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015 DRM、再び
〜ICAS DRM 455−12KHzコンバーター〜

2008年4月12日
 

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AR7030Plusの上にちょこんと載ったアイキャスのコンバーター、DRM 455−12。
 

 

【DRMが身近に】

 短波放送でありながらデジタル方式で素晴らしい音質で放送を楽しむことのできるDRM。

 アジア地域ではまだまだ受信できる局数は少ないものの、着実に増えています。以前から熱心だったラジオ・ニュージーランド・インターナショナルだけでなく、ロシアの声、DW、ラジオクエートもアジア地域で良好に受信できるようになっています。

 ところが、以前このコーナーで紹介したAR7030の音声出力からドリームソフトに読み込ませる方法では限界を感じ、なにか良い方法はないかと思っていましたら、師匠である Kaunas 氏から耳寄りな話を聞きます。

 ICAS(アイキャス)という日本の会社が安価なラジオを売り出したそうなのです。そのラジオは中国製ながら、455KHz信号を出力することができるとのこと。さっそくそこでラジオを買った師匠によるとその会社、対応もとても良いそうです。さらに、ラジオ以外に、AR7030Plusなど455KHz出力を持った受信機に接続し、パソコンの音声入力へ12KHzを送り込むというコンバーターを安価に発売していることも教えてもらいます。このコンバーターがあれば、今までの音声出力からの方法と比べ、より確実にパソコンでDRMを復調できるというわけです。

 コンバーター?それはいい!飛びつきました。

 すぐに購入。そして持っているAR7030Plusに接続。ラジオ・ニュージーランド・インターナショナルに周波数を合わせます。パソコンのドリームを立ち上げて・・・。

 残念、復調できません。

 事前に師匠からは接続ケーブルに気をつけるようにいわれています。つまり附属のケーブルはノイズを拾いやすく、それが原因で復調できないことがあるというのです。そこで、KAY2は事前に秋葉原でノイズを拾いにくい同軸ケーブルと金属製のDINコネクターを買い、接続ケーブルを作っています。ですから、これが原因とは考えにくい。再度師匠に相談してみましたが、原因はよくわかりません。

 何度かトライしてみた後、単純な事に気付きます。

 こちらに越してからまだいちども従来の音声出力からのDRM受信をしていませんでした。そもそも、この新しい環境での受信状況が良くないからではないでしょうか。何を隠そう、引っ越しの後処理が完全には終わっていないため、アンテナもまだワイヤーを外に垂らしただけ。

 そこで、従来の方法で受信してみると・・・。やっぱり、ゲイン不足でだめなようです。

 というわけで、とりあえず、それから数週間の間はDRM受信は封印。


【アンテナ設置】

 そろそろ段ボールも片づき、落ち着いた頃、長い冬も終わり、外も暖かくなりました。そんなある土曜日、外にアンテナを建てます。長年愛用してきたMTA−GMDSS2。新居にも持ってきたのです。同軸をつなぎ、さっそくDRMを聞こう!

 ダイヤルを回し、パソコンのドリームソフトを立ち上げると・・・。

 ♪「どこどこどん どどっど どんどん」

 腹に響く太鼓の音がパソコンの音声出力につないだHiFiスピーカーから流れ出ます。RADIO NEW ZEALAND INTERNATIONAL の看板番組「DATELINE PACIFIC」のニュース項目の間に流れる短いブリッジ音楽です。ああ、こんなに音が良かったんだ!長年アナログ波で同じ太鼓を聞いていた耳にはとても新鮮に響きます。

 そして、何の苦もなくまるでNHKーFMを聞く感覚でニュージーランドからの放送が楽しめるのです。

 いやぁ、これは良いです。いままでの音声出力の方法ではゲインが相当高くないと復調は無理でした。しかし、この方法では遙かに敷居は低いようです。15dbを越えたあたりでちゃんと復調しているようです。したがって、今までと比べて音のとぎれも少ないようです。

 ニュージーランドの場合、同時に別の周波数では従来通りアナログの送信をしています。

 そこで同じ番組をアナログとデジタルで録音してみました。クリックして聞き比べてみてください。

 アナログ(2008年3月に録音。15720KHz)

 デジタル・DRM(2008年3月に録音。17675KHz)

 どうです?こんなに違うんです。同じ短波放送とは思えない!!これはもう、本当にはまってしまいます。

 その後、DW(ドイチェ・ヴェレ)がステレオでの送信をしているのを知り、そちらも受信してみます。日によっては受信の難しい日もありましたが、一旦入ってしまうと、ステレオ音声で音楽が聴けるのは本当に夢のようで、ほとんど恍惚とした表情で聞いてしまいます。

 4月の新スケジュールでDWは午後2時からドイツ語の放送となりましたが、こちら、非常に強力に受信できますので、DRMの受信の最初のトライには良いかもしれません。

 DWのサンプル音声です(2008年4月に録音。17525KHz)

 同じDW。(2008年4月に録音。17525KHz) こちらのサウンドクリップはステレオならでは。ぜひ、ヘッドフォンで聴いてみてください。

 でも人間の欲ってスゴイですねぇ。これに慣れるといつも聞いているニュージーランドがモノラル放送なので、なんとなく物足りなくなってしまいます。

 ただ、一つ大きなデメリットがあります。それはアナログとは違い、シグナルが弱くなると、無音になるということです。アナログでは波のように音が小さくなり、それでもどうにか聞けていた内容が、全くとぎれてしまうのです。こればかりはデジタルの特性で仕方ないのですが、ちょっといらいらしてしまいます。ためしに Voice of Russia の録音をきいてみてください。こんな風にとぎれます。

 Voice of Russia (2008年4月に録音。17535KHz)


 【いよいよDRMの専用ラジオが

 さらに仕事仲間から耳寄りな話を聞きました。上記、DRMの受信はいずれもパソコンとソフトが必要でした。つまり、外で手軽にDRM受信というのはできなかったのです。で、ラジオ単体でDRM受信というのは、専用のラジオがもちろん必要ですが、海外では数種類発売されていますが、日本では販売されていません。そんな中でも「HIMALAYA2009」というラジオはステレオ受信ができ、また、感度なども良いということで、個人輸入された師匠は「良いよぉ!」と絶賛していました。この機種、2008年版のWRTHではさんざんな酷評をあびていますが、師匠によると「あれは何となく意図的なものを感じる。DRM放送に好意的でないアメリカの戦略では?」とのこと。実際の使用感はとてもいいのだそうです。

 ただ、それを輸入するにはドイツのサイトで購入しなければなりません。ドイツ語がわからないKAY2は二の足を踏んでいたのですが・・・。

 そんなある日、仕事仲間が教えてくれました。「日本の輸入代行の会社が輸入を始めましたよ!」

 値段は4万円強だそうでです。サイトはこちら

 うーーーん、強く心が動くのですが・・・KAY1の視線をごまかせるか・・・・いやぁ、無理だなぁ。それにボーナスも引っ越しの後処理で飛んでいきそうだし・・・。

 この記事をご覧の皆さん、ぜひ購入して感想を聞かせてください。その感想だけで買った気分になり、自分を慰めますから・・・。(-_-;)


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