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呑んべえふくろうケイの

大陸横断鉄道でカナダを走る!(1)


はじめに・・・

1995年8月17日より21日(本来は20日で終わるはずだったが)まで、カナ ダの大陸横断鉄道「カナディアン号」でバンクーバーからトロントまでの旅を経験しました。噂に聞いていたものの凄い人気で、5月に当時住んでいたモントリオールのVIAカウンターで申し込みをすると、希望する日が満席とのことで、スケジュール変更を余儀なくされたほどです。本数も週に3本だけですから、乗りたい!と思ったらできるだけ早く予定をたてる必 要があります。

ただ、多くのお客さん(特に日本人)がロッキー見物のため途中のジャスパーで降り てしまいますから、ジャスパーからトロントまでの区間で買い求めると、結構予約が取りやすいかもしれません。座席の「コーチクラス」か個室寝台の「シルバー&ブルー・クラス」かを選びますが、個室寝台は1人、2人、3人用と選べるようになっています。僕の予約した一人用個室は料金が1136カナダドル。それに税金が79ドル52セントつきました。

日本円にして7万円弱のこの値段が高いか安いかは人により判断が違うと思いますが、僕は「もしかしたら安いのかも?」と感じました。それは、同じ区間の飛行機の正規料金とほぼ同じであること(格安航空券だと2万円ですが)。1日3食(夜はコースのディナー)、料理がすべてこの料金に含まれていること。そして、何よりも、72時間カナダの大自然を眺めての旅がこの値段というのは・・・・。お得ではないでしょうか。

以下、乗車記はすべて妻にあてたEメールからの抜粋です。


大陸横断鉄道の旅 1日目

今、このメールを大陸横断鉄道「カナディアン号」の中で書いています。なんと個室には電源コンセントがあったのだ!大感謝。

夕方、腹ごしらえしてから、バンクーバー名物「スカイトレイン」でメインステーションへ。ダウンタウンからちょっとはずれたところにある駅は結構目だつ建物です。石造りのいかにも歴史を感じさせる建物です。中にはグレイラインなどのバスカウンターとVIAのカウンターの両方が並んでいます。駅の中央に掲示してある鉄道の時刻表はとってもシンプルで、1日に発車する列車はわずか5本程度のようです。うち1本(1週間に3本だけど)がカナディアン号。あと、アメリカ行きのアムトラックも入っています。

これがカナディアン号だ!

カナディアン号への乗車は寝台車クラスが1時間前。座席クラスは30分前です。座席クラスの長い行列を見ながらゆうゆうと改札を抜けて目指す223号車、個室3番に向かいます。意外と日本人は少ないようで、LOOKの団体さんが20名。ほか、個人旅行が10人程度といったところのようです。


目指す個室にたどり着くと、すぐに車掌さんが挨拶にきます。若い兄ちゃんです。

「ようこそ。名前はアーヴィン。よろしくね。設備の説明はあとでします。とりあえず、シャンパンの無料サービスがありますから、一番後ろの車両に行って下さい」とのこと。さっそく荷物を置いて行ってみます。

ただ、一人の部屋には外からかける鍵がありません。ちょっと不安ながら荷物を棚にのせて、入り口のドアのカーテンをしめて出てきます。(あとになって最近盗難もあるとの話を聞いた。2人用個室では鍵がかかるようになっているのを見たけれど、どうなっているのだろう?聞いておけばよかった……)
一番後ろの車両は昔の寝台列車の典型的なスタイルの流線型で(日本の20系のモデルかな?)、パノラマ・ラウンジとなっています。屋根の上に突き出した展望台は20席ちょっとあり、もうすでにほとんどが埋まっていました。それでも、僕の座る余裕はあります。
隣の家族連れと挨拶します。ワシントンDCから来ていてロッキーを見に行くということで、明日の昼、ジャスパーで降りるそうです。僕はトロント乗り換えでモントリオールまでというとびっくりしていましたが・・・。


8時01分。ゆっくりと列車はだだっぴろい駅の構内からすべり出します。とっても静かでゆっくりとしたスタートです。シャンパンをもらいながら、小雨の降っているバンクーバーを眺めながら列車は30キロくらいのゆっくりとしたスピードで進みます。遠くに虹が見えます。

