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059 Bluetoothスピーカーを比較
SONY SRS-X33 vs BOSE SoundLink Mini 2
2016年 2月 23日


以前ブログで取り上げたPhilipsの小型スピーカー。旅先に持っていくのに便利です。昨年秋、大阪旅行に連れて行き、音楽やラジコの音をホテルの部屋で流していました。が、1週間の滞在となると、さすがに物足りなさが出てきます。もう少しサイズが大きくてもいいから、低音があるといいなぁ…。KAYSが愛してやまないイギリスの「Classic FM」を部屋で聞きながら思っていました。

そこで、新しい小型のBluetoothスピーカー導入を検討。

その結果、2機種に絞られました。多くの人が実際に悩む選択肢です。

1.Bose SoundLink Mini 2

BOSE
サウンドリンクミニ2は先代のややノスタルジックな
欧米的なデザインを踏襲

2.Sony SRS-X33

SONY
デザイン的にはきわめて普通だけれど4色から選べる点が魅力。
買った直後でまだ黄色の紙を剥がしていません。

大きさや重さはほぼ互角。どちらもBluetooth接続に加えAUX接続もできます。USB充電で、バッテリーの持ちも数時間。さらに、低音が自慢と共通項だらけ。いや、BOSEの人気にSONYが対抗馬を打ち出したという感じかもしれません。唯一大きな違いは実売価格がBOSEが税込みで27,000円ほどするのに対して、SONYは14,000円程度。そう、半額なんです。

BOSEのダイレクトショップやヨドバシなどで試聴を重ねたのですが、どちらも魅力的です。値段だけを考えればSONYが圧勝なのですが。

印象として、BOSEは低音が自然に出ているようですが、中~高音域にやや独特の癖が有ります。SONYは低音にややクセがあり、中音から高音が素直に伸びて、昔からのSONYらしい音です。

いろんな音楽のジャンルを聞き比べてみたい!そう思うのですが、両方のスピーカーをお店で並べて…なんてことは不可能。

そこで、あるひらめきが…。

BOSEって、確か自宅で試聴できるよね…。

そうなんです。BOSEは直接オンラインで購入した場合、30日間はお試し期間として、試聴できます。その結果気に入らなければ、料金着払いで送れば、返金してもらえます。なんと太っ腹な。

SONYはさすがにそういうワケにはいきませんが、人気の機種ゆえ、万が一気に入らなくて、オークションに出したとしても、新品同様であれば12,000円程度の落札価格がつきますから(2016年1月現在)、2000円程度の出費ですみます。それで1ヶ月両方を試聴して比べることが出来るというのは、悪くありません。

ということで、昨年末から20日ほど聞き比べてみました。

その結果やいかに?


【外見と機能】

BOSEは個性的な顔立ちです。表と後ろ、同じデザインなので、とまどうことのないように表にBOSEのロゴが入っています。この顔立ち、KAY1は「好き」と言っています。一方でSONYは黒を選んだ場合、実にシンプルで素っ気ない。飽きの来ないデザインではあります。

機能は前述のようにほぼ互角。

そうなると、後は音質の好み、つまり音作りです。


【音楽ジャンル、楽器別】

BOSE
2台並べ、同じ音源から音を出して比較

2台を横に並べ、同じ音源を比較してみることにしました。幸い、我が家ではNASを導入しており、あらゆるCDを無線LANで呼びだして聞くことができます。2台のiPadを使い、それぞれにスピーカーをつなぎ、同じ音源を聞く。そのやり方で試してみることにしたんです。

まずはバイオリン独奏から。前橋汀子のバッハ。無伴奏パルティータ。
SONY:特に高音部の伸びが大きく感じられます。距離感が比較的近い。ホールというよりは、ステージの楽器のすぐそばで聞いているような質感があります。
BOSE:逆に、ホールの中ほどや後ろで聞いているようなふわっと丸い音。
結論:KAYS的にはどちらも好ましい。

続いてピアノ独奏。内田光子のモーツアルト。ピアノソナタ第1番、K.331。
SONY:打鍵の音が、弱音では丸く、強音では堅く感じられます。
BOSE:打鍵の音が均等にやわらかく感じられます
結論:KAYS的にはBOSEが好き。

今度はオーケストラ。華々しいサウンドが響くガーシュインの「パリのアメリカ人」。演奏もカラフルなデュトワ指揮のモントリオール交響楽団。
SONY:オーケストラのサウンドがカラフル。低音も良く鳴り、高音域の伸びも。ただ、バイオリンソロが「か細く」感じたりするデメリットもあります。一方、グロッケン・シュピールの音のキラキラ感は圧倒的。
BOSE:全体にフィルターをかけたような音質、特に弦楽部と木管楽器群にそれを感じます。たとえて言えば、FM放送的なSONYに対してBOSEはAM放送的。決して悪いわけではなく、長時間聞いても耳が疲れない音。
結論:KAYS的にはSONYが好き。

