HOME > モノ・インプレッション・トップ > 021 シンプルで素敵なイヤホン(ヘッドホン) ~ A8 B&O(バング&オルフセン) 

021 シンプルで素敵なイヤホン(ヘッドホン) A8 
Bang&Olufsen(バング&オルフセン)

2009年12月30日
  追記:2013年 2月23日

このサイトはフレーム対応となっています。
フレーム機能つきのブラウザでご覧の方はこちらをクリックしてください
そうでない方はこのままご覧下さい。



以前にも書いたことがあるのですが、KAY2の学生時代の師匠は音の専門家でした。そして彼の元で勉強する我々にヘッドホンは欠かせませんでした。その彼が口をすっぱくして言っていたのは「体に直接触れるものはお金を出していい物を使え。これは贅沢ではない。君たちの体を守るためだ。ヘッドホンはまさにそう。安い物は耳を、鼓膜を痛める!」

確かに我々は朝から晩まで始終ヘッドホンをつけていなければならなかったわけで、この言葉は心に響きました。

さて、そこで、皆さんは携帯音楽プレーヤーにどんなヘッドホン(or イヤホン)をお使いですか?

外に音が漏れない密閉式や、電車や飛行機で不快な音をカットしてしまうノイズキャンセラーのついたもの、あるいはシンプルにプレーヤー付属の物など色々だと思います。

KAY2が長年愛用してきているのはこの製品。


バング&オルフセン(B&O)というデンマークの会社の出している「A8」とシンプルに呼ばれる製品です。

ちなみにKAY2が現在使っている携帯プレーヤーは iPOD classic 160GB です。

で、iPOD 付属のイヤホン、KAY2が iPOD を買い始めた頃(最初に買ったのは第3世代のものでした)は評判がさんざんでした。音質が良くないということに加え、まわりに派手に音が漏れてしまう。つまり、周囲の人たちに迷惑なイヤホンだったわけです。そして、上記、師匠の言葉を思い出せば、ハナから使うことを考えていませんでした。それが証拠にKAY2にとって初代の iPOD 君、買い換え時にはオークションで売りに出しましたが、イヤホンなど付属品は未開封。そのおかげか、古いわりには値段が高くついて売れました。(^^;)

で、その iPOD 「初」購入のときに手に入れたのがこのA8だったのです。

A8との初めての出会いはそのちょっと前です。

1年に1度の長期休暇が取れ、かつて新婚旅行でお世話になった旅館に再びお邪魔し、その帰りです。沼津からロマンスカーに乗りました。結婚記念日ということで、ちょっと贅沢してスーパーシート、2階席に。その際、通路を挟んだ隣に座っていた男性、鞄からCDプレーヤーを取り出します。そして、一緒になにやら革製の小さな袋も取り出します。何だろうと思わず見ていると、そこからちょっと不思議な形をしたイヤホンが出てきました。通常のインナーイアー・タイプのヘッドホンにめがねのツルのようなものがついているのです。「へぇ、あれで耳にかけて押さえるんだぁ。なんだか素材は金属で高級感あるぞぉ」と興味津々でした。CDは弦楽四重奏曲を取り出して聴いていました。ほぉ、クラシック好きなんだ。しかも室内楽。じゃ、音にもうるさい人だろうなぁ…。そんな人が使っているんだから、きっと音質もいいに違いない!

帰宅して、インターネットで調べてみると、その機種、出てきました。そして値段を見てのけぞります。1万数千円!

はぁ、よほどお金持ちのビジネスマンだったんだなぁ…と自分で納得して終わり。いくらいいモノを使えといってもその値段は…。

ところが、その数ヶ月後、本屋でおもしろい本を見つけます。翻訳家の石原俊さんがお書きになった「いい音が聴きたい 実用以上マニア未満のオーディオ入門」(2002年 岩波アクティブ新書 700円)です。


