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057 SONYが本気を出したヘッドホン
MDR-Z7
2015年 5月30日


外見01
結構いかつい印象ですが、かけ心地は抜群。

先日DACを買ったKAYS。それに組み合わせて使っていたヘッドフォン(ヘッドホン)、10年以上も使い慣れたSONYの名機MDR-Z600です。SONYらしいきらびやかなメリハリのある音に魅了され、買い替えることなく使ってきました。まさに愛用機。しかし、ついに製造中止となってしまいました。何度も部品購入の形で取り寄せて交換してきたイヤーパッドも、これからは交換が難しくなってきそうです。取替のできないヘッドバンドはすでにボロボロ。そうすると、ヘッドフォンの買い替えも視野に入ってきます。

そんな折に、ビッグニュースが飛び込んできました。

最近、音響製品に回帰しているという噂のSONYがヘッドフォンの新製品を出したのです。そして、これがもの凄い評判なんです。

MDR-Z7

MDRはヘッドホンを表す型番ですから、この製品は「Z7」が名前と言えます。

この短くシンプルな名前に「本気さ」を感じます。

ハイレゾの時代となり、SONYも本格参入。久々にオーディオ界の雄として生き残りをかけて本気で作ったと言われるヘッドフォン。お値段も「本気」で高いですよぉ。実売が5~6万円。

そんなの買うのは無理無理…と思うのですが、様々な方のレビューを見るとコストパフォーマンスが「非常に高い」そうなんです!

値段を考えると一瞬「?」となりますが、こういうこと。

ヘッドフォンというのは日本で評判の高いのはシュアとかAKGとか海外の製品です。そしてこうした海外製品は人気機種は10~20万円台もするんです。

ひえぇ…という感じでしょ?

実際、KAY2もヨドバシカメラなどで試聴したことがありますが、聞こえてくる音の「世界」が違います。空気の再現力というか…。ま、根本の設計思想も違うのでしょう。こうした高級オーディオの世界、日本ではあくまで「自然な音の再現性」を求めるのに対して、欧米では聞いて「心地良い音」を求めるものですから。とはいえ、音場の広さ、音の心地よさはケタ違いですから、値段の違いだけのことはあるのでしょう。もちろん、日々のローンに追われるKAY2には購入は無理。

そこで、SONYなんです。つまり、そういう欧米の10万、20万に匹敵するヘッドフォンをSONYが出しちゃった、しかも値段が1/3で…というわけで業界は大騒ぎなわけです。

ちなみに開発秘話などが紹介された公式ページはこちら
http://www.sony.jp/headphone/special/park/kiseki/index.html#stage1

これは実機を聞きたくなるでしょ?

というわけで、家電量販店のヘッドホン売り場へ…。


【お店で試聴】

外見02
大口径の振動板が入ったハウジング。

しっかりと鍵のかかった陳列棚に入ったヘッドホン。店員さんが出してくれ、持ってきたiPod Classicにつなぎ、ヴェルディの「運命の力」序曲をかけると…。

「!」

息を飲みます。

これは…、まったく音の再現力が今まで聞いてきたどんなヘッドホンとも違います。

音の充実感、そして、上品さ。それでいて、綺麗に音を低音から高音まで再現しています。うわぁ、「格」が全く違う!

じっとそばで見ていた店員さんに思わず語りかけます。「これ、凄すぎです。」

滅多なことでは買わないぞと固く誓って店に臨んだ決意ももう、一瞬にして崩壊。

よぉーくわかりました。衝撃というのが。

で、お店で購入しようと見たら…。なんと入荷待ち。あまりの人気に初期ロットが予想外に早くはけてしまい、供給が追いつかないんだそうです。ヲイヲイ、そうはいっても、5万円以上もするヘッドホンだよ…。こんなに買いたい人がいるの?世の中、良い音のためには…と言う人が多いということでしょうか。