次はジャズに行ってみましょう。王道のピアノトリオから。小曽根真トリオで「Dear Oscar」。
SONY:硬質な音がやや立っている印象。ハイハットなどの音がやや耳につきます。それと、バスドラがややひずみがちなのは、置き方を工夫必要がありそうです。
BOSE:さすが!ジャズの国から来たスピーカー。全体のバランスだけでなく、ベースやバスドラは圧倒的にSONYよりも再現力が高いのです。うーん、これ、いいっす。
結論:KAYS的にはBOSEの圧勝。

続いてビッグバンドに。「SING SING SING」 マンハッタン・ジャズ・オーケストラです。
SONY:とにかく音が前に出る印象です。特にトランペットが文字通り「ブラス」という金属質な音で鳴りまくります。一方でベースの音がややボコボコとしてしまうのが残念。これもスピーカーの置き場を変えて解決する必要があります。
BOSE:音の上品さが印象的です。音はきちんと鳴っているのだけれど、自己主張が強くなく、耳につかないんです。特にドラムソロは圧倒的にBOSEが自然!
結論:KAYS的にはBOSEの圧勝。

クラシックの定番、オーケストラに戻ります。古典派で、ベートーヴェンの交響曲5番、ジンマンとトーンハレ管弦楽団の演奏。
SONY:トーンハレは独特の響きのホール。その残響を非常に豊かに聞かせてくれるんです。そして弦楽器の弓のこすれるような音のリアリティ。オーボエの甘い音色、ホルンの流麗さ。いいですねぇ。
BOSE:全体のまとまりは良いのですが、インパクトに欠けます。そして、弦楽器群には独特のマスク、フィルターがかかったような音色が少し不自然。
結論:KAYS的にはSONYの圧勝。

KAYSにとってバイブル的な存在、カーペンターズの「Sometime」。
SONY:ピアノがキラキラと輝きすぎなのが少し気になります。一方でカレンの声は実に透明感あふれ、すばらしい!
BOSE ピアノのキラキラ感は押さえられていますが、カレンの声、やや渋めで、彼女独特の透明感が薄れるのが残念。
結論:KAYS的にはSONYが好き。

カレン・カーペンターとは異なる暖色系の声質、HAYLEYで、「白い色は恋人の色」。
SONY:本来温かい声質の彼女ですが、このスピーカーだとクールさが際だつんですね。
BOSE:彼女の声がややくぐもった感じになり、それが彼女の声質にはマッチ。ただ、ベースがややブーミー。
結論:KAYS的にはSONYが好き。

今度は安らぎ系の続きで、ハープソロに。安楽真理子で「つむじかぜ」。
SONY:ハープの表情は色々あるけれど、高域のきらびやかさは圧倒的。
BOSE:こちらは中域の暖色系のふくらみが魅力的。
結論:どちらも良い!

ちょいと音楽から離れましょう。落語。三遊亭円楽「目黒のさんま」。
SONY:まるでFM放送で中継を聞いているかのように円楽さんの張りのある声がさらに艶やかに。
BOSE:まるでAM放送で聞いているかのよう。お囃子と拍手の高音が耳に優しく聞こえてくる点がいいですね。
結論:KAYS的にはSONY。

さて、ここで時代を少しさかのぼって古い歌謡曲に。ゆきさおりの「手紙」。
SONY:バックのオケは日本人が歌謡曲に求めるメリハリのある音で良いです。
BOSE:ゆきさんの声は世界中で好まれるその安らぎを与える声質が非常に有名です。それを体感するのはBOSE。
結論:どちらも良い!

今度は洋楽です。これも懐かしい、マドンナの「Papa Don't Preach」。
SONY:ここでも声が前に出てくるのが特徴ですね。
BOSE:冒頭のストリングスのシンセ。耳につかずいい感じです。ただ、ボーカルはやや引き気味に聞こえますね。
結論:KAYS的にはSONY。

演歌行ってみましょう!美空ひばりの「悲しい酒」。
SONY:最初のギターのリアリティが非常に印象的。が、ひばりさんお声はやや化粧を塗りすぎた感じ。途中で彼女のモノローグに入ると、いわゆる「さ行」がたつというのか、際だってしまう。
BOSE:最初のギターがややおもっちゃぽく聞こえるものの、ひばりさんの声は、何も加えず、ピュアに彼女の声の本質が生きているように聞こえる。
結論:KAYS的にはBOSEが好き。

再び音楽を離れてトークに。らじるらじるで「NHKラジオ第一放送」。
これは三遊亭円楽さんの時と一緒の印象。
SONY:FMラジオ的な音声。男性の声でのニュースは高い音と低い音がBOSEよりも伸びているようです。
BOSE:AMラジオ的な音声。いわゆる聞き疲れしない音です。
結論:KAYS的にはどちらも良い!

