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014 オーディオ装置 3 こんなんで音が変わる!?
ベルデン スピーカー・ケーブル Studio 727MKU

2008年 3月16日

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この太さ!ペンと比べてください。それに重いんです!


さて、以前、オーディオ・アクセサリーの一つ、スピーカーの底に置くインシュレーターの話をしました。「こんなん何の効果があるねん??」と全く信用していなかったのに、お店でサービスとしてつけてくれたものを取り付けたとたん、音が様変わりして、腰が抜けるくらいにびっくりした話です(って、そこまで大げさには書いてなかったかな?)。

オーディオの世界にはこうした、一見、非科学的(?あるいは胡散臭い?オカルト?)と見えて、実は確かに効果のあるものがいくつも存在するようです。そして、その代表格がスピーカー・ケーブルであるというのはオーディオの素人である私でも知っている話デス。

聞くところによるとその昔、1970年代だかそんなころ、日本のあるオーディオ評論家がケーブルの重要性を唱え、騒ぎに。実証主義的にそれに賛同する人々もいる一方で、「非科学的!」と信じない評論家やメーカーも多かったとか・・・。21世紀の現在、その効果を疑問視する人はもはや誰もいないでしょう。お店に行けばありとあらゆる種類のスピーカー・ケーブルが並んでいるご時世です。

ところでこういうことって多いですよね。私が無線以外に興味を持っている分野の一つ、「地震」とその「予測」についても、何年も前から「大きな地震は満月や新月の時期に多発する。月の満ち欠けと地震の発生は関連がある」と、民間の研究者たちは口々に言っていましたが、専門家からは「アホっ」と一蹴されていました。それが昨年になって「確かに関係ある」という研究発表が専門家から出てきたのです。また、「大きな地震の前には電磁波の異常があらわれる」という多くの民間研究にも最近になって科学的な根拠が説明されるようになり、大学などでも研究が始まっています。このスピーカー・ケーブルの件もそんな話を思い出させます。

一時期、ミニシステムコンポ(プレスタ)の故障で、プリメインンプとして、ずっとパワーのあるDENONのPMA−1500MKUという製品を借りたことがありました。実売価格は5万円前後なので、本格的にオーディオに凝る人には見向きもされないかもしれませんが、一般的な音楽ファンでミニコンしか持てないなかった私にとっては買うとすればとてつもなく大きな買い物です。こうして借りなければ一生縁はなかったことでしょう。ちなみにDENONはプリメインアンプとCDプレーヤの評価が大変に高いメーカーです。

さて、その機種に、買ってまだ間もなかったSC−T777SA−M(なぜこんなスピーカーが我が家に来たのか、事情は「オーディオ装置 2」をご覧ください)を取り付けたのですが、そのときに、ものは試しと、ベルデンというメーカーの太いケーブル(半端の長さと言うことである店で投げ売りされていたもの)を購入し、取り付けて聞いていました。アンプを変えたばかりなので、それまでのケーブルとの比較はできなかったのですが、その組み合わせで聞く音楽の印象としては低音から中温まで柔らかく、そして豊かで、高音も控えめながらきちんと鳴っている、いわば、上質のクラシック専門大ホールで聞くような音が再生でき、大満足でした。

さて、借りていたPMA−1500MKUを返し、元のプレスタで聞くと、悪くはないのですが、音が痩せたような印象です。アンプのパワーがないというのはこういうことをいうのでしょうか。つまり、同じ小さな音(我が家は集合住宅で大きな音が出せません)で聞いていても音の芯が細く、頼りないのです。値段相応といえばその通りですが。それにしても・・・オーディオって趣味はホントに因果ですね。より良い音を聞いてしまうと、それまで満足したもので満足できなくなってしまう。これって、蟻地獄のような趣味だと言えません?(アンプを貸してくれた人の術にはまったとも言えますが・・・)

