HOME > モノ・インプレッション・トップ > 041 閉所恐怖症でも大丈夫なMRI~日立メディコ Iris 2 Comfort

041 閉所恐怖症でも大丈夫なMRI
日立メディコ Iris 2 Comfort

2012年 5月28日

このサイトはフレーム対応となっています。
フレーム機能つきのブラウザでご覧の方はこちらをクリックしてください
そうでない方はこのままご覧下さい。



このように頭を入れる部分がトンネルではなく円盤で、
左右が開いているのがオープン型MRI。
閉所恐怖症のKAY2にとって福音。



【はじめに】

医療技術の進歩って本当にすごいことだと思います。数年前、首の病気の関係でMRIの検査を受けた話をしました(こちらの記事です)。

ものすごい音と、閉所に閉じこめられた感覚でかなり苦しみながら受けたことも。そう、KAY2、飛行機に乗ることができないので、高所恐怖症は自覚していましたが、閉所恐怖もあったことがその時わかったんです。

その後、MRIには閉所感の少ないオープンタイプと呼ばれるMRIが登場してきたことを知りました。ま、首の病気の問題も解決したので、自分にはMRIは当分縁がないと思っていたのですが…。

実は、また受けることになっちゃったんです。それも自主的に…。


【経緯】

KAYSのブログを読んでくださっている方はご存じのように、KAY2は酒好きです。いや、大変な酒好きで、あるお医者さんによると「今まで摂取したアルコール総量を計算するとね、もう一生分飲んでいますから、そろそろ考えた方がいいですよ。人間って飲める量は一定ですから。」と何年も前に言われていました。

ただ、どういうわけか、体は元気、毎年の健康診断でも特に問題はないので、本人はいたって楽観的でした。

ところが最近、酔った上での失態が続きます。冷蔵庫の扉が締まりきってなく、少し開いたまま眠っていたとか、水道の水が完全に止まらず、チロチロと出ているのに寝ていたとか…。

KAY1が心配してお医者さんに相談したら、「やっぱりね。それだけ飲んでいれば、もしかして脳が萎縮しているかもよ」。

まぁ、「脅し」ということもあったとは思いましたが、「人間ドック好き」であるKAY2、以前からMRIの閉所恐怖さえなければ脳ドックを受けてみたいという思いもありました。ただ、現在何も問題がない方の脳ドック受診については賛否両論あるようで、万が一、動脈瘤が見つかった場合、将来的に実際に破裂することがなくても、その事実自体で、恐怖感とショックを受けてしまう方もいらっしゃるようです。ですから精神的に見て「どうかな…」という場合もあるようです。また、悪質なケースでは大したことない異常であっても、大げさに説明し、必要のない手術をすすめるというクリニックもあるとか…。

ただ、酒が飲めるか飲めないか!その事実一つだけが重要だという「けしからん」受診者であるKAY2、噂の開放型MRIを探して受けてみることにしました。そして、もしも異常が見つかればお酒とは永遠に決別しようと心に決めて…。

ただし、こうしたドック、現在なにも体に問題がないという場合には、健康保険適用ではないので、費用が3~5万円くらいかかります。当初はこの値段で「とんでもない!」となっていたのですが、今回は事情が事情だけにKAY1も家計からの支出にOKしてくれました。もちろん、激しい頭痛がするなどということで、お医者様からMRI受診を…となれば、保険適応で数千円での受診が可能です。

【クリニックを探す】

医療に詳しいKAY1にいろいろと聞いてもいいのですが、そこはまずネットから。「脳ドック オープンMRI」という検索ですぐにクリニックいくつも見つかります。その中から都内の病院を比較した後、目黒区にあるUクリニックを選びます。便利なことにそうしたドックの仲介ポータルサイトがあるんですねぇ。そこを介しての申し込み。すぐに返事が来て2週間後に受けることとなりました。電話で説明を聞きましたが、通常の人間ドックと違い、前日、あるいは当日の朝、特に気をつけること、しておくことは何もないそうです。食事も通常通り。20分前にクリニックへ行って、問診票を書くだけ。そーいえば、前回のMRI受診でもそうでした。楽です。