続いて、管楽器に。シャロン・ベザリーの吹くウジェーヌ・ボザ作曲「無伴奏フルートのための映像」。
SONY:フルートの艶やかな音質を表現するのが得意ですねぇ。また、息の音のリアリティもSONYならでは。
BOSE:フルートってKAY2自身も吹くのでわかるのですが、ともすればとげとげしくなる息モレ的な音が出ます。でも、それを目立たせない音づくりです。でも、一方で独特の色彩感覚にやや欠けるのが残念。
結論:KAYS的には圧倒的にSONY。

ではコンチェルトを。まずモーツアルトの「クラリネット協奏曲」をザビネ・マイヤーの演奏で。
SONY:録音の相性もあるのでしょうが、それほど音が硬質でなく、全体的に丸まった音。
BOSE:全体にくぐもった音。元々、このスピーカーは弦楽合奏で、その傾向が強く出るけれど、この録音ではそれに加えてクラリネットの音色もフィルターがかかったようで聞きにくいですね。
結論:KAYS的には圧倒的にSONY。

コンチェルトをもう1曲。今度はモーツァルトの「オーボエ協奏曲」。ミシェル・ピゲのオーボエにホグウッドとエンシェント管弦楽団。
SONY:全般に細やかな音の再現が上手ですね。オーボエの音もリアルです。
BOSE:ああ、やっぱり全体にくぐもった音。オーボエの音域もダメですねぇ。
結論:KAYS的には圧倒的にSONY。

ソロにもどりましょう。今度はハープシコードで。曽根麻矢子でバッハの「ゴルトベルク変奏曲」から「アリア」。
SONY:きらびやかで、リアルな音なんだけど、やや耳につくんですね。
BOSE:落ち着いた音で、芯があり、長時間聞きたくなる音。
結論:KAYS的には圧倒的にBOSEが好き!

豊かな音域と言えばパイプオルガン。バッハの「小フーガト短調」。デジタルの初期、クヌード・ヴァッドの演奏です。
SONY:うん、再生レンジが広い分、パイプオルガンは有利ですね。
BOSE:こちらも結構いけますねぇ。
結論:KAYS的には両者互角。

そして、最後にラフマニノフの「ピアノ協奏曲3番~1楽章」。ピアノソロはティボーデ、オケはアシュケナージの指揮するクリーブランド管弦楽団。
SONY:ピアノの音がバランス良く聞こえます。さらに冒頭のティンパニなどの音がより際だって聞こえてきます。
BOSE:ピアノとチェロの音が特に再現力が素晴らしいですねぇ。でも、やっぱり弦楽器群の音が、こもっちゃうなぁ…。聞き疲れしないのはいいけれど。
結論:KAYS的にはSONYが好き。


【まとめ】

というわけで、色々と見てきました。簡単にまとめれば、

SONY:クラシック、特にオーケストラ向き。派手な音が得意。得意な楽器はバイオリン、木管楽器、金管楽器、打楽器、ボーカル。苦手な音はあまりないようです。人の声もリッチに聞こえます。

BOSE:ジャズを聴くならこちら。柔らかい音が出ます。得意な楽器はチェロ、ピアノ、金管楽器、ダブルベース。苦手な楽器は弦楽合奏(ソロは大丈夫)と木管楽器。人の声は期待したのとはちょっと違い、すこし淡泊でした。とにかく聞き疲れのしないスピーカーで、BGMには最適でしょう。

それぞれに良さ、個性があり、両方欲しい!となるのですが、懐具合を考えるとそうはいきません。

KAYSとしてはオーケストラ作品を聞くことが多いので、結果としてSONYに軍配が上がりました。しかも値段もBOSEの半分なので助かります。

以上、迷われている皆さんはぜひ参考にしてみてください。ちなみに、BOSEは電話をするとすぐに返品手続きに入ってくれました。評判通りで、素晴らしいサービスだと思います。スピーカーは特に実際に聞く場所に設置して聞かないと、真価がわからないものですから。ま、多分、その分が値段に反映されているようなものだと思います。

ところで、こうした小さいスピーカー、その小ささ故に手軽に部屋のあちらこちらに置いて音の聞こえ方を試してみることができます。その結果、その置き場所による音の違いのあまりの大きさに驚きました。自宅に遊びに来てくれた友人も、スピーカーを実際に動かしてみたときに、その音の違いに目を丸くして驚いてくれていましたから、KAYSの思い込みではないようです。

現在は部屋の角、出窓のコーナー部分に置いていますが、これがベストです。より豊かな低音域を楽しむことが出来ました。皆さんも、このタイプのスピーカーをお持ちなら、ぜひ試してみて下さい。

BOSE
部屋の四隅のコーナーはいい音が出ます



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