こうなると、悪い癖でまた、血が騒ぎます。長い闘いの末、KAY1を説得し、ボーナスでついにPMA−1500MKUを購入。そして、一緒に、スピーカーケーブルとして、SONYのものを買います。実は、このケーブル、ある掲示板で、「非常に安いのに悪くない」「ストレートに音が出る」などと評判よかったからなんです。KAY2はこんなに買い物をしていますが、基本的に貧乏です。それに、スピーカー本来の性能を生かすためにバイワイヤリング(高音部と低音部を別々のケーブルでアンプと結びます。つまり、通常1個のスピーカーにケーブルを+−それぞれ1本ずつつなぐのですが、この方式だとさらにもう一セットつなぎます)をしてみたく、そのためには、ベルデンは長さが足りなかったというわけです。

さて、セッティングして聞いてみると・・・。意外でした。前に借りてきて聞いた音と全く違うのです。音のまとまりが悪いのです。高音が非常によく出ていて、よく鳴っているのは確かなのですが、なんだか全体にごちゃごちゃしているのです。NQXがオーディオチェック用にかけるラヴェルの「亡き王女のパヴァーヌ」を聞いてみます。デュトワとモントリオール交響楽団の演奏で、とても好きな録音です。ところが、木管のハーモニーに音の濁りを感じます。

れれれ、こんなはずでは・・・なぜ???

このスピーカーとアンプの組み合わせを短い期間とはいえ、実際に組んで楽しんでいたわけで、それが再現できないというのは・・・狐につままれた感じになります。バイワイヤリングが悪い?それは考えにくいです。逆に音が澄むのならともかくも。まさか、極性間違い?などとチェックしますが、間違いありません。

だとすると・・・そう、残りはケーブルです。

再び数ヶ月、昼食を安くあげながら、お金を貯めて、オーディオショップへ。あのときと同じケーブルを・・・と探すと、ベルデンのケーブル、「Studio 727MKU」というのがそれでした。1.5mをすでに2本持っているので、もう2本買えば済む・・・と思ったのですが、よぉく見ると、私の持っているものとやや種類が違うことが判明。私のはMK2の前のタイプもののようです。スピーカーのケーブルは右と左、同じ種類で同じ長さにするのが鉄則。しかもバイワイヤリングということは、4本同じものにしなければなりません(多分・・・)。すると、私の現在持っているものと混在はできません。今回、新たに4本まとめて買わなければならないことに気づきます。

そして、前は「半端もの」で安く買っていたのでホントの値段を知らなかったのですが、値札を見てびっくりです。1mが1800円!「ギョエェっ」という意味不明な叫び声をあげながらも、財布を見ると、どうにか、1万円札1枚と千円札1枚が入っていました。全財産をつぎ込んで買ってしまいました。1.5mを4本。つまり、6m。痛い出費です。それにしてもケーブルって、こんなに値段がするんだぁ・・・。(泣)

さて、そして、ケーブルを取り替えてみます。実はこのケーブル、めっちゃ太いのです。したがって、アンプやスピーカーによってはケーブルが太すぎて端子に入らない場合があるので、要注意です。私の組み合わせの場合はぎりぎりセーフです。

で、再び「亡き王女のパヴァーヌ」をかけてみます。

おお、これだぁ・・・・!この音でした。ものすごい違いを実感できます。音全体がとても締まって、上品になりました。低音から高音まできれいに出ているのですが、落ち着いた、まとまりのある音になっています。以前楽しんだ、あの、ホールの中での響きのような音が復活です。感激しました。

やっぱり、ケーブルの違い。歴然です。これだから、オーディオっておもしろいですねぇ・・・。でも、財政的には蟻地獄じゃぁ・・・・。もう、オーディオはこれにて打ち止めっ!!

これ以上は決して望まないことにしましょう。そうでないと身の破滅を招きそうです。そうでないと他の趣味(無線などなど)もギブアップせざるを得なくなってしまいます。(-.-;)


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