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東南アジア某国でのJOYEAR2!

  

「ワールドスペース受信記録 4」
〜海外で聴いてみる!〜
                                         2004年 4月

【その後のワールドスペース】

ワールドスペースの受信できるラジオを個人で購入して3年目になります。

2万円の初期投資で、あとは聴取料などもいっさいかからずに、海外からの放送をクリアに受信できるので、確かに満足はしています。
(追記:2004年9月:その後北ビームに関しては一部のチャンネルを除いてほとんど有料化してしまいました。大変残念なことです)

しかし、日本を含む北向き衛星トランスポンダのチャンネル数がアジアの他の地域のトランスポンダと比べ少ないのが不満(ワールドスペースのHPを見ると、例えば、東南アジアを対象にした南向きは北向きに比べ8チャンネルも多く受信できる)。そして、日本では周波数割り当ての関係で携帯電話などの周波数が隣接しており、その影響か、突然音声がとぎれることがあったり、信号強度がそれほど強くないなど受信状態がいまいちなのもやや不満。

「でも」と、ふと考え、思いつきます。

ということは、アジアの他の地域に行けば、このラジオの性能が生きるかもしれない。じゃ、行って確かめてみようか!と単純に結論できないのが、貧乏暮らしの我が身。


【チャンス到来!】

ところがラジオ購入3年目に突入した今月、チャンスが到来。我が家の「山の神」が勤続*周年ということで、勤務先から休暇をもらい、さらに、東南アジアのリゾート地に「鞄持ち兼通訳」としてついてきて「奥さん孝行」してほしいなどと言ったものだから、これはもう夫としては飛んで火にいる夏の虫。それっとばかりに計画し、ついに、行って来ました。東南アジア某王国。山の神よ、「コップンクラップ(ありがとう)!」

リゾートもプールも食事もそっちのけ。ホテルの部屋に入るとすぐにベランダへ直行・・・。あれ?ベランダ、ひさしがすっかり覆っていて空が見えない・・・。おわかりですね。このホテル、狭いベランダには完全にひさしが覆い、真上の空が見えないのでした。悪いことに(というか、実際は便利なんですが)、東南アジアでは日本と違って、衛星への仰角はかなり大きい。限りなく天空に向かってアンテナを向けなければならないのです。したがって、いくらアンテナを振りかざしても、部屋のベランダでは、受信できないことがわかったのみです。とほほ。

それでも、立ち入り禁止の屋上にまであがれば狭いスペースがあるのをみつけ、そこに夕暮れ時に行ってみましたが、この御時世、テロを警戒するホテルの警備員(けっこう厳重です)に見つからないように、相当短時間の決死隊となりました。

そこでアンテナをいろんな方向に向けてみますが・・・。あれ、なにも入りません。ラジオのLEARN機能(この機能は受信地でどの衛星チャンネルが受信できるかを自動的にチェックする機能です)で何度もチェックしてみますがアンテナの信号強度はゼロ。全く受信できません。

きつねにつままれたような思いで部屋に戻り、もう一度説明書を見ます。手順をもう一度確認してみますが、間違いはない模様。すると・・・!ふと気づきます。あ、フィルター・・・。そうフィルターがいるのは日本だけかと思い、今回、持ってはきたものの、さきほどのチェックにはフィルターを用いなかったのです。スーツケースからフィルターを取り出し、再び夕暮れ時の決死隊に。


【受信成功】

スイッチを入れてみると・・・いとも簡単にブルームバーグチャンネルが入ってきます。やった!そうだったんですねぇ、ここもフィルターなしでは入らなかったのです。で、アンテナは・・・上に向けさえすれば、結局、東西南北ほとんど関係ないようです。ちなみにJOYEAR の説明書(メーカーのサイトからダウンロードしたものを今回は持ってきました)はなぜか間違っていて東南アジアでは仰角は低くと取り扱い説明書に書かれています。これは完璧に誤植です。

アンテナはこうして、地べたに置くだけ。緯度が低いせいで方角は関係なし。楽ぅ〜。

 
はやる気持ちをおさえつつ、チャンネルを確かめてみると・・・あれれ、なぜか東京で受信しているチャンネル以外は入感しません。念のため、もう一度LEARN機能を活かしてみますが同じ。

「???」な気持ちでいっぱいになりながらも、WorldSpace 受信はあきらめ、あとはKAY2は奥さん孝行につとめたとさ・・・。

おわり。

ではなくて・・・(^_^;)、次の滞在場所に行きます。幸いなことに今回の旅行、その東南アジア某国を旅してもう一カ所滞在することになっていたのです。

今度のホテルはオープンエアーの青空の広がるスペースがベランダにあります。これはいけるとばかり、アンテナを置き、ラジオをつけてみると・・・・!