前日に、一応、路線情報で乗る電車、そして駅からの道のりを調べておきます。余談ですが、このクリニック、実は住宅街にあるので、駅からの道のりがわかりにくそうなんです。そんなとき、グーグルのストリート・ビューはホントに役立ちます(これも賛否両論ありますが)。分かれ道とか曲がり角をストリートビューで確認すると、ホントに実際に歩いているように錯覚します。翌日実際に歩くと気分はデジャブ。初めての場所なのに勝手知ったる我が街の感覚。これはいいですねぇ…。

そして、今日が最後の酒になるかもしれないと、しんみりしつつホッピーを喉に流し込んで就寝。

【実際に脳ドックを受ける】

以下、時系列で。

9:10
クリニックに到着。受付で問診票などを書き込み、書類を検査場所の窓口に出し、呼ばれるまで待ちます。


そう、右側、「磁場発生中」とあります。MRIならではの表示。

9:40
予約時間ぴったりに名前を呼ばれ、まず、靴を脱ぎ、体から腕時計など金属類を全部とってロッカーに。着衣はそのままでOKでした。
そして重い金属製の扉の部屋に入ります。検査技師さんは若い男性。
問診票に「閉所恐怖あり」と書いておいたため、技師さんが「閉所はどの程度ダメですか?」と聞かれるので前回の検診の様子を話しておきました。「途中でやめることもできますから…」と言ってくださいます。そうはいっても4万円が無駄になるのは…と、とことん「ケチ」なKAY2は筋違いのことを考えています。

「じゃ、さっそく横になってください。」

部屋いっぱいにMRI。写真で見た印象と違い、やっぱりかなり大きな装置で、威圧感があります。ちょっと、後悔しかけます。が、頭の部分、左右が広く空いているのを見て「ホっ」。うん、これなら大丈夫そうだな。

まぁるい測定装置の中央に「Comfort Iris 2」と書かれています。あとで調べましたが、日立メディックという会社のオープンMRIのようです。

「何分くらいかかりますか」

「30分くらいはみておいてくださいね」

というやりとりの後、まず、首から5分程度撮影するそうです。その後、頭部を20数分かけて、ということで始まりました。

体を載せた台がゆっくりとMRIの中に吸い込まれます。

頭は固定されていますが、左右から視界に明かりが入ってきますし部屋も少しだけ見えます。期待した通り、恐怖感がありません。うん、本当にこれは大丈夫っぽいです。よかったよかった!そしてMRI特有のリズミカルな巨大音響がロックコンサートよろしく鳴り響きます。この音も「耐えられない!」という方が多いですが、KAY2の印象として数年前受けたときからは相当小さくなっています。もしかしてこれもオープン型の利点でしょうか。音がこもる筒ではなく、左右が開いているせいかもしれませんね。

首の検査が終わり、一旦、体が外に出て、首から上全体にカバーを装着。こちらもスケルトンの骨組みだけのカバーなので圧迫感はなく、大丈夫のようです。

そして、ここからは長丁場。

「動かないでくださいね」と言われますが、ま、たとえば、途中で唇がちょっと動くとか、つばを飲み込むとか、そんなレベルなら大丈夫かな…それに、なにか問題あればきっと技師さんが途中で言うだろうし…と、中年になってすっかりと大胆になったKAY2は、気楽な気持ちでそのまま検査続行です。

しかし、20分以上というのは長い!途中でやや首の位置が心地良くなかったかな…などと思い始めます。最初、一番いい位置を時間をかけても探しておくべきだったと反省。やや首筋がひきつりながら、ようやく終了でした。そう、閉所の恐怖はまったくありませんでしたが、楽な姿勢(首の角度)を最初に探せ!というのが次回への課題かもしれません。

それにしても、MRIの音って、ウルサイけれど面白いですねぇ。まるで現代音楽です。リズムがあるので、それをそのまま頂いて、「MRIノイズによる変奏曲 ニ短調 op.63」なんてのを作る作曲家さんがいてもいいと思うんですけれど…。どなたか作っていただけませんか?

