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手術8ヶ月後 2 セカンド・オピニオン
朝、近所のG眼科にオープンと同時に駆けつけました・・・。あれれ、以前来たときよりも人が少ないぞ。月曜日の朝だからかな?と思いつつ受付に行くと
「予約ですか?」
「いいえ・・・。」
「当院は先日から予約制になっているんです・・・・」
あ、そういうわけだったんですね。それで、そんなに混雑していない。幸い2時間後の予約がとれたので、一旦家に帰り、出直しです。
2時間後、G眼科に。名前を呼ばれてまず視力検査・・・。
時間をかけて右目のチェックをします。が、これが、やはりレンズで矯正しても、視力がそれほど上がりません。おまけに乱視傾向も出ているようです。
左が1.5 右は0.7と出ました。落ちてはいないどころか、逆に前回よりは上がっています。やっぱり先日日光にあたりすぎて見えなくなった気がしたのは気のせいだったんですね。
次にまずCドクターと面談です。以前にも見てもらった女優の宮本信子さん似のはきはきした女医さんです。この方を見ていると感心します。待っている間に見ていたんですが、いろんな患者さんが待っているところに出て行って「大丈夫?」などと声をかけて積極的に接しています。非常に気さく。
で、まず概要を話すと、「じゃ、まず、検査をいろいろしてみましょう」ということで、前回とは違い数種類検査を受けます。眼底の写真だけでなく、どうも、角度をつけて角膜、水晶体の写真を撮っているとおぼしき検査も。
最後に再びドクターの元へ。
前回同様、非常にわかりやすい語り口です。
「まず、理解してほしいのは、近視とか遠視によって物が見えにくいのは病気じゃない。だから眼鏡などで矯正できる。で、それ以外に病気があって見えにくい場合があります。病気だと、視力が眼鏡などでは矯正できないんです。
で、前回来たときって、レーシックの前だったんですよね。そのときは硝子体の前の方に曇りがあり、それは何が原因かはっきりとはわからないという状態で、そういう説明をしました。
今回、詳しく検査して目を見てみると、水晶体に明らかに曇りが見られます。これは白内障です。つまり、ウチで検査を受けたあと、しばらく時を経て、レーシックの手術を受けたころ偶然、白内障がはっきりと出てきたのでしょう。で、実際に視力を見てみましたが、近視傾向が出ています。そして乱視傾向も。これは白内障が原因だと見ます。裸眼で0.7。矯正で0.9。白内障は病気です。最初に言ったようにこの場合、これ以上眼鏡などでは矯正はできないです。
でもね、白内障というのは緑内障と違ってコワイ病気じゃない。手術で見えるようになる病気です。」
と、手術を受けたBクリニックのE院長先生の見立てと同じでした。やっぱりそうだったんですね。そこで、質問です。
「あの、白内障はレーシック手術とは関係ないと思っていいでしょうか。」
「その通りです。」
「それから、白内障の進行を遅らせるにはどうすればいいですか?」
「うーん、気休めだけど、目薬を処方するから入れてください。それで治るものでもないんだけれど。」
「サングラスってかけたほうがいいんでしょうか?」
「これはね、私はあまり関係ないと思うよ。だって、左目は大丈夫なんでしょ。右目も左目も同じくらい紫外線を浴びていて右目だけが白内障になった。そうすると、紫外線のせいで白内障になったとは思えないからね」
「で、手術はいつ決めれば良いんでしょう?」
「急ぐ必要はないし、多分、そんなに急速に進むってものでもないと思うのよ。だから、しばらく様子を見て、日常生活に支障を来すようになってから受けたらいいんじゃないかしら。
あと、それに関して1つ私からのアドバイス。あのね、急がない方がいいかもしれない。というのはね、ご存じのようにレーシックは日本で始まってまだ日が浅いでしょ。で、若い人が主に受けている。ということは、まだ、レーシックを受けた人で白内障になった人って日本にはあまりいないのよ。
で、白内障手術っていうのは、目の軸の長さ(眼軸長)から、経験的にどのくらいのレンズをいれるとどのくらいまで視力が回復するというデータがあるんだけれど、レーシックを受けた人は当然角膜の厚さが変わっているからそれが適応できない。