【南ビームのチャンネル】

見事に南ビーム特有のチャンネルを受信。RFI(Radio France International)との表示と共に短波でお馴染みのニュースのテーマとフランス語が流れてきます。この瞬間、うれしかったなぁ・・・。初めて海外放送を子供の頃に受信して喜んだときに匹敵する喜びで、山の神は私の顔を見てびっくりしていました。「あんたのうれしそうな表情、びっくりしたわぁ。何で私を見るときにあんな顔を見せんで、ラジオ見るときにあんな顔するわけ?」うわ、キョーハクやがな、それ。

日本では目にすることのないBBCの表示


というわけで、アジア南ビームのすべてのチャンネルが受信できました(一部有料チャンネルを除く)。チャンネルを変えるとインド音楽が流れてきて表示は「AIR(All India Radio)」。東南アジア系言語の電話のインタビューが聞こえてくると「RRI(Radio Rebuplik(c) Indonesia)」。そして、英語のニュースが聞こえてくるのは「BBC」。聞き慣れたNews Reader のロイ・ラーマの声が聞こえてきます。そして、意外なことに日本語放送。ブルームバーグの日本語音声は南ビームでも聞こえるのでした。東京でもおなじみの各音楽チャンネルもきわめて音質よく受信できます。

ところでフィルターですが、最初の場所とは違い、この地では必要ないようでした。また、一部のチャンネルでは逆に、とりつけると、信号強度がやや落ちるようでした。

それに受信状態、東京ではほとんどあり得ないアンテナのバーが5本も表示されるのは心強いかぎり。

国際色豊かないろんなチャンネルをBGMにしていると、これだけのチャンネルが日本で聞ければワールドスペースも相当に日本で人気が出るだろうにと思います。特にお気に入りはAIRで、頻繁にインド音楽がかかるのですっかりお気に入りです。ヒンズー語中心のようですが、時間帯によっては英語ニュースも聞けます。

それと、東京でも聞ける最近はじまったばかりのワールドミュージックの WorldZone。改めてゆっくり聞いてみるとこのチャンネルの音楽セレクションがおもしろいことと、やはりステレオ音声で聞ける楽しさに感激です。東京にもどってもこのチャンネルが聞けると思うと今回の旅での発見として、とてもいいおみやげができました。


【ちょっとしたヒント】

で、今回はアンテナの延長コードやRCAーステレオミニプラグの延長コードなども用意してきたので、WorldSpace を室内のステレオにつないでHIFIで楽しむことができたのも、大満足でした。RCAステレオプラグーステレオミニプラグのオーディオ接続コード(電気店によくおいてあるコードで、簡単に手に入ります。ただ、旅先では手に入りにくいので、旅行前に買っておきましょう)というのは旅先に持っていくといろいろと重宝します。たとえば、ある程度以上のホテルでは必ずテレビがおいてあり、背後または前面にこの種の入力端子がついており、これにつなげれば手持ちのポータブルMDやCDの音声をテレビをスピーカー代わりにして自分一人だけでなく、みんなで楽しむことができます。また、デジカメの出力(ミニプラグの場合)をテレビの映像RCA端子などにつなぐと、撮った写真をテレビで見ることもできます。旅の小さな知恵ですが、今回はそれが、WorldSpace でも大いに役に立ちました。ビーチチェアの横に置いて聞くのもいいのですが、音楽チャンネルはステレオにつないで大音響で聞くのも楽しいものです。

室内のステレオに接続しちゃいました。左下がJOYEAR2。
ちなみにこのステレオ(SONY製)、なんと短波がチューナーに入っています。
海外のステレオではよくあるケースです。おかげでラジオジャパンも聞けちゃいました。

赤白のRCAジャックはこうしてステレオに。かたやミニプラグはJOYEAR2に。
ステレオがない場合も大型テレビにはたいていこの接続端子がついています。


そうそう、アンテナの延長コードもお忘れなく。これは、受信機を室内に、アンテナをベランダに置くときには絶対に必要です。付属のものでは足りないかもしれないので、さらにもう1本あるといいです。ケーブルは細いものの方がかさばらずに便利です。映像ほどおそらく受信にきびしくはないはずなので、「3C」などの同軸でなくてもっと細い線でOKなはずです。
 

【それでは、まとめ】

・東南アジア某国(って、匿名にする必要なし。タイ王国です)ではフィルターは必要な場合もあるようです(必要でない場合は、フィルターを通すことでゲインが下がる場合がある)。だから、一応用意はしておいたほうがいいと思います。

・受信そのものはひどく簡単。あっけないくらいです。なにせ、アンテナをほぼ真上の向きにして適当に置けばそれでアンテナの調整は終わりなのですから。日本のように方角を探す必要がないのは楽ちんです。

・チャンネル数が日本に比べ多いので、特に民族音楽などが楽しめます。

・英語ニュースを聞きたい場合、BBCが入っているのは心強い限り。BBCはしばらく前からの改編で従来の1時間ごとのニュースから、サマリーも含めて30分ごとにニュースが聞けるようになっています。ニュースのカバーには打ってつけ。

・ブルームバーグの日本語音声は南ビームで入るので日本語がなつかしくなったときにはいいかもしれません。とはいえ、経済ニュースですし、テレビの音声を流しているだけのようなので、聞いていると物足りなくてストレスがたまります。(^_^;)

・2カ所目ではフィルターを全く使わずにすみました。また、長時間聞いていてもほとんど音のとぎれは生じませんでした。

・ACアダプターが90Vから250Vまで対応しているのは助かります。これで、変圧器なしで、電池の残量も気にせずに、滞在先で地元FMと並ぶ2大BGMとして始終かけっぱなしにして楽しむことができました。

・せめて World Radio Network チャンネルにNHKも入っていたら、日本の情報も手に入り、本当に文句ないのですが・・・。



というわけで、東南アジアにこのままラジオと共に移住しようかと思ったひとときでした。あ、そうそう、山の神に孝行しなきゃ。また来れるように。いまからでも・・・。(笑)

サバーイ(気持ちいい)!ビールを飲み干し、夢の世界へ・・・。


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