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002 オーディオ装置
DENON PRESTAシリーズ


2002年7月27日

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ありし日の KENWOOD のコンポ

今回は「男のロマン」、オーディオの話です・・・・


【KENWOODのステレオ】

実は、我が家のリビングにはケンウッドのかなり大型のコンポがでーんと置いてありました。これは、山の神が結婚するときに持ってきたモノ。NQXも自分のコンポを持っていたのですが、値段の張った(当時、15年ほど前ですが、20万くらいしたそうです)山の神のコンポには、音質面で負けてしまい、私の「パイオニア」は妹の家へと嫁いでいきました。

さて、そのコンポ、スピーカーがかなり大型で、なかなか余裕のある音を鳴らしていました。とくに、ピアノなど、自然な響きで楽しませてくれていたのです。

ただし、付属のカセットデッキ、CDプレーヤーはもうすでに壊れており、修理するにもたぶん、部品が入手困難だと思い、あきらめていました(それまでにすでに二度修理はしているのですが)。でも、アンプは健在。そこで、LDプレーヤーを接続してCDプレーヤーとして使っていました。ここまで、大切に使っているのだからと、このステレオととことんつきあう覚悟を決めて、さらに、新しいプランをたてました。今度は、スピーカーをチューンナップしようと、スピーカースタンドを購入したのです。結果は良好。音質向上を楽しんでいました。


このスピーカー、良く鳴ってくれました。

【Y先生の予言】

さて、KAY2が無線でお世話になっている人にY先生という方がいらっしゃいます。KAY2の師匠のような存在です。その彼が我が家に遊びに来てくれたときに、このスタンドを見せていたところ、「ふーん、もう15年以上もたつの。じゃぁ、スピーカーがそろそろだめなんじゃない?」「え?スピーカーが一番長持ちするんじゃないですか?」「ぶぶー。この時代のスピーカーはエッジにウレタンを使っていて、それが、もうぼろぼろになっているんだよ」「・・・・」というわけで、不気味な予言を受けてしまいました。

その次の日、その予言を払拭する意味で、少々ほこりのたまったスピーカーをきれいにしてやろうと思います。そこで、ネットをはずし、ティッシュペーパーでやさしく、スピーカーのウーファーをさわったところ・・・・。はい、もうおわかりですね?エッジがいとも簡単に崩落してしまったのです。(号泣)

予言が見事に的中です。Y先生あなどりがたし・・・・。


【PIONEER復活・・・のはずが】

さすがに、スピーカーがいかれてしまうと、もう一巻の終わり。

で、予期せぬ出来事にショックをうけつつ、急遽、妹のところに行っていたパイオニアのミニコンポを送り返してもらうことに。というのも、彼女、このステレオを使ってなかった・・・どころか、数年間、箱から出してもいなかったのです。ラッキー。

ところが、ついていない時にはついていないもの。このステレオ、我が家で、電源を入れてみると・・・・入らない。あわてて説明書を見ると、「カセットデッキを接続しないとアンプの電源は入りません」とあります。しまった、カセットデッキだけは彼女の家に置いてきた!当時のシステムコンポはトータルで動かす仕様になっていたため、一見すると単品で使えそうな、それぞれのパートが使えないということだったのです。「ちぇ」と舌打ちして、それでも、スピーカーとCDプレーヤを唯一生き残ったケンウッドのアンプにつないでみると・・・・。なんと今度はCDプレーヤがいかれています。レーザーの読みとり部分がだめになっているようです。

というわけで、30度以上の暑い中で汗をかきつつセッティングした1日も徒労に終わったようでした・・・。(号泣)


一旦セットしたパイオニアのミニコンポ。
スタンドにアンバランスなスピーカーになっちゃいました。
しかも、それも徒労に・・・。

【山の神に頭をさげる】

さて、そうなると、もはや、新しいステレオの購入に踏み切るか、それとも、ラジカセあたりでお茶を濁すか・・・・という選択肢となるのですが、実は、スピーカー・スタンドを買ったばかりの手前、ラジカセを買って、これが、花台になってしまうのはツライ・・・と思っていたら、KAY1から「じゃ、ちょっと調べて!」と前向きの回答。日頃夕ご飯を作ってあげたりしていた努力が実ったかなぁ?

実は結婚してからのオーディオ購入では、一つ、大きな成果があがったものがあったのです。それは、金沢に旅行したときに、ふらっと入った地元のCDショップ、「山蓄」に置いてあった超ミニミニコンポ、VictorのFS−1でした。CDショップではとても有名なこだわりの店だということは、後で東京に戻って知ったのですが、そこに、お店の「イチ押し」として、置いてあったそのステレオから出てくる音にびっくり!繊細かつ、美しい!!おまけに、デザインもスピーカーが本格的なチェリーウッドを使って悪くないのです。最近読んだ本に「見た目の好ましい機器は、音を聞いても好ましく感じられる可能性が高い」(「いい音が聴きたい〜実用以上マニア未満のオーディオ入門」 石原俊著 岩波アクティブ新書2002年)という法則がありましたが、このコンポに関してはまさにその通りでした。それで、東京に戻ってきて購入したのですが、これは、山の神もなかなか気に入ってくれたようでした。おまけに安かったし・・・。そういう体験があったために、良いオーディオ製品を選べば幸せになると妙な理屈でKAY1を洗脳していたところなのです。


これは名機、FS-1。枕元の友・・・。
BOSEのWAVERADIOに負けない国産機!
Victor さん、生産を再開してください!