この本は、ほどほどの投資で良い音を聴くための工夫や考え方などが書かれ、なかなか示唆に満ちています。

その中に、筆者愛用の品としてA8が出てきたのです。

こうなるともういけません。

来る日も来る日もパソコンに向かい情報収集。

やっぱりファンがいるんです。この製品。ただ、輸入品で、しかも、それほど多く出回っている商品ではないので入手ルートが限られます。ですから値引きもそれほど期待できない。現在は17000円以上の定価がついていますが、その時は結局、大手電気店で14000円ほどで手に入れました。

手に持ってまずその軽さに驚きましたが(わずか8g)、さっそく iPOD につないで聴いてみました。

その印象は…上記の本16ページから17ページに端的に書かれていることに120%同意なのですが、KAY2的に表現すれば…

昔から好きだった例えばSONY系のつややかで派手な音とはほど遠い、穏やかな、地味な音作りです。しかし、聴いていると実に自然に音楽が耳に入ります。

つまり、個々の音を際立たせるのでなく、全体の響きを重視して、とてもまとまった感じに聞こえるのです。これはちょっと今までにない体験です。日本のオーディオメーカーの音作りとは根本的に何かが異なっているような印象です。

日本のメーカーのものが油絵ならば、このA8は水彩画です。

しかも、長時間聞き続けていて全然疲れないんです。肉体的にも脳的にも。つまり音があまりに自然で優しく響くので「聴き疲れ」しないのです。さらに、独特のデザイン、耳のツルのおかげもあり、ちょとやそっと首を動かしても全然外れることがありませんし。散歩の時はえらく重宝します。あ、KAY2は耳の穴の形が特殊なのか、通常の耳に入れるイヤホン、つけていて数分で外れて落ちることが多いんです。この機種だとその心配がありません。

で、地味な音作りと書きましたが、やがてあることに気づきます。耳のツル、やや強めに耳に当ててみます。つまり、イヤーパッドがしっかりと耳に密着するようにしてみるのです。すると、ものすごい低音の響きにびっくり!いや、これは本当。低音も高音も実に良く鳴っているんです。地味な印象と異なり、実際は相当にレンジの広い音が出ていることに気づかされました。それを自然に感じさせ声高な自己主張をしない…。なんと贅沢な。

さらにオープンエア・タイプなので適度に外の音も聞こえてきます。そのくせ、音楽は外に漏れにくいようです。ありがたい!

もう一つ、デザインは最初の印象通り、「かっこ良い」です。上記の本に「見た目の好ましい機器は、音を聴いても好ましく感じられる可能性が高い。」(13~14ページ)という法則が出てきますが、まさにこの機種もそうでした(もう一つは以前、ここにちょっとだけ書いた Victor JVC の超ミニコンポ FS-1 にもこれが当てはまりました)。

というわけで、このイヤホン、手放せなくなってしまったのです。購入してもう6年もたちます。その間に iPOD は入れ替わっちゃいました。が、たぶん、もしも将来、このイヤホンが壊れても、おそらくKAY2は同じモノを買うのに違いありません。そのくらいぞっこんです。

そうそう、現在は iPHONE 対応でしょうか、マイク内蔵、リモコン付きの EARSET3 という製品も出ています。それと、今回この記事を書き終えた後、改めていろいろとネットで見てみましたが、愛用者の方のブログ記事、多いんですねぇ!びっくりです。これほど多くの人に熱烈に愛されている製品だとは!


この組み合わせ、KAY2にとって最高の音楽環境です。

追記:(2013年 2月23日)
一つご注意を。最近、人気故か値段がどんどん上がり、ついに国内では2万円を越える値段で販売されるようになりました。そこで並行輸入を…と考える方も多いと思いますが、なんと最近は「偽物」が多く出回っているようです。並行輸入の場合、しっかりと信頼のおける業者さんにお願いした方が良いようです。ぜひこちらのブログ記事を参考になさってみてください。ながやまやがなさんのブログです。http://blog.livedoor.jp/diskngym/archives/51045975.html

一番確実なのは正規の代理店経由ですが、どうしても安くという方は、米国のアマゾンなどで正規購入し、転送業者さん経由で送ってもらうのが良いかもしれません。





次ページ

TOPへ

KAYSトップ

inserted by FC2 system