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 「ワールドスペース受信記録 1」
 〜噂のデジタルラジオ、WorldSpaceを受信する〜

                              2000年10月
 
アジア向けのサービスが正式に開始された WorldSpace 社の衛星デジタル放送を受信してみました!日立製の受信機、KHーWS1を操作するチャンスがありましたので、その時の印象をご紹介します。 
WorldSpace 社はアメリカに本拠を持つ衛星放送会社です。現在までに、アフリカ上空、アジア上空に2基の衛星を打ち上げており、それぞれに、デジタル直接波の音声放送を行っています(来年、さらに中南米向けの衛星をあげる予定で、それで一連のプロジェクトが完結するようです)。日立を始め4社から出ている受信機を購入すれば、誰でも、数〜数十チャンネルのラジオが聞けるというシステムです。短波放送とは比較にならないくらいクリアな、CD並みのステレオサウンドが聞けるということで、話題になっています。
2000年9月に、いよいよアジア向けの正式な放送開始がアナウンスされました。残念ながら、日本はサービスのサポート対象外になっているそうなのですが、アジアスターと呼ばれる衛星の3つのビームのうちの一つが、日本もカバーしています。受信機も、横浜の衛星受信システム専門店、「ハマーズ」で海外仕様のモデルが購入できるということで、さっそく手に入れた人が身近にいましたので、頼み込んで借り、実際に聞いてみました。(値段は3万円弱ですが、このほかに、8000円弱のフィルターを購入する必要があります。Cバンド受信にみられるような、混信による受信妨害[日本では携帯電話と周波数が近いそうです]が起きるということです。実際、フィルターなしでは、まったく受信できませんでした) 
受信機は写真の通りで、やや大きめの短波ラジオといった案配です(24.05×16.25×9.3cm)。実際に、衛星波の他に、短波、中波、FM(北米仕様)が受信できます。短波受信の感度も十分に実用的なレベルになっています。
 
  

受信機とアンテナ、そして、右下小さな物がフィルター。
【さて実際の受信は・・・・】 
目を引くのが黒い、平面アンテナです。これを南側に向けることで受信します。アンテナの向きの設定は非常に楽です。南に向けて、水平よりもやや引き起こした格好で、十分電波が入ります。少々角度を変えても大丈夫。これほど楽とは思いませんでした!おまけに、南に向いてよほどの高い障害物がなければ、大丈夫。我が家でも試してみましたが、道路を挟んだ南の向かい側に11階のマンションが建っていますが、大丈夫でした(このマンションの高さは我が家では冬至の前後2週間、真昼に2時間ほど太陽が隠れるというくらいのものです)。また、アンテナは室内の窓際に置き、和紙でできたカーテン越しにもきちんと受信できました。
 
  

これが衛星受信のアンテナ!
そして、液晶のメーターを見ながら電波の強さが最強になるよう、調整します。
まずは、耳にアップビートな音楽が飛び込んできました。ヘッドフォンを差し込んでみると、綺麗なステレオサウンドになっています。液晶の表示窓に「ULTRA POP」と表示されています。チャンネルの名前が表示されるのです。続いて、チャンネルを上げ下げしてみます。次のチャンネルが受信されるまで、数秒の時間がかかります。そうして、とりあえず、受信できるチャンネルを一通り試してみました。現在10チャンネル。そして、そのほかにテストとして音楽を流しているチャンネルもあります。
とにかく驚くべきは、衛星国際ラジオがこんなに簡単に受信できていいの?というものです。アンテナ設置の手軽さ、そして、チューニングの容易さ。これはもう、びっくり仰天です
  

液晶画面は大きく見やすい
【放送の内容は?】
事前に Worldspace のホームページ(http://www.worldspace.com/)でチャンネルを確かめてみたのですが、昨年、すでにサービスを始めたアフリカ向けはかなり多彩な放送が受信できますが、アジアに関しては、まだスタートしたばかりということで、チャンネル数は多くありません。しかも、North, South, West と3つあるビームのうち、なぜか、日本の入った NorthビームはBBCや World Radio Network など、興味をそそられるチャンネルがすべて落とされているのです!他のビームにはあるのに。したがって、ニュースチャンネルはCNNインターナショナルのテレビ放送の音声だけが聞こえるという有様!おまけに、音楽チャンネルもたとえばクラシックチャンネルは、24時間「パッヘルベルのカノン」が繰り返し繰り返し流れるといった始末。とても、楽しめるなんてものではありません・・・・。ちなみに先発のアフリカ向けのあるビームでは40チャンネル近くの放送が受信できるようです。
どうしてこういうことになっているのか?ちょっと理解に苦しみます。せめて、BBCだけでもアジアの他のビームなみに入っていたら・・・それだけでも、このラジオを買おうという購買の動機には十分なりうるのに・・・・。
まぁ、この放送も今はまだ始まったばかり・・・・。技術的には魅力のあるシステムですからこれからどうなるかを暖かく見守っていくしかないでしょう。 
とりあえず、そういう訳で、今の時点では・・・少なくとも日本においての受信を目的とするなら(海外旅行に持っていくのなら別・・・ちょっと重いけど)、あまり「買い」とはいえないようです。しかし、注目度は「!」。今後、きちんとした内容の放送チャンネルが増えれば、KAY2 も個人的に、一台買おうと思っています。

追加情報 2001年8月
                       
 
上記の文章は2000年10月に、ワールドスペースをはじめて受信したときのものですが、その後大きな変更点がありましたので、記しておきます。 
チャンネル数が増えました。そして、その中には KAY2 が密かに期待していた、ロンドンに本拠地のある WORLD RADIO NETWORK が入っています!これは一日24時間、世界中の英語国際放送をロンドンで受信し、それを再構成して放送しているという英語放送ファンにはたまらないチャンネルです。大阪有線でも放送されていますが、編成が異なり、一部、別の放送が聞けます。で、実際、どういう放送かといえば、たとえば、チャンネルを合わせると、午後1時半からYLE、ラジオ・フィンランド放送が入り、そのまま聞いていると午後2時からは SWISS RADIO INTERNATIONAL、30分後には RADIO CANADA INTERNATIONAL ・・・と多彩な英語放送が1日中、そのままのチャンネルで楽しめるというわけです。
KAY2としては、このチャンネルの存在だけでも、この受信機は「買い!」と、上記、2000年10月の結論をひっくり返しちゃいます!!なお、前回、まだ試験的だったクラシック音楽などの音楽チャンネルも本格運用になり、ステレオのきれいな音声でたのしめることもつけ加えておきます。もう一つ重要な追加情報。その後残念ながら、ほとんどすべてのチャンネルが有料となってしまいました
 
  

正面の姿!
  

これが横から見た姿。アンテナもこういう風に背面に取り付けられる
                        

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