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016 BCLで意外と健闘するアマチュア無線用アンテナ
〜コメット HA−750BL〜

2008年10月3日
 
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全長2.4mです。風によくしなります。
 

 

 BCL(海外放送受信)用アンテナを一時的に変えました・・・。

 我が家の短波用アンテナは長年にわたりRF−SYSTEMS社のMTA−GDMSS2というパッシブアンテナでした。ノイズの多い我が家の環境で実用になるアンテナということで、アクティブアンテナは不可。このアンテナ、受信できる周波数が高い方は18MHと制限されますが、評判通りパッシブらしい静かなアンテナでとても重宝していました。

 ところで昨年引っ越しをし、新環境でKAY2のもう一つの趣味であるアマチュア無線機用のアンテナを変える必要が出てきました。それまで使っていたV・UHFとHF無線用のアンテナのうち、HF用は釣り竿にワイヤーをからませ、それをアンテナチューナーで調整するというものでした。使わないときにはベランダの陰にしまっておけて、とても便利だったのですが、新居の環境には合わず、使えなくなっていました。

 新たにHF無線用のアンテナを立てなければなりません。が、我が家は集合住宅。目立つアンテナを張るわけにもいかず、結果、一番目立たないモービル用のアンテナを取り付けることにしたのですが、モービル用アンテナ、いろいろ出ているんですねぇ・・・。ただ、アースのいらない「ノンラジアル」となると数本にしぼられます。さらに目立たないとなると・・・。コメットのHA−750BLというアンテナに白羽の矢が立ちます。で、このアンテナの評判を聞いてみると、無調整でいろんなバンドに出ることができるので便利な反面、送信に関しては効率が悪く、飛ばないという評価です。一方、意外とBCLの受信アンテナとしては悪くないという声が・・・聞こえてきます。

 しかし、今現在、すでにV・UHF無線用とBCL用のアンテナが2本、にょきっとベランダから生えて皆さんの注目を集めている状況はあまりよくありませんが、それに更に1本増えると、これはさすがに・・・というわけで、新しいアンテナを取り付けるにあたり、何かを減らさなければならなくなりました。そこで、いままで一番目立っていた(白くて太いものですから)BCL専用のMTA−GDMSS2を取り外し、新たに立てる無線用アンテナをBCL受信との兼用とすることになりました。

 このアンテナ、もう一つ魅力があります。実はモービル使用を考慮して、車庫入れなどの際にじゃまにならないように根本の部分で折り曲げることが出来るのです。で、その状態にしても、雨が給電部に入る心配はなし(メーカーに確認済み)。ただ、360度くるくるまわっちゃいますので、固定が必要ですが。ということは使わない時には折り曲げておけば目立ちません。

 で、アンテナをいつも買っているインターネットでの無線ショップの老舗「CQオーム」さんに注文。なんとお金を振り込んで23時間で我が家にアンテナは到着です。「CQオーム」さんはいつもとってもスピーディーです。

 とりつけてみました。結構長く、根本の給電部が太くて大きいのですが、確かに今までよりは目立たないかもしれません。

 で、結果・・・。

 アマチュア無線としては噂どおり残念ながらあまり効率の良いアンテナとは言えないようです。とにかく飛びません。21MHz、100WでSSBの運用ですが、アジア方面ではかろうじてコンタクトできますが、それでも、RSリポートの交換すら厳しい状況です。7MHzに至っては国内でCQを出している局にいくら声をかけても取ってもらえないという状況。はっきり言って、これは非実用的!と思える結果でした。とほほ。ま、そうは言ってもこのアンテナ、アースを必要とせず(ノンラジアル)調整せずともいくつもの周波数帯でSWRが1.5以下で電波が出せるという大きな魅力があるのですが。でも、電波が飛ばなければあまり意味はなかったことになりますねぇ。分かってはいたんですが・・・。

 が、BCLとなると話は違ってきます。嬉しいことに。

 短波帯は広範囲にわったって結構ゲインがあります。ノイズもそれほど拾わず全体に静かな印象を持ちますが、入感する局はしっかりと拾います。2MHz帯のオーストラリアのABC(英語)などは3局ともしっかり受信できます。いわゆるNTサービスというやつで、Alice Springs (2310kHz)、Tennant Creek (2325kHz)、Katherine (2485kHz)です。これらの局を自宅で聞くというのは20年ぶりくらいじゃないでしょうか。いままではかすりもしませんでした。なんだか、良く聞いていた青春時代にフラッシュバックしちゃいます。

 さらに船舶気象通報、いわゆる灯台局(1670.5kHz AM または 1669.0kHz USB)を試してみたら、「こちらは、わかみや、わかみや、わかみや・・・」いきなり九州の若宮灯台がはっきりと入感。驚きました。出力はたったの50Wです。

 中波に降りてみると、これも結構はいるのです。GMDSS−2では夜間でも入感する局は限られましたから大喜びです。久しぶりにロシアの MAYAK (549kHz&576kHz) を聞くこともできました。30分ごとにISである「モスクワ郊外の夕べ」、現代風のアレンジとともに昔ながらの懐かしいオルゴールのものも1回流れるんですねぇ!もう涙がちょちょぎ出そうです。

 昼間はさすがに中波の受信局数は減ります。通常我が家ではNHK第1&第2、AFN、TBS、ニッポン放送、文化放送、ラジオ日本(もとラジオ関東)が入り、それ以外に、ラジオを窓から外に出すとかろうじて山梨放送あたりが入ります。ところが、このアンテナ、やっぱり凄い。無線機につないでみると、さらに栃木放送、茨城放送が入ります。さらに、AORのAR3030で受信すると、静岡放送(熱海局)まで入ります。昼間でこれだけ入れば嬉しいですねぇ!

 そして・・・夜になって「無理だろうなぁ」と思いつつも長波にトライ・・・279kHzでロシア語が・・・。まさかのベラルーシでした。(と、喜んだら早合点。サハリン局のようでした(笑))。もう絶句です。長波なんて30年ぶり???

 最後に、これは意外でしたが、折り曲げた状態でも、結構電波は入ってきます。Sが1〜2下がる程度です。便利!!

 というわけでアマチュア無線用のモービルホイップ、侮りがたしです。アマチュア無線としての利用は課題を残しましたが、当面、BCL用にこのアンテナを使っていこうと思います。


【追記】
 その後、BCLとして便利に使っているのですが、一つだけ、弱い部分を見つけました。11MHz帯の受信感度が他バンドに比べてやや劣ります。最初はなんとなくそう感じていたのですが、掲示板にnoixさんが情報を寄せてくださいました。「ラヂオ三昧・受信機道楽」さんのサイトでそれを実証されているというお話しで、実際に読んでみると、見事にそうでした。というわけでBCL用に購入される方はその点にご注意ください。





こういう風に給電部の上で折り曲げることができます。ただし、簡単に360度lくるくる回りますから何かしら固定する必要があります。
 


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