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PART 8 トロント 2日目


6月23日(金曜日) 天気 晴れ

8時起床。枕元には、カナダのホテルのお決まり、ラジオ付きデジタル時計が置いてあり、セットしたCBCの Radio 1 で目が覚めます。日本では昨今あまり見なくなったラジオ付きデジタル時計ですがこちらカナダではすっかり定番で現役。電気屋さんの店先でも、一番目立つところに置いてあります。需要の高さが伺われます。ホテルでも、日本のように、ラジオや時計、照明一体となったボックスがあるのでなく、単にベッドサイドのデスクに、このラジオの組み合わせが圧倒的に多いのです。ここ、高級とうたわれる Crown Plaza も例外ではありませんでした。カナダではラジオは大きな影響力を持つメディアです。

今日は、買い物日。というと、ブティック巡りなんていう平均的日本人とは我々の行動はなぜか大幅に違い、スーパー巡りなのです。目指すモノは、ワイングラス型の使い捨てブラスチック・コップ。そして、ビールを冷やす缶型クーラー。どちらも日本で手に入らないものばかりです。数年前まではこれに、ステーキ用ペッパーソースが加わっていたのですが、こちらは、KAY2の料理法の向上で不必要になりました。


モントリオールで生活していたころよくお世話になったCDショップ。ここにもありました。

とはいえ、女心はそう簡単にわりきれません。KAY1はどうしても、高級デパート、Holt Renfrew に行きたいようです。地下鉄を Bloor 駅で降りて、まず Bloor 通りに出ます。昔モントリオールにいた頃、何度も味わったクッキー屋、Felix & Norton がここにもあります。日本ではほとんど見かけない、濃厚なミルクのウェットタイプのクッキーを久しぶりに味わって、日本に持って帰りたい気持ちにおそわれますが、日持ちを考え断念。賞味期限がきわめて短いのです。


これがそのクッキー屋さん。Monsieur Felix & Mr. Norton。バイリンガル国家らいし名前の配慮です。

バンクーバーと同じく、気温は20度くらいで、風が吹くと涼しいのですが、直射日光に当たると、とたんに汗をかきそうな位に暑くなります。この時期の旅行には必ず夏用の格好に上着が必要と実感します。

さて、デパート Holt Renfrew は入り口にドアマン風のオジサンが立っていて愛想を振りまいています。ただ、ドアは常に解放されていますから、本来のドアを開く仕事はなく、にこにこと話かけて、もしも客が聞きたいことがあれば、それに答えるというのが彼の役割のようです。顔見知りの客が来ると、結構話し込んでいます。

内部はとても、明るくて活気に満ちています。高級デパートというけれど、Bay のような格式はそれほど感じず、それに、品物のそろえ方も、日本とは違い、雑然とした感じがします。よく言えばカジュアル。それでも、景気のせいか、客の入りは結構あり、にぎわっています。不況が伝えられるバンクーバーのベイで感じたような寂しさはここにはありません。

靴屋で、KAY1は1足買い求めます。こちらでは店員さんが、一人最初につくと、その店員さんが責任をもって対応してくれます。言い方を変えれば、店員が一人で何人かの客を同時に接客している場合、自分の番が待ってくるまで待たなければなりません。他の店員に声をかけても、待つように言われるだけです。このあたり、日本とはシステムが違い、戸惑うポイントですね。

さて、再び外に出て、今度は、骨董品店がたちならぶ、Yorkville 通りに出て散歩します。かつてのヒッピーのたむろした通りは、いまや美しくエレガントな通りと変貌を遂げています。花を大事にするカナダ人らしく、通りのあちらこちらに、ろんな花が咲いています。

イートンセンターは中心のイートンデパートが営業をしていないものの、周辺の店はすべて通常通りの営業です。朝食兼昼食をとります。カナダでは大きなショッピングセンターではかならずフードコートという、屋台の集合体のような場所があり、(屋台といっても、近代的なカウンターの店ですが)食事の内容も、イタリアン、中華、和風、中近東など、実にバラエティに富んでいます。しかも、相場がだいたい5ドル前後で食事できるわけで、これはありがたいシステムです。今回、KAY1はインドネシア風料理、KAY2はチキンフライで昼食となりました。