10:20
MRIの台から立ちあがり、技師さんに感想を話し、別部屋へ。身長と体重をはかり、その後、ベッドに横たわり、体の四箇所に血圧計の例の体を締め付けるバンドのようなモノをつけられて、動脈硬化の検査。ABI&PWV検査と呼ぶようです。4つも高級血圧計をつけられての検査というわけで「贅沢贅沢!」と優雅な気持ちになったとたん、締め付けに「いたたたた…」。でも、看護師さんとてもいい方です。

「オープンMRIっていいですねぇ。恐怖感が全然なかったですよ」と話すと、
「院長がとてもこだわって導入したんです。これでなきゃ!って。こんな街の小さな病院で不思議でしょ?」

そういえば、受付には不快感の少ないことで知られる「鼻から入れる内視鏡(これも以前こちらの記事に書きましたね)」も導入されたと書かれていましたし、このクリニックでは定期的に寄席をやって患者さんに喜んでもらっているそうですから、院長さん、いかに患者さんが苦痛なく医療を受けられるかに腐心していらっしゃる、「志」のある方なのかもしれません。いいとこで受けたな…と思いはじめます。ちなみにその院長さん、整形外科がご専門で、腰椎椎間板ヘルニアの新しい治療(こちらも患者さんの苦痛が少ない方法)を導入していらっしゃることが看板のようです。

10:30
土曜日の検査に限り、当日検査結果の説明を受けることができます。他の曜日であれば、結果はやはり土曜日の説明なので、2回の来院となるわけですね。

さて、検査結果の説明を受けるまで、しばらく廊下で待機します。長いすが並べられた廊下、結構混雑しています。このクリニックはドック専門でないため、通常の診療の「合間」にドックの結果説明があるようなのです。というわけで、しばらく待ちます。

11:00
予定していたよりも時間がかかるかなぁ…と思いながらKAY1に事情をメールしようとした矢先、声がかかります。「KAY2さん、どうぞ」

部屋に入るとやや神経質そうなドクター、ひたすらディスプレイを見つめています。開口一番、「なにか問題はあるの?」とぶっきらぼうに尋ねられます。

「いえ」

沈黙。

なんか、気まずい沈黙です。この先生、ちょっと怖いな。それに、一度もこちらと目を合わせないゾ(ま、昨今、みんなそうなんですけど)。何もないなら、こんな検査を受けるな!と怒られたらどうしよう…なんて不安に思い始めた瞬間、突然怒濤のように説明が始まりました。そっか、この説明のための「助走」の沈黙だったんですね。


実に鮮やかな撮影画面。さらにマウスで映像を立体的に動かせますも。

で、説明はかなり丁寧にしてくださいます。怖い先生じゃなかったんだ。ホッ。

というわけで、先生がしてくださった結果を手短に言えば、脳に関して問題なし!萎縮も見られない。アルツハイマーの兆候もなし。

よかった。これでまた酒が飲める…(KAY1談「ばかもーん!もう止めんかい!!」)

さらに言えば、数年前に頸椎椎間板ヘルニアを患って、現在もリハビリを受けているのですが、それも、画像を見た上で、「進行は止まっていますね。リハビリの効果でしょう。首を無理にそらしたり、無理な姿勢を続けなければ大丈夫です。」ということで、リハビリを担当してくださっているHさん、ありがとう!

で、改めてディスプレイに表示されているMRI画像を見ますが、実に綺麗に撮影できています。何と言っても自分の目玉が綺麗にぎょろぎょろと出ているのがユニークですし、血管も立体的に見える。すごいなぁ…とその映像にノックアウト。それに、先生の説明を聞くと、花粉症までわかっちゃう。あまりにびっくりしたので先生にお願いして写真をとらせてもらいました。快くOKです。

「というわけでKAY2さん、今後検査を受けるのでしたら何年かに1回で十分ですよ」

良心的なクリニックですね。下手なところだと、「ま、今後も引き続き受けて下さいね」となって、収入確保の一言を加えるでしょうに。

11:10
受付に戻るとすぐに支払い。高額の検査だったのでクレジットカードが使えるのが助かります。というわけで、病院での滞在時間はほぼ2時間ほどでした。

KAY1に報告。

「よかったね。私も受けようかな…私の会社は脳ドックの補助があるから全額戻ってくるんだ」

いいなぁ、そんな会社もあるんですね。皆さんも、ご自分の勤務先でそうした補助があるかどうか、確かめてみては如何ですか?

あれほど酒を止めようかと心配したのに、この後、生ビールで祝宴となったのは言うまでもありません。(爆)






次ページ

TOPへ

KAYSトップ




inserted by FC2 system