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PART1 成田〜バンクーバー

6月17日土曜日

午前9時起床。海外旅行で、こんなにゆっくりと起床するのは初めてのことじゃないでしょうか?今までは4時起き、6時起きがほとんどでした。でも今回は出発が午後3時以降で、しかも、パッキングは前夜済んでいるときています。鉄道旅行が主目的ということもあり、荷物は少なめなのも幸いです。普通の鞄2つに、万が一、たとえば、飛行機で預けた荷物が届かないなどという事態も想定し、必要な物は全部手持ちの小さな鞄に入れて、着替類で3日目以降のものなどをスーツケースにいれておきます。変圧器までも、一応、念のため手持ちの鞄に入れます。なにせ、前科2犯のバゲッジ・クレイマーですから・・・。これが、なんと後々大当たりになるとはこの時は知るよしもありません・・・。


成田エクスプレスは東京駅から満員状態です。もやの中を疾走します。空はどんよりと梅雨の曇り空ですが、ありがたいのは、昨日まで3日間降り続いた雨がやんだこと。旅立ちの日が雨っていうのはやっぱりげんなりしちゃいますよね。

到着は久しぶりに第1ターミナルです。ノースウェストのカウンターは1列並びのせいか、かなりな行列ができています。気分が悪くなる子供もいて、改めて子供連れの旅は大変だろうなぁと同情です。それにしても、方々に立っているセキュリティの係員は英語ができないようで、「車椅子を使いたいけどうすればいいの?」と英語で尋ねている客に、口をへの字にまげて首を横に振るばかり。これは、ちょっと悲しいですねぇ。すごく冷たい対応に見えちゃいます。でも、きっと係りの人、英語がわからないだけだよねぇ・・・。見かねた横のお客さんが通訳をはじめました。係りの人、氷解したようで、きびきびと動いたのだけれど・・・。

さて、チェックインも終わり、おなかが空いた!第1ターミナルはリニューアルの成果か、とても綺麗になり、また、食事の場所も増えています。しばらく日本食が食べられないとあって、二人とも、そば系に走ってしまうところが日本人・・・。

そして、目指す搭乗口へ。なぜか45番ゲートはシャトルバスの案内が・・・。しかも本数が1時間に1本の時間も。???と思いながらバス乗り場に向かいます。こりゃ、やばいところでした。バスで運ばれるって、どこまで行くの????などと、頭の中は出発前から疑問符でいっぱいになりましたが・・・。なんのことはなく、歩いていける距離の同じ建物のゲートまで、なぜかバスも出ているということのようでした。焦る必要はぜんぜんなかったんですねぇ・・・。

で、ゲートに行ってまたびっくり。こちらもすごい混雑です。中にはデトロイト行きに関してはオーバーブッキングも出ている旨、アナウンスも!そして、また、乗客の肌の色も言葉も様々。日本人の割合は少なく、やや日本離れした雰囲気になっています。中でも中国系、韓国系の人々が多いようです。

搭乗予定時刻通りにボーイング747に乗り込みます。久しぶりのノースウェストですが、乗り込むと、まず目に飛び込むのが、厨房で元気よく飯をかっくらうアテンダントさん達の姿。まったく乗客を気にするそぶりもありまえせん。そして、中でも、中年のビア樽のような元気のいいおばちゃんアテンダントさん(シンディさんというそうだ)のしゃべりに圧倒されます。ひっきりなく誰彼となく乗客に話しかけ、そのたびにはじけたような笑いが起きています。我々が座ったのは、中寄りやや後方の非常口の3列後ろでしたが、非常口横に座った3人の男性は、格好の餌食です。離着陸で彼女が目の前に座るのですが、黙っちゃいません。機関銃のようにジョークを話す彼女に、果敢にも中年のビジネスマン風、ナカムラさんとおっしゃる方が、見事に応酬していました。

デトロイトや東海岸と違い、わずか7時間40分の旅です。時差ぼけ防止のために「北米往路はひたすら寝ろ!」の教えを忠実に守り、KAY1は、夕食後、爆睡状態に。KAY2は眠れず。なお、夕食はKAY1はビーフのショウガ焼きにご飯がついたものを。KAY2はチキンにトマトソースのついたもので、どちらも小瓶の赤ワインをもらいます。味は・・・やっぱりノースウェストの伝統、「マズイ!」でした。

さて、夜が明けて、朝食はなんと「焼きそば」。眼下に、雪をいただいた山並みと、その手前に広がる大きな町が見えます。いよいよ到着?と思うのですが機は着陸態勢にあらず。もしかしたら、バンクーバーだったのかもしれません。ドームが見えたのは確かなのだすが。いずれにしても、雄大な山々とそれをバックにした大きな街とのコントラストが鮮やかです。そして天気もよさそう。これは、楽しみです。

定刻よりもずっと早く、現地時間7時40分、747はシアトル・タコマ空港に着陸しました。皆、それぞれに、身支度をして、鞄を持ち、立ち上がり、ドアが開くのを待つが・・・・。ドアが・・・・。開きません。やがて、アナウンスが・・・。「ジェットウェイの機械的故障で、ドアを開けられません」とのアナウンス。さすが細かいトラブル数ナンバーワンのノースです。「きっと、故障じゃなくて、早くつきすぎて、人がだぁれもいないだけなんじゃないの?」などと5年前のカナダ旅行の時にアメリカの入国審査でいやな思いをして以来、筋金入りの嫌米派となったKAY1はつぶやきます。待てど暮らせどドアは開かず。3度のアナウンスもおなじことを繰り返すのみ。それでも、誰一人として騒がず、あきれず、待っている姿は、日本のトゲトゲした雰囲気に慣れている我々にとっては、なかなか旅モードらしくて、それはそれなりに楽しめるものでした。

