまちです。比較的早いRCIの場合は、もう2週間前には掲載されていましたが、他は1日前とか2日前。サイトによっては変更されてから1週間以上も古いデータのままという場所もありました。

・放送局の確認の基本はアナウンサーの読み上げる「ID」です。「This is the Voice of America.」とか「You're tuned to London.」などというあれです。受信報告書などを書くときにはこれが取れないと受信したという確認を相手から得るのは難しいことになっています。ただ、こうした調査でいくつもの放送を短時間でチェックするのにいちいちIDを取るのは現実的ではないものです。で、何年もやっていると、アナウンサーの声やアクセントで局が区別できることが多くなります。VOA、BBC、RA、CRI、KBS、RJなどはほとんどこれでいけます。また、独特の音声の変調具合や音質でも区別できることが多いものです。エコーのかかった、VOR(ロシア)、やや変調の浅いことのあるCRI(中国)、極端に変調が歪んだり浅かったりするVOK(北朝鮮)などなど。

・さらに、大手の放送局はできるだけ周波数を変更したがらないものです。上にも書きましたがいわゆる実績波であり、特にBBCやRAなどは何年も同じ周波数を使っているので、ほぼ、出ているだけで判断できることも多いものです。

・もちろん例外もあるのでご注意ください。これはVOAの実績波、と思っていたらイギリス英語。あれれ?と聞きつづけるとDWがVOAの周波数を使い始めていたなんてこともありました。

・あと、一部の放送局では自分の放送の番組の中で他の局の放送を流しているという非常に紛らわしい例があります。いわゆる中継とは違います。番組の一つとして海外の放送を毎日紹介しているケースがあるのです。カナダの国内放送CBCの短波送信の場合、国内向けに海外の放送局の番組を流している時間帯があります。出力の小さい国内放送ですが、そこは国境を越える短波!日本にも良好に届く場合があるのです。「あれ、変な周波数でオランダ放送が出ているなぁ・・・と思いながら、一応チェック。時間をおいて同じ周波数を聞いてみると今度はRAが聞こえてきます。どうなっているの?と思うと、放送の途中に「This is CBC Radio Overnight.」とIDが出て、なぁんだ!となるわけです。

・BBCでやっかいなのは周波数の数が多いことと別方向向けの番組が同時に聞こえることです。そうした中での交通整理で一番役に立つのが、BBCの発行している月刊誌「ON AIR」。ただし、詳細な周波数情報は年に2回、別の冊子形で付録についてくるのみです。以前は毎月情報があっただけに残念です。この番組表を見ると、地域別の編成で、同じ時間に違う番組が出ていても、即座にわかります。地域別編成の多いBBC英語放送には必携の資料です。

・各放送局のホームページで事前に周波数情報を手に入れますが、地域別に周波数が別のページになっていて全部を一度に表示できないところが多いものです。これは便利なのか不便なのか?確かに初心者にはこれでいいのでしょう。しかし、他の地域向けの放送も良好に受信できるところが短波放送の魅力。当然、KAYSのサイトに掲載している周波数も本来アジア向けではないものもあります。それで良好に受信できれば、それで良いのです。そういう意味で、周波数は全周波数が一覧で見ることができる方が、実は使い勝手がいいのです。 さすがにそれに気づいている放送局もあり、別だてで、そうした一覧をダウンロードできるようになっている局もあります。代表的な例がRCI(カナダ)やDW(ドイツ)です。そうしたページをみるたびに、「さぁすがぁ」と感心します。ちゃんとリスナーの希望をよく理解してサービスを提供しているのですから。


 とまぁ、いろいろと書きなぐってみました。我こそは!と思われる方はどうぞ、デビューしてみてください。KAY2も当面やれる限り、続けていくつもりです。体力的にはきびしいのですが、24時間ラジオを聞くってのは・・・やっぱり楽しいんですよね。(^o^)


次ページ

TOPへ

KAYSトップ

inserted by FC2 system