イートンセンター内部です。

ここは、とにかく馬鹿でかいショッピングモールです。店の前を通るだけでも、全体を歩くと30分くらいはかかってしまいます。目指す買い物は Shoppers' Mart とか言う、大型ドラッグストアで、とりあえず、ビール冷やしと、おみやげ用のチョコレート、キャンディを買います。レジで、キャンディに「6ドル」と張られたシールを見て「そんなアホな。そんな値段が付くわけないでしょ!」店員さんが叫び、シールをはがして入力。うーん、物価高の中で生活している日本人はそれでも、おかしいと思わず、買っちゃうんですよねぇ・・・。おばさんが正直に叫んでくれなければ、気づかないところでした。

目指すワイングラスはこの店にはなく、仕方なく、ショッピングモールで他の店を探すのですが、見あたりません。このテのものは、まず、間違いなく、先ほどのようなドラッグストアにあるはずなのですがモールにドラッグストアはこの1軒だけのようです。

外に出て、Young の通りを南に下ってみます。全く同じチェーン店を見つけ、入ると、今度はありました。20個1セットで1ドル99セント。ちょっと説明しますと、これはプラスチック製のワイングラスで、もちろんディスポ。小ぶりで使いやすく、しかも、日本で同じような製品を購入すると、1個300円もし、とても使い捨てにはできないものになります。しかも、デザインは日本製とくらべてシンプルで、カナダにいる頃は愛用していました。日本でも、我が家は春から秋にかけて、ワインを持ってピクニックに行くことが多いので、これはどうしても手に入れたかったのです。4セット買い求め、これで、しばらく、日本でのピクニックは安泰です。


これが我々の「ささやか」な戦利品。手前がディスポのワイングラス。向こうがビール缶クーラー。

ホテルに戻り一休み。昨日は、入り口にチョコレートが置かれていたけれど、今日はなんと、ミルクチョコでできた楓型のボックスが!その中はまたまたチョコレート。凄いサービスですよね、これは。この部屋本来のサービスなのかな?それとも、トラブルへの謝罪?

新聞を読んでいると、National Post 誌にカナダの空港の記事が出ています。世界の空港の採点をある団体が実施したのだそうですが、その結果、上位5位に、バンクーバーとカルガリーが入っていたとのこと。どちらも、最近、大改装を行ったばかりだそうです。その成果が出たというのですが、一方、トロント空港とモントリオールの空港はレートが低かったようです。トロントについては無計画に拡張したせいで、使い勝手が悪いとの評価。モントリオールに至っては2つの国際空港が離れて存在し、その間で乗り継ぎをしなければならない場合は絶望的な不便さとのこと。我が成田が何位になっているか興味深いところですが、記事にはそこまでは書かれていませんでした。

もう一つ。Globe & Mail 紙の記事に「トロントは偉大な都市になれるのか?」という記事が掲載されていました。カナダ一の大都市に成長したトロントですが、文化的にはモントリオールに劣等感を感じているのだそうです。清潔で機能的な都市ですが、都市としての風格に欠けるというのがトロントの自己評価だそうです。うんうん。実際、僕から見てもモントリオールの猥雑な都市としての魅力からすると、トロントは実に物足りません。22時過ぎには多くの店が閉まってしまうし、たとえば、僕が無類のビール好きだから言う訳じゃありませんが、ここでは酒類は専門店に行かないと買えません。モントリオールではそこかしこの店でいつでも、缶ビールやワインを買っていたので、このトロントが同じ国とはちょっと思えないくらいの違いです。でも、この記事には同じようなことが書いてあって、カナダ人も同じように感じていることがわかり、ちょっとホッとしました。

