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手術当日〜手術・術後
さて、いよいよKAY1と別れ、手術の準備に入ります。診察室の奥に向かいます。まず、ロッカールームに入り、荷物を入れるように指示されます。かけていたメガネも「もう不要になりますから、はずしてくださいね。」との言葉。はずしてケースにいれます。そうそう、事前にメガネケースを持ってくるように言われていました。当たり前のことですが手術が終わって帰宅時にはもうメガネは不要になります。でも、これって言っておいてもらわないと、ついつい忘れちゃいますよね。術後裸眼で帰宅(もらう保護メガネはかけていますが)するなんて実感がわきませんから。
そして、額に髪が出ないようにキャップとそして前掛け風の白衣を着ます。
さらにその奥の待合室に入ります。そこで看護士さんが一人一人名前と手術方法を確認し、黄色のテープを肩に貼ってくれます。名前と手術方法が記されています。取り違えのないようにとの配慮のようです。そして、靴を脱ぎサンダルに履き替えます。靴は手術中、プラスチックの鞄に入れて看護士さんが持ってくれます。
そして部屋の中に手術の手順を具体的に写真入りで説明した冊子が置いてあり、看護士さんと一緒に見ます。どういう装置で、手術中、どこを見たらいいのか(どこに目印の緑色のランプがあるとか・・・)。非常に具体的でわかりやすく、これを見てとても安心します。
さて、私の前に2人先に手術室に向かいます。一人は片目だけの手術とか。片目は以前済んでいるようです。例の保険を2回もらうための方策かもしれませんね。
待っている間にも次々と手術を受ける患者さんが入ってきます。結局私が待っている間7人来ました。うち1人がレーシック、あと6人はイントラレーシックのようでした。
レーザー照射の装置、メーカーは違いますが、こんな感じの
イメージで考えてもらえれば…。
14時35分。やっと自分の名前が呼ばれます。ドアを開けて外に出ると長ぁい廊下に出ます。メガネをはずしているのでハッキリは見えませんが、どうやらたくさんソファが並んでいるようです。その向こうにパンフレットで見たクリーンルームらしきものが見えます。その一つに入ります。すぐに真ん中の手術用の椅子に腰をかけるように指示されます。
椅子が動き、目薬がシャワーのようにふりそそがれます。それから、まず「下を見て下さい」「上を見て下さい」などと言われ、なにやら目に枠のようなものがはめられた模様。これが確かにかなりな力でおさえつけられてギョッとします。ただ、痛いとは思いませんでした。そしてよく言われる目の前が暗くなるというのがありましたが、真っ暗ではありません。何か薄い布をかけられたという程度。が、やがてレーザー照射となったのですが、これが、あっという間でした。ものの10秒ちょっとくらいでしょうか。その際、何かがあたっているという意識もなく。ただ、なんだか、ちょっと光が当たっているなぁという感じがしただけです。痛み?皆無です。ホントに。
両眼が終わり薄目を明けてあたりの様子をうかがうと目の前に霞がかかっているような見え方です。レーザーによるフラップ作成後は水蒸気でフラップ内が曇っているのだそうです。これがイントラレーシックの特徴で、しばらくこのまま待たなければなりません。看護士さんに手をつながれて廊下に出て、ソファに腰を下ろします。「このまましばらく待って下さいねぇ」と言われます。そうか、だからこの長居廊下にソファがたくさん置いてあったのか・・・と今更ながら気付きます。
10分くらい待ったでしょうか。
14時55分。再び看護士さんに手を引かれて部屋に入ります。目をしっかりと開けていないので最初の部屋と同じなのか別の部屋なのかよくわかりません。椅子に座り、今度はテープのみでの目の固定のようです。事前に写真で見たのと同じ機械のランプが目の前に見えます。まずは右目。またもや目薬のシャワー。そしてフラップが外されるのが自分で見えちゃいます。これは意外とビビリました。でも痛みはありません。何だか大量に目に水が入ってきます。洗われているようです。14秒レーザーをあてるので、まっすぐと緑のランプを見ているようにと指示されます。右目。ひたすら真っ直ぐ見続けます。そして、照射終了。再び水のシャワーを浴びてフラップを閉じ、ヘラのようなものをあてられて丁寧に仕上げます。