30分ほどで、だんだん暗くなりかけたこともあり、部屋に戻ります。ラウンジはお年寄りでいっぱいでした。どうも、列車の旅は圧倒的に老夫婦が多いようです。みんな社交家ですぐに挨拶して打ち解けています。いつのまにか、昔からおばあちゃん受けする僕も何人かと笑顔を交わすようになりました。ラウンジでは24時間、コーヒーと紅茶は無料で飲み放題です。


さてさて、ここで個室の設備についてちょっと説明を。

広さは日本の寝台車の個室とあまりかわりありません。若干大きめかなという気はしますが。座席に向うかたちでトイレ、入り口横に洗面台がついています。そして大きな鏡が壁一面についています。窓は大きく、照明も、天井と洗面台、それに窓ぎわの3カ所にそれぞれ蛍光灯がついています。洗面台は飲み水と手洗い用の水が別々に出ます。下に、トイレットペーパーとクリネックスが置いてあります。トイレの便器は上に簡易座席が乗せられており、ちょっと見は便器という感じがわからないようになっています。

便座は普通のものよりは少し小さめで、座ってみるとちょっと落ちつかない感じ。 荷物を置く棚はそれほど大きくないので二つカバンを置いたら一杯です。実際、規定 で車内持ち込み荷物は2つまで。それを越えたり、大きな荷物は駅の入り口で預ける仕組みになっています。
座席は日本人なら二人で並んで座れるくらいの広さがあります。禁煙だと思うけれど、とりあえず灰皿もついています。

洗面台の上には石鹸とプラスチックのコップが2つ置かれています。そして、缶に入ったキャンディ。紙コップも柱にかかっています。
座席横には皮製の雑誌入れのようなものがかけてあり、中にはホテルと同じような設備の説明、それから、時刻表、そして、道筋をていねいに説明したカラフルな本が置いてあります。これは持ち帰ってもいいようです。旅の暇つぶしにはもってこいのアイディアで感心します。それに、不慣れな土地の旅、今、どこを走っているのかななかわからないもんね。この本を見ると、地図、写真に、マイルポストの数字まで書かれているので、沿線のマイルポストを見かけたら、自分がいまどのあたりを走っているのかがわかるようになっています。



扉のすぐ横の柱にコンセントが2つついています。形は日本のと同じ。電圧は120ボルトです。そして、その上に扇風機のスイッチ、電灯のスイッチ、車掌さんを呼ぶスイッチ、そしてエアコン調整のスイッチがついています。
  壁にはめ込まれたベッドをおろすのはアテンダントがやってくれます。もちろん分 でやっても結構。乗り込んだときにはシーツ、毛布とも新しいものがついていて、ベッドを自分でおろせば即、眠ることができます。日本の寝台と違ってふかふかしていて気持ちいいことこの上なし!それにベッドも進行方向にそって眠ることになり、揺れるたびに体が動くという、日本でいつも乗っている「出雲号」のようなことはありません。


  さて、車窓はすでに山の中を入ったようで、面白い景色は見えません。しかも夜。川 沿いにずっと走っているようで、くねくねと進む列車の前のほうが遥か彼方に見えます。

長ぁぁい列車なんです。ほとんど20両近くつないでいるんじゃないかな。

川を挟んだ向かい側は道路で、ヘッドライトのビームを上げたトラックが平行して走っているのが見えます。なんだか、故郷に帰るときに伯備線あたりを夜行列車で走っている雰囲気に似ています(一時期、余部橋梁の事故の後、よく使っていた寝台特急「出雲号」が伯備線経由になったことがあったねぇ。あのときの景色にそっくりなんだなぁ)。夜の景色はどこも一緒だなぁと妙に感心してしまいます。

さて、各車両にシャワーが1カ所あります。部屋のなかにはシャワーセットとして、 カナディアン号のドーム・カーが描かれたビニールの袋にバスタオル2枚、小タオル1枚、そして石鹸とシャンプー、それにシャワーキャップが入っています。ホント、至れり尽くせり。そして、シャワーもあびるのは自由で、お湯もボタン一押し2分間、何度押してもいいのです。カナダじゅう、どこにいても感じる資源としての水の豊かさをここでも感じてしまいました。設備はとても綺麗で、体を洗うのに十分な広さがあります。体をかがめても大丈夫。こういう余裕がうれしいね。

シャワーでさっぱりしたら、眠気が襲ってきました。

22:00 (現地時間)
Aug. 17, 1995




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