20−30分たち、やっとのことで、ドアが開き、入国管理へ。なんと日本人通訳が2人いて、入国管理官の直前で、書類をチェックする体制になっています。いかに日本人が多いかということなんですねぇ。

やがて、我々の番になり、二人で、白人の管理官の元へ、二人のパスポートをチェックする。「どこへ行くの」「目的は?」と尋ねられた後、いきなり、赤い大きなカード(レッドカード)を渡されて、奥の部屋に行くようにと告げられます。おやまぁ・・・。なんとKAY2にとっては2度目の経験。モントリオール以来の入国留保となっちゃいました。

二人で、奥の部屋に行くと、すでに先客が1人。しばらく座って待つようにと告げられます。待つこと20分。その間日本系と中国系の通訳がやってきてくれますが、KAY2がどうにか英語が話せるとわかって安心して去っていきます。やがて、僕らの書類を見ながらパソコンに向かっていた女性係官が声をかけます。

彼女の説明によると、こうでした。問題はKAY2にあり。前回、5年前にアメリカに入国した記録があるものの、出国した記録がないのだそうです。前回の時のパスポートがあれば、確認がとれるということでしたが、持っていません。ま、普通古いパスポートを一緒に持って旅行しませんよね。オヨヨ・・・という感じです。とりあえず、前回の滞在の詳細を話します。確かに言われてみると、前回出国したときは、モントリオールから国内便でアメリカに行き、そこで1ヶ月近く滞在してので、本来アメリカ出国の時に出すべき青い出国カードを出していなかった可能性があります。うーーーん、参った・・・。言ってみれば僕は5年前にアメリカに入国し、その後行方不明となっているようです。不法滞在者扱いになっているわけだそうです。彼女によると、今後もアメリカ入国では同様の扱いをうけるかもしれないので、古いパスポートがあれば、それを持参するようにとのこと。そうして、今回は、無罪放免となった。

いやぁ・・・・。KAY1はなかなか興味深そうに一部始終を見守っています。KAY1よ、海外でのトラブルはこういう風に対処するのだぞ、と教訓を与えられてよかったかなぁと思っていると、彼女の一言。「よかった、KAY2がいると便利だなぁ・・・。私がトラぶってもこれなら大丈夫ね。」ううううん、何か違うぞ、KAY1!

次のアラスカ航空との共同運行便、バンクーバー行きは11時30分。入国に時間がかかったもののそれまで、2時間近くあります。そこで、ゆっくりと、ターミナルを地下鉄(!!)で移動してみます。


アラスカエアとホライズンエアの二つが入っているCコンコースに出て、外を見ると、青い空をバックに、強烈なインディアンのオジさんの絵が描かれた機体がいくつも目に飛び込んできて圧倒されます。しかし、遠くに見える雪をかぶった山々のなんと美しいことか。そして、空の青さ。すきとぉった空気で、日本の薄汚れた空とは全く違い、すがすがしい。

やがて、C2Fのゲートから、小さなプロペラ機、DASHー8に乗り込みます。わずか、19人乗りの小型機。女性のアテンダントが一人なのだけれど、これがまた、先ほどの中年アテンダントと同様、よくしゃべるし、よく笑うんですねぇ・・・。わずか50分のフライト中、笑いっぱなしです。この底抜けの明るさは、まさに、古き良き時代のアメリカ人?「陽気なヤンキー」という死語のような言葉も思い出します。なぜ、いままでKAY2はアメリカでこのような人たちに会わなかったのだろうと、ふと不思議な気持ちになります。いままでのアメリカで出会った人々は一応に、なげやりで、冷たく、そして不機嫌な人ばかりでした。そんなところにKAY1だけでなくKAY2の嫌米傾向の根があるのですが。こんな風なら、まったく対米感も変わったでしょうに。

飛行機で隣になったおばあちゃんはラスベガス在住で、妹さんがカナダに住んでいるので、今回はじめてバンクーバーに行くとのことでした。空からバンクーバーが見え始めると、「大きな町ねぇ」とやたらびっくりしています。カナダの町なんて、小さいに違いないと大国アメリカの人は思っているのかなぁ。

降り立ってみると、空港は5年前とはまったく違って綺麗。どうも大改装をしたようです。そして、入国手続きも、みな優しく親切そうな対応で、これがまたアメリカと大きく違います。世界で好かれるカナダ人の面目躍如。無事、手続きを終えます。

ところが・・・・。
待てど暮らせど、荷物が出てこない・・・・。

今回の旅はトラブル続きですねぇ。こりゃ。

30分近く待ち、出てこないので、バゲッジクレームに。インド系のお姉さんがテキパキと対応してくれました。ホテルの連絡先を伝え、規定の書式に出力された書類を持ち、税関通過。待たせた友人というよりも人生の師であるSさんにやっと再会。Sさんはカナダ在住何十年という方で、前回のカナダ滞在の際にはモントリオールに住んでいらしてKAYSが公私ともにお世話になった方です。現在はバンクーバーに引っ越されています。

Sさん、モントリオールの時よりは血色よく、また、ややふっくらとされたかなぁと感じます。そして、外に出ると、車に乗った奥様が。サングラス姿の奥様は相変わらず格好良い!モントリオールの時代よりもさらに若くなった感じです。(^_^)





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