さて、左目。ここで意外なことが起きます。フラップを開けたときに痛みが走ったのです。あれ、「痛い!」と声を上げるのですが、「痛いですか?」と言われるだけで何かしてくれるわけではありません。そのまま右目と同じ手順を経ていくのですが、最後にまたフラップを被せるときに痛みが走ります。おもわず足が上に上がってしまいます。
「はい、終わりました。順調ですよ」との声で立ち上がると・・・壁に掛かった白板に自分の名前がマジックで書かれているのがはっきりと見えます!今までの自分の視力ではこんな文字は見えなかったはず。「あ、見えた!」と思わず声を上げてしまいます。すぐに、検眼。DドクターからOKが出て、手術室を出ます。時間は15時05分。フラップ作成とあわせても正味20分ほどの手術でした。
ふたたび看護士さんに手をひかれて薄暗い部屋に。かなり大きいソファのようなリクライニングシートに腰掛けます。体に毛布をかけてもらって、このまましばらく目を閉じて休むように指示されます。その間、薄目で部屋を見渡すと壁にシートごとの番号札が掛かっているのがはっきりと見えます。以前では絶対に見えなかった文字が見えるのです。凄い!と興奮しています。
で、数人、部屋の中で休憩しているのですが、一人年配の方が何度も何度も大きな音をたてて体を揺するのです。どうしたのかなぁ・・・と思ったのですが・・・。
30分くらいたったころでしょうか。なんだか両目がすっぱい感じがします。そう、あの、タマネギを切ったときのような感じがするのです。Bドクターの言った通りです。涙もあふれてきます。体を揺すっている人の気持ちがわかりました。そうだ!痛いんだ!「じくじく」と痛むのです。
1時間ほど経ち16時05分、部屋を出て手術直前に入ったロッカールームに向かいます。こちらで看護士さんから目薬についての説明を受けます。とてもきれいで優しい看護士さんだったので、薬の説明を聞くよりしっかりと目を見つめてしまいました。(あ、メガネがなくてこんなに相手の顔がわかったんだ!と後でまたまたびっくりです。いやホント、素敵な人だったなぁ。KAY1がいなければ恋に落ちていたかも・・・ナイチンゲール症候群でしょうか・・・<言い訳、言い訳>)。さて、目薬ですが、たくさんありすぎて・・・と思っていたら、ちゃんと詳しく用法が書かれたカラーの印刷物がついてきました。よかった・・・。
16時15分。待合室に行くとKAY1が待っています。美しかった看護婦さんのことはおくびにも出さず「あれ?ずっといた?」と尋ねると手術室の隣の硝子窓ごしに手術の様子だけ見せてもらったそうです。それも付き添いのスタッフがずっとついていたそうです。撮影などを止めるためでしょうか?「手術中、痛い!っていったんけどわかった?」と尋ねると「声は聞こえないよ。でも、足が引きつっていたからわかった・・・」なんて答えてくれます。感想はとたずねると「あのね、フラップっていうの?あれを外したり付けたり、全部、スクリーンで拡大して見せてくれるんだけれど、気持ち悪いね。自分じゃやだな・・・」という答えでした。
さて、目の保護のためにもらったメガネをつけてエレベーターに向かい、降りていくのですが、このころ、目の状態がさらにひどくなります。そして、目をひらくのも辛くなり、涙がぼろぼろとこぼれてきます。「手術後痛くない人もいれば痛くなる人もいる」ということでしたが、見事、痛くなる方に入ってしまったようです。結局、可哀想に思った(それとも自分が夫を虐待して泣かせていると思われるのがいやなのか?)KAY1、なんとタクシーを奮発してくれました。というわけで、自宅に・・・。
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