今、学会ではそういうところをどうするかって感じで論文が出てきている最中なの。しばらく待ってデータが増えてから手術した方がいいかも。」
「なぁるほど・・・僕はパイオニアってわけですね。ありがたくないけど。」
「そう。それから、これもアドバイスだけれど、白内障の手術を受ける場合はできるだけレーシックと白内障の両方を実施しているところが安心ね。」
ということでした。とても親身になりよくわかる説明をしてくださる先生で心から感謝です。
検査、待ち時間も含めて2時間ほどの病院滞在でしたが、悲しい確認作業となりました。
普通老人に多い白内障ですが、先ほども述べたように40代で起こるのは全体の1割くらいあるそうです。で、考えてみると白内障でレンズを入れることになれば・・・あ、レーシックの必要はなかったことになりますねぇ(苦笑)。だから、中年以降にレーシックを受ける場合はいろいろと考えた方がいいです。KAY2の場合、レーシックの効果は左目に関してはありましたが、右目に関しては結局あまり意味がなかったことになるわけです。
追記1:
その後、3年ほどで右目の白内障が劇的に悪化。視力で言えば0.1以下になっちゃいました。白内障はめがねで矯正できません。したがって、現在は実質的に左目だけの生活です。
白内障の原因は様々です。KAY2の場合、右目だけ。右目は中学生のとき、友達の蹴ったサッカーボールがあたり、非常につらい思いをした目です。その影響が今になって出ているのかもしれません。
で、最終的にレーシックの際、事前に適応検査をうけていたA大学病院で白内障手術をうけることになりました。その際、Aドクターから「眼軸長のデータが欲しいのですが、どこでレーシック手術をうけました?」と聞かれ「Bクリニックです」と答えたら「あ、じゃ、きっと駄目ですねぇ。あそこは眼軸長データをとらないから…」という感じで、同じ業界、色々事情をご存じでした。
A大学病院ではレーシックの適応検査とは別に、手術前の検査で必ず眼軸長データをとっているそうです。おまけにこの病院では白内障の可能性を指摘されていましたから、もしもこの病院で手術をうけることになっていれば、事前検査で白内障が確定し、眼科学会のガイドラインに従って右目の手術は中止となり左目だけの手術となっていたでしょう。
値段が高いばかりにこの病院での手術をあきらめたことに関しては「後悔」の気持ちがわきます。
結局、AドクターのおっしゃるとおりBクリニックに問い合わせると眼軸長は測っていないとのことでした。
本記事にあるように、目の軸の長さ、眼軸長は白内障の眼内レンズ度数を決定するのに必要なデータです。それがないがためにKAY2の白内障手術、結果的には度数が合わず、再度レーシックを…という展開が予想されるそうです。
これからどうなるのか…近日中に手術を受けますので、あらためて「白内障手術(多焦点レンズ)体験記」として公開する予定です。(追記:手術、無事成功し記録を公開しました!「白内障手術体験記(多焦点レンズ) レーシック後の白内障手術」)
追記2:
その後、A大学病院で白内障手術を受けました。その際の説明で、眼軸長は確かに重要なデータであるということは間違いありませんが、それ以上の問題点を聞きました。
そもそもレーシック手術を受けると、気付かないことが多いのですが、コントラストなど、目の見え方が本来よりは落ちているのだそうで、それに加え白内障手術をすると見え方がさらに悪くなるということでした。おまけに、最近流行の多焦点レンズを入れる場合は見え方だけでなく、レンズの度数合わせも相当厳しくなるようです。幸いAドクターの見事な腕前でKAY2の右目の視力は1.5にまで回復しましたが、基本的に白内障とレーシックは相性が悪いと言うことは言えるようです。
追記3:
その後、数年経ち、レーシックを受けたあとに白内障手術を受ける方の数も徐々に増えて症例が増えています。データの蓄積もかなり進んでいるでしょう。あまり待ちすぎて、白内障の進行が進みすぎないようにご注意ください。KAY2、待ちすぎて、白内障の手術時、堅くなった水晶体を取り出すのに余計に時間がかかりました。
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