再び外に出ます。ホテル内の通路を通り、ドームの横を通ります。今日は地元、ブルージェーズの試合とあって、ダフ屋がいたりして、凄いにぎわい。それを横目に、ハーバーのあたりまで出て散歩してみます。一転して静かでのんびりした空気がハーバーを包んでいます。ヨットが並んでいますが、ちょうど仕事を終えて、家族で乗り込んでいるのでしょう、上半身裸のオジサンが、一生懸命、出航の準備をしています。これから、湖に出て、夕景を見ながら食事をするかな。22時ごろまで明るいのだから、これから4時間はたっぷりと、家族で湖上の団らんを楽しめるはず。我彼の違いをここでも感じつつ、歩を進めます


仕事が終わってからこうしてヨットで出航!優雅な生活です。

5年前に行って、感激した King 通りのビアホールに行こうと、510系統の路面電車に乗り込みます。すっかり乗り方を忘れ、トークンを入れて乗り込んだのはいいものの、肝心の降りるときに、電車が止まったら、足をステップに置かないとドアが開かないというルールをすっかりと忘れ、運転手のおばちゃんに注意されてしまいます。そうでした。やっぱり記憶は薄れているものですねぇ。ここでも感じてしまいます。

5年の月日が大きいことをまたもや、目指すレストラン、Amsterdam Beer にたどり着いて実感です。中は改装されて、大きなレストランだったのが小さなパブに様変わりしていました。もともと、ビール工場に併設されたレストランだったのだけれど、工場部分が広くなり、その分、レストランスペースが減り、パブとしての営業がメインになっているという事のようです。当然、料理メニューは数品のみ。計画を変更し、ここでは一杯飲むだけにして、他を当たることにします。頼んだ、小麦ビールはホワイトではなく、暗い色。味わいはなかなかに淡泊でした。


トロント市民の足、路面電車です。

King の通りを Roy Thomson Hallに向かって歩いていると、レストラン街にたどり着きます。このあたりにはイタリアン、フレンチ、日本料理とレストランが続いています。そのうちの一軒、フランス料理の Le Saint Tropez に目を留めます。メニューを見てもなかなかに良さそう。よし、今日はここでトロント最後の夜を豪華に決めよう。

おお、ソムリエはフレンチカナディアンだ!この訛のある英語。これは期待できるか!と胸を高鳴らせます。

二人とも前菜はムール貝の白ワイン蒸し、そしてKAY1はメインに牛のステーキ5種類のペッパーソース添え。KAY2は、豚のオレンジソース添え。ワインはクローズエルミタージュの1998年。Le Brunnelles のもの。店の中ではライブ演奏もあり、なかなかにぎわっています。周りのお客さん達は7時半前後から、食事を終える人が多いようです。よく見ると手にはあの、僕らが手に入れることのできなかった、人気ミュージカル、マンマミーヤのチケットが・・・。そうか、みんな観劇の前にここで食事をしているんですねぇ。ここからは、ミュージカルの劇場も、ロイトムソンホールも徒歩3分圏内。うらやましいかぎりです。

さて、料理が来ましたが、これがまぁ、ものすごい分量!フレンチも所変われば品変わると言っていいのか、とにかく、前菜とメイン、食べきれる量ではありません。たとえば、僕の頼んだ豚のオレンジソースにしても、厚い豚のロース肉が2枚。その下に、蒸したジャガイモが4個!いやぁ、ふうふう言いながらやっと食べ終えると、「デザートは何にします?」とソムリエ氏。聞かれると食べたくなるのがこれまた人体の不思議。KAY1はしっかりとデザートを頼みKAY2は、カナダご自慢のアイスワイン。

バーで酒を飲んでそれからレストランでフレンチのコースという、本格的な夕食をトロント最後の夜に楽しんだのであります・・・・・。


料理の素敵なレストラン、Le Saint Tropez!

ホテルに帰ってからの記憶はほとんどなしで、バタン&キュー状態でした。


こんなゴージャスな夜景だったのに眠くて眠くて・・・。zzz。





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