[追記、2004年1月]
・・・と書いていたらホントにVictorさん、やってくれました。
現在DVD対応にパワーアップしたEX-A1が2003年発売されました。
スピーカーコーンが、なんと酒に浸した木材!というのも話題です。
さすがVictor!!
(値段は倍近くになっちゃいましたが・・・。)

そこで、KAY1に頭を下げつつ、さっそく調査開始!

まずは、20万円ラインという前のステレオとほぼ同額で、音のいいステレオを探すことです。サラウンドは除外。スピーカーのコードが床をはい回るのが許せないという彼女の強い主張のため。そこで、2チャンネルのコンポを選ぶことに。

まず最初に、単品コンポかシステムコンポかという選択ですが、これは、諸処の事情で、システムコンポに確定。というのも、単品コンポにすると、割高な上に、調査に相当時間がかかり、また、踏み込むと凝り性のKAY2は危ない(!)とふんだからです。

システムコンポとなると、話は俄然早くなります。まず、値段として、いわゆるハイコンポが限界で、それ以上の本格コンポはむり。で、助かるのは、一時期のハイコンポ・ブームが終わっていること。おかげで商品が自然に何種類かに絞られ、話は早くなります。さらに、評判のコンポをインターネットなどで探すと以下の通りでした。

KENWOOD:K’s
ONKYO  :INTEC
BOSE   :WESTBOROUGH
DENON  :PRESTA

これほど絞られていれば、あとは、簡単。実際に店に行って試聴することに。

お店は新宿「ヨドバシカメラ」。ここのAV売り場は充実しています。それに、割合と自由に試聴させてくれるのは、以前FS-1を買ったときに経験済みです。今回はそのときに作ったオーディオチェック用のCD−Rを持参しての試聴となりました。

最初にBOSE。たしかに、まとまった音ですが、やや人工的に響くきらいもあり、却下。

次にK’s。大変評判の機種ですが、値段が高いことと、スペック的にやや古くなってきたことも気になります。実際に聴いてみると・・・・おとなし過ぎるように感じます。オケの音が不満。これも却下。

つぎにONKYO。なかなかよく鳴っているのですが、自然さに欠けるようです。

一休みついでに、さらに小さいミニコンポも覗いてみることにします。すると、DENON(デンオンでなく、今はデノンと読むそうです)の出たばかりという、漆黒のスピーカーの目立つ、「ef」D−F101が置いてありました。発売直後で今一番の人気商品とか。実際に鳴らしてみると、なかなかいいのです。もちろん、先ほどまでのハイコンポにくらべれば勝負にはならないのですが、値段とデザインを考えるとなかなか良い選択にも思えます。店員さんに尋ねてみると、評判は上々とのこと。ただ、彼がいうには、「もっと本格的にと思うと、同じDENONであれば、やっぱりPRESTA。しかも、スピーカーはDENONのでなく、インフィニティというアメリカのメーカーのものとのセットがいいですよ。僕の一番のおすすめ」とのアドバイス。

すぐに移動して、そのPRESTAが置いてあるハイコンポコーナーに戻ります。幸いなことに、スピーカーはDENONの純正と、そのインフィニテーと2種類、それぞれ接続してセットが置いてあります。そこで、聞き比べてみると・・・・・。純正は、低音から高音までよく出ています。しかも、スペックを見ると、数年前までは考えられない高音の伸び。一方、インフィニティはスペック上はまったく劣るのですが、聴いてみた音はかなりいいと感じます。素直で明るい音が出ています。さんざん聴いたあげく、結論がでないまま、その日は引き上げました。


【情報収集】

DENONに絞って、雑誌、インターネットでの情報を集めてみます。どうも、DENONに関しては、アンプ、CDプレーヤーともに評判がいいのですが、スピーカーに関しては、かなり辛口の意見が多いようです。曰く、低音高音強調のドンシャリスピーカー。うーん、確かにそういう印象はあったなぁ・・・。

2ちゃんねるに、PRESTAのスレッドがあり、そこを覗いてみると、やはり同じコメントでした。PRESTAのアンプ、CDプレーヤーともに、評価は高いのですが、スピーカーはコテンパにこき下ろされています。ところが、インフィニティのスピーカーとの組み合わせは多くの人が勧めています。考えてみればおかしな話で、わざわざ、メーカーが他社のスピーカーとの組み合わせも販売しているというのは、やはり、自社のスピーカーに自信がない証拠なのでしょうか?