確かにその気持ちにはなるよね…。


【購入しDENONのDACと組み合わせる】

というわけで、我が家にやってきたMDR-Z7。DENONのDACとの組み合わせも大変良いです。ただし、DENONのDA-300USB(こちらに記事)はヘッドホン出力がそれほど高くなく、このMDR-Z7のインピーダンス70ΩはぎりぎりOKという感じでした。大音量を求める方はアンプにも注意が必要です。

改めてハイレゾも含めて聞いてみると、このヘッドホンの素晴らしさが理解できます。

一言で言えば上品なバランスの良さ。これにつきます。低音から高音まで見事な再現性なのはさすがSONYですが、そこから一歩踏み出して、原音再生の魅力に大人の味わい、質感、空気感を与えたと言えばいいでしょうか。

心地良い!

それにつきます。いままでの日本のヘッドホンで、この言葉が当てはまるものはあったのでしょうか?いや、きっとあったのでしょうが、この価格帯ではお目にかかれなかったのではないでしょうか。ボンビーで他の機種をあまり知らないKAY2ですが、少なくとも今までショップで試聴してきた国内メーカーのヘッドホンでこれはあてはまるものはありませんでした。

実際、音はずば抜けています。特に低音の再現力がもの凄く上品です。

たとえば、冨田勲の名曲「新日本紀行」。N響の比較的新しい録音を聞いてみると、ホールに響き渡るバスドラム(大太鼓)。この音、身体が思わず揺れてしまうくらいにしっかりした低音にもかかわらず全くイヤミがない、自然な響きなんです。ホールで聞いているような質感です。これほど自然に聞こえるということは振動板には相当に余裕があるのでしょう。

ジャズにしてみよう…と、今度は小曽根トリオ。

やわらかいけれどもしっかりと空気が振動するドラムス。そして、ヤマハらしいピアノのシルキーな響き。ベースもまるで心臓の鼓動のような暖かい音色です。

今度は吹奏楽。「THE 課題曲」から「イリュージョン」。山下一史指揮、東京佼正吹奏楽団。トランペットやトロンボーンのユニゾン。分厚さとともにまさにブラス(鋼製)の振動を感じさせます。下手をするとキンキンしがちなこうした金管の音色が実にリアル。

カーペンターズではカレンの歌声の透明感と暖かみ、この相反するような独特の要素が見事に再現されています。

ああ、ため息が出てしまう。

やや大ぶりの製品ではありますが、かけ心地は良く、長時間装着していても、疲れは感じません。そこも、長年にわたり、プロ用のヘッドホン造りを続けてきたメーカーならではと言えるのではないでしょうか。

外見03
コードもプラグ式でバランス接続用のものに取替可能。

もう一つ、このヘッドホンではケーブルにもこだわりがあるんです。付属のケーブルの他に、バランス接続用のケーブルを別売していて、アンプがバランス接続に対応していれば、このヘッドホンでも楽しめます。このバランス接続、高級オーディオの世界なので、KAY2は体験したことがなかったのですが、ショップで経験して驚きました。これほど違うとは…。その話はいずれ別項で…。

さて、夜、食事が終わって、自分の部屋に。そして、このヘッドホンをかける瞬間の幸せ…ということは逆に他のヘッドホンに戻れなくなる不幸せ…でもありますが(笑)。そんな幸せをぜひみなさんにも味わってもらえたらな…と思います。

というわけで、最近、とても幸せな買い物が続くKAY2です。

実は、この製品を買う際に、もう一つ衝撃受けた関連商品があるのですが…。それはもし手に入れたら、ここに書くことにしましょう。

ああ、ヘソクリが消えていく…。あ、でもね、良いオーディオは長持ちします。以前ここに書いたスピーカー、DENONのSC-T777SA-Mは気に入って、購入して10年以上たちますが、すっかり満足していて、これを買い替えたいとは思わないのです。いい買い物をすると10年以上、持ちますから…。(KAY1への言い訳…(笑))


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