しばらく情報収集を続け、その後、もう一度、お店に足を運んでみます。

今度は、例の店員さんをつかまえて、PRESTAにすることはほぼ確定だけれど、スピーカーで困っていると相談してみます。店員さんの話はこうでした。「クラシックファンには意外とDENONの純正スピーカーの方の評判がいい。特にオーケストラの響きはレンジの広い純正ならではのものがあります。でも、アコースティックな音やジャズ、ポピュラーであればインフィニティの方が評判は良いですね」とのことでした。

我が家の音楽の趣味は90%がたクラシック。では純正がいいのかなぁ?と思いながら、1時間近く聞き比べたのですが、その結果、どうもインフィニティの方に分がありました。音が素直で、そして、幾つかの音に関して、純正よりもダントツに好ましいのです。たとえば、アコースティックギター、金管アンサンブル、そして、バイオリン。一方、ピアノ、オーケストラなどは純正の方が良かったように感じます。つまり、音によってスピーカーの得意分野が異なるということのようです。「両方購入すればいいじゃん!」と不用意に発言して、KAY1の冷たい視線を浴びましたが・・・・。

というわけで、結局、以下の通り、購入が決定しました。

プリメインアンプ / PMA-201SA /
CDプレーヤー / DCD-201SA /
MDレコーダー / DMD-201SA /
FM/AM ステレオチューナー / TU-201SA /
スピーカーシステム / Refere-21 /

以上、セットで19万円強の値段。そして、おまけで、お店からはMDディスク数枚とスピーカー用の金属インシュレーターをつけてくれました。メーカー直接の配送で、3日後の届けとなるとのこと。久しぶりに大きな買い物になってしまいました。これから、毎日、ご飯に漬け物の夕食の日々を送ることになるのでしょう。



こういうミラーコートのデザインが増えてますねぇ。
これが我が家にやってきたPRESTAです。

【そして、届いた】

待ちに待った到着の日。恥ずかしながら、ここ数日、子供のようにステレオの夢ばかりみていたのでさすがに、うれしいものです。朝早くには目が開いてしまいます。我ながら子供っぽい・・・。予定通り午前中に届いて箱を部屋に運び込みます。説明書を見ると・・・意外と接続は面倒でした。それでも、ケーブルの一本一本を確認しながら接続していきます。

まずは弦楽合奏曲をかけてみます。やや堅い音。買った直後はまだ音がこなれていないということで、エージングという作業が必要なのだそうで、それほど、心配はいらないようです。そこで、エージングをかねて、FM、CDなどをとにかくかけまくってみます。

しばらくして、だんだん気付いてきたのは、やはり、ほぼ、店で聴いた印象と一緒だということでした。一番感動したのは、オーケストラの金管アンサンブル。明るくめりはりのある音できわめて現実感があります。音を聞いて腕に鳥肌が立つのを覚えます。一方、フルオーケストラの音は思った通りやや物足りない。そこで、どうしても、ソースダイレクトではなく、アンプにより低音、高音を強調する形で調整します。このあたりは、DENONの純正スピーカーなら必要ない操作だったでしょう。インフィニティの苦手とする部分のようです。

それと、これも掲示板などに書いてあった通りなのですが、優秀録音のディスクは実によく再現するのですが、やや録音の悪いものは、全くだめです。これがきっと国産スピーカーなら、そこそこ低音、高音ともに出るので、まぁまぁには聞こえるのかもしれません。ということは、あまりにも正直なスピーカー?言い方を変えれば、自分の持っているディスク全体の資産価値を低めるスピーカー?なぁんて、思ったりして・・・。(^_^;) つまり国産スピーカーは、可もなく不可もなくという平均点の高いものを目指しているのに対して、インフィニティなどは、どこかが良ければそれでいいという発想なのでは?と考えると、日本的文化と西洋文化のような文化論に発展しそうな気もします。ここでは深追いはしませんが・・・。

そにしても、ホント、いままではそこそこ聞けていたディスクがひどい音になります。(-_-;) 反対に、良い録音のものは実に鮮やかな音で、あらためて、その響きにびっくりします。

それから、意外だったのは、お店でもらった、スピーカー用のインシュレーター。多分、ただでもらわなければ自分で買おうとは思わなかったものですが、実際に比較してみて、その効果に驚きます。音に相当な変化が現れるのです。端的に言えば、より、純粋な音がするようです。やはり、余計な振動を取り除いている効果なのでしょう。これほど、印象が違うとは思っていなかったので、これは実に新鮮な驚きでした。無線でいえば、アンテナの設置にちょっとした工夫をすると、いろいろと大きな効果が生じる場合がありますが、その辺のマインドはオーディオも無線も一緒で、工夫をすべきものなのだぁと実感します。なぁんて、無理矢理無線ネタとつなげてしまいます・・・。

もう一つ。いままでのステレオとちがい、やや小ぶりなため、すっきりと棚におさまるのです。これが、KAY1にはいたく気に入られたようでした(^o^)。

というわけで、わずか、1ヶ月ほどのステレオ選定でしたが、なかなかおもしろい体験でした。もちろん、上記の印象はすべて買った直後のもの。これから、しばらく音が変化するでしょうから、それもまた楽しみです。あるいは、「インフィニティは失敗だった!スピーカーを純正に買い換えたい!」と思うかもしれません。というわけで、続報はいずれ・・・。



とまぁ、こういうセッティングになりました。
ややSPに問題のある配置ですが、KAY1との